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わがまま幼馴染と別れた結果、モテモテになりました  作者: 木嶋隆太


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第33話



 その後、真理の手伝いをしていると、帰りは19時を過ぎてしまっていた。

 思っていたよりも時間がかかったな。

 ただ、これで明日の準備は完了だ。


 俺は真理とともに学校を出て、帰宅していた。


「今日はありがとう。本当に助かったわ」

「大した事はしてねぇよ。それより、いつも生徒会ってこういうイベントのときこんなに遅くまで準備の手伝いしているのか?」

「……まあ、そうね。他にもボランティア活動とかも人が足りていないときには参加しているわね」


 ……なんというか、学校の雑用係みたいだなと思ってしまった。


「大変だな……」

「けど、自分で選んだことだし、別にそうでもないわよ? 慣れてくると楽しい部分もあるし」

「……凄いな。俺は誰かのためにそこまで色々はできねぇよ」


 そういった瞬間、真理がくすくすと笑った。


「な、なんだよ? 何かおかしなところでもあったか?」

「いえ、その……だってあなた今私のために色々やってくれているじゃない」

「……いや、そうだけど――それは一応知っている仲の人だしな」


 そこが俺の線引き、だと思っている。


「けど、私が初めてあなたに頼んだときは知らない仲の相手だったじゃない」


 それは去年のことを言っているんだろう。


「そう、かもしれないけど……まあ、困っている様子だったし……一応クラスメートだったわけだしな。完全に知らない仲ってわけじゃないぞ?」

「それを言ったら、私は学校のためにやっているのだから知らない仲の相手ではないということになるじゃない」


 ……まあ、確かにな。

 それから真理は冗談めかしく笑った。


「それに、生徒会をやっていると先生の受けもいいしね?」

「……まあ、そうだよな」


 そんな話をしながら真理を家まで送っていった。

 玄関のところで、花がちょうどでてきた。


「あっ、一真さん。お姉ちゃんを送ってくれたの?」

「……まあ、そうだな」

「ありがとう……高校デビューしてからは、あか抜けたから変な人に狙われることもあったからよかった」

「ちょ、ちょっと! 余計なことを言わないの! ……それじゃあ、また明日!」


 真理が笑顔を浮かべたあと、花を家に押しこもうとする。

 俺はそんな二人を眺めて苦笑しながら、家に戻った。

 ……家に戻ると、家の入口に陽菜がいた。


 陽菜はこちらに気づくと、控えめに片手をあげた。

 ……あれ、いつもと様子が違った。


「一真、ちょっと良い?」

「……ああ」


 なんだ? 

 普段のような強気な態度ではなくなっている。

 それを僅かに警戒していると、彼女は弱気な表情でこちらを見てきた。


「ねぇ、一真……ちょっと聞きたいんだけど」

「……なんだ?」

「……一真があたしに冷たくなったのって、あたしが原因なの?」


 ……驚いた。

 まさか、そんな風に聞いてくるとは思っていなかった。

 ……いや、もちろん、そう自覚してもらえるようにふるまっていたつもりではあった。


 ただ、陽菜が気づくまで下手をすればもっと時間がかかると思っていたのも事実だった。

 ここまで、早いとはな。

 ……陽菜は、基本的に頭のできは悪くない。


「あんたがあたしから距離をとっているのって、あたしが……あたしがわがままだからよね?」

「そうだな。……よく、気づいたな。……誰かに言われたのか?」


 真っ先に浮かんだのは陽菜の母親だ。

 陽菜はぶんぶんと僅かに涙をためながら、首を縦に振った。


「最近、仲良くなったクラスの子に言われたの……っ」

「……なるほどな」


 以前、挨拶していた子がいたな。

 恐らくはあの子だろう。

 ……見た目は控えめな女の子といった様子だったが、陽菜にそんなはっきりといえる子だとは思わなかったな。


「……あたし。一真のことを想うとと胸がきゅっとなるの。一真が誰かと一緒にいると、いてもたってもいられなくなるの。胸が苦しくなるの。あたしが隣にいたいって、独り占めしたいって……そう思うの。あたし、一真と一緒じゃないとダメなんだって。一真が一番あたしの辛いときにいつも一緒にいてくれて……それで、凄い元気になれて……だから、あたしは一真と一緒にいたいって……思って……それで――」


 陽菜は涙を上でごしごしとぬぐってから、首を横に振った。


「……そうやって、一真に依存してたから、一真はあたしが嫌になったのよね」

「……そう、だな。おまえは俺に依存しすぎ、だな」


 俺が言い放つと、陽菜はこくんと頷いた。

 それから、彼女は目を厳しくつりあげた。


「……あたし、変わるわね。一真がいなくても、大丈夫になる」

「ああ、頑張ってくれ」

「うん、頑張るわね」


 そういって、陽菜はにこっと笑った。

 ……それから彼女は片手を軽くあげ、自分の家へと戻っていった。

 ……まさか、こんなに早く陽菜が心変わりしてくれるとは思っていなかった。


 良かった、とほっとする。

 陽菜の友人……という子に感謝しないといけないな。


 俺が言えなかったことをきっちりと言ってくれたのだ。

 俺は自分の部屋に入る。

 とりあえず、体育祭だな。


 ……陽菜の件はうまくいきそうだったが、あとは喜多の問題がある。

 ……あいつが何を考えているのか、はっきりとしたものは分かっていない。

 だが、彼女の俺への執着は……恐らく恋愛感情ではないということだけは分かっていた。


 


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