魔物の暴走と防衛戦 06
リーゼロッテのステータスは以下の通りである。
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名前:リーゼロッテ・クルエリア(Lieselotte Cruelia)
種族:人間
職業:近衛騎士
レベル:18
生命力:291
攻撃力:138
魔法力:141
技術力:132
敏捷性:144
防御力:119
抵抗力:137
運命力:178
武器練度:剣S 槍S 斧S 弓S 暗器S 拳S 杖S
魔法練度:雷S 氷X 光X 治癒X
スキル:洞察 解析 聖なる魂 戦意高揚 カリスマ 護りの祈り
癒しの祈り 祝福 癒しの波動
巧闘気 極闘気 守護 必殺 魔物特攻
強振 解錠 同体攻撃 瞬動 空歩
炎剣 死剣 鉄壁
不幸 幸運
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ベルスレイアの影の中で『竜の牙』殺しの経験値を一人で譲り受けていた。その甲斐もあり、ステータスは既にシルフィア、ルルを超えている。
転職遍歴は密偵に始まり、暗殺者、冒険家、武芸家、指揮官、将軍、騎士、近衛騎士という順番である。
また、シルフィアと同様に瞬動と空歩のスキルを持っている。故に、シルフィアに師事を受け、シルフィアと同様の技術を習得している。
リーゼロッテもまた、シルフィア同様の超高速移動戦闘が可能となっている。
そして『聖なる魂』というスキル。これは、リーゼロッテが気づけば習得していた。ベルスレイアの持つ『覇者の魂』と同様、成長上限を上昇させるスキルである。これの影響もあり、リーゼロッテはベルスレイア同様、ステータスが全て百を超えている。
「せっかくですし、シルフィア。お手合わせしませんか?」
「リーゼロッテ様がお望みならば」
ベルスレイアの戦いに感化されたリーゼロッテ。シルフィアに手合わせを願い、これをシルフィアも了承。
「ですが……既にリーゼロッテ様に、私から教えられることなど無いかと思いますが」
「そんなことありません。シルフィアからは、いつも色々なことが学べます」
実際、リーゼロッテの技術は極めて高い。長年塔に幽閉された結果、些細な違いすら観察して見抜き、それを楽しむという能力を習得しているリーゼロッテ。これの応用で、シルフィアの技術を観察し、見抜き、容易く盗んでしまったのだ。
自分の技術をあっさりと模倣され、シルフィアは最初、悔しさよりも驚愕が勝った。天才、という言葉では足りない程の才能。次に来たのは感動であった。この人は、どこまで巧くなっていくのだろうか、と。
以来――リーゼロッテの頼みもあり、ベルスレイアには内緒で訓練に付き合っている。
なお、ベルスレイアは血の魔眼でしっかり把握している。内緒に出来ていると思っているのはリーゼロッテだけである。
なお、リーゼロッテに追い抜かれてしまったシルフィアだが。そのステータスは以下の通りである。
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名前:シルフィア・ロンドウェイ(Sylphia Rondway)
種族:妖精族エルフ種
職業:剣士
レベル:11
生命力:254
攻撃力:116
魔法力:129
技術力:149
敏捷性:147
防御力:102
抵抗力:111
運命力:134
武器練度:剣X 弓X 暗器S 杖S
魔法練度:炎B 風X 雷A 氷A
スキル:洞察 精霊の魂 戦意高揚 運気 回避
閉所優位 速攻 剣の匠 大地の守護
先制 解錠 瞬動 空歩
炎剣 天剣 死剣 霊剣
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暗殺者以後の転職遍歴は指揮官、軍師、芸人、奇術師、剣士。主に剣と名に付く奥義系のスキルを求め、転職を繰り返してきた。現在の剣士は、剣豪のスキル『飛剣』を目当てにしての転職である。
また、リーゼロッテと同様、成長上限を突破する『精霊の魂』というスキルを習得している。
このスキルは突然生えてきたわけではなかった。ステータスの全てが成長上限に達し、しばらく後に突如覚醒。これまでの成長分が貯金でもされていたかのように、急激に上昇。以後、成長上限に達することなくステータスは伸び続けている。
このことを知ったベルスレイアは、ある仮説を立てた。魂と名に付くスキル、つまり成長上限突破系スキルの習得条件について。
まず、成長上限に達しても、実際のステータスは成長する。だが、上限以上のステータスは切り捨てられ、効果を発揮しないのだろうと仮定。
そして実際のステータスが既定値を超えた時、限界突破が起こる。個人毎に対応したスキルを習得し、実際のステータスが表示される。
リーゼロッテの場合は、聖なる魂の習得条件が緩かったはず。故に、限界に達するよりも先に突破が起こった。ベルスレイアの場合は転生による能力の引き継ぎにより既定値を超え、限界突破が起こった。と、考えれば全てに説明が付いた。
そしてこの仮説は、シルフィアに続いてルルもまた限界突破スキルを習得し、より強固なものとなった。