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専属侍女ルルとの出会い 08




 妖狐族。それは、数ある獣人の種族の中でも特殊な種族である。

 基本的な性質は、多くの獣人と変わり無い。狐族の獣人と極めて似通っている。だが、大きく違うのはその肉体構成。妖狐族は、その肉体の一部を魔素で構成している。つまり、魔物に似た肉体を持っているのである。


 どの獣人族も、変身時の姿は魔素によって構成されている。つまり、魔物に近い身体を持っている。が、変身を解除した時は魔素によらない肉体、つまり人間と同じ構造をしている。

 一方で、妖狐族等、一部の特殊な獣人族は変身せずとも肉体の一部を魔素で構成している。つまり、そもそもの肉体が魔物に近い。

 そのため、聖王国サンクトブルグでは過去に最も強く差別され、排斥された種族である。妖狐族の他にも竜人族など、似たような特徴を持つ獣人族は皆同様の歴史を持つ。


 そうした歴史的背景の影響か。妖狐族や竜人族は人間をひどく嫌う。特に、サンクトブルグ内に生存するそれらの種族は、犯罪行為も厭わない。魔族が外部の敵であれば、妖狐族や竜人族は内部の敵である。

 よって、妖狐族だというだけで忌み嫌われることは今でも多い。ルルもまた、そうした経験を幼い頃に数多く経てきた。


 だからこそ、ルルは強くなりたいと願った。誰よりも偉く、見下されない立場が欲しいと思った。そして――妖狐族であるという事実を隠した。ルルは長らく、自分を単なる狐族の獣人と偽ってきた。


 当然、ベルスレイアに対しても同様である。妖狐族であることは、かつての職場でも誰にも知られていない。そして、身体能力以上に隠し続けた絶対の秘密である。

 それがどうして、こんなに簡単にバレているのか。この時、ルルはかつてないほどの警戒心を抱いた。そして、僅かな恐れ。得体の知れない、ベルスレイアの力。それに本能的な恐怖を感じていた。


 なお、ベルスレイアがルルの種族を見抜いたのは当然のこと。血の魔眼で確認すれば、種族の情報は一目瞭然となるからである。

 今もちょうど、ベルスレイアはルルの能力を再確認するため、魔眼でチェックをしている。


――――――――


名前:ルル・アプリコット(Lulu Apricot)

種族:妖狐族

職業:魔道士

レベル:20


生命力:40

攻撃力:20

魔法力:22

技術力:20

敏捷性:20

防御力:19

抵抗力:20

運命力:25


武器練度:拳B

魔法練度:炎A 氷A 雷A


スキル:魔力 精神統一


――――――――


 妖狐族であることを隠すためであったのか。神託の水晶を使い、上位職に転職することをしていない。その状態で鍛錬を続けた結果か、ステータスが下級職の上限にほぼ達している。


 魔力というスキルは、魔法力を上昇させるスキル。そのため、魔法力が下級職の上限を越えた数値になっている。

 精神統一は、集中というスキルが変化したもの。周辺に味方が居ない時、クリティカルヒットの発生率を大きく上昇させる。


 ベルスレイアは、ルルのステータスを見て満足する。非常に優秀な人材。かつてシルフィアを見つけた時以上の掘り出し物であった。事実、ルルは発見当時のシルフィアよりも強い。これから転職し、さらに力を高めていくとなれば。期待は膨らむばかりである。


 なお、現在のシルフィアは成長し、ルルよりも強くなっている。


――――――――


名前:シルフィア・ロンドウェイ(Sylphia Rondway)

種族:妖精族エルフ種

職業:剣聖

レベル:18


生命力:46

攻撃力:24

魔法力:26

技術力:37

敏捷性:35

防御力:16

抵抗力:19

運命力:34


武器練度:剣S

魔法練度:風S


スキル:回避 先制 天剣 剣の極意


――――――――


 ほぼ剣聖として理想通りの成長をしており、これに満足しているベルスレイア。ゆくゆくは魔法職を一度経験させて、魔法力を上限まで伸ばせば完璧ね。等と、今後の育成プランについても考えている。

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