表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

8話 【沼のおじさん】再び

挨拶がてらと言って【一匹狼】のクラマスの【レイ・ライオネル】が来てから約一ヶ月ほど経ち、新規のお客さんが一切来なくなってしまった。

その代わりにアンチが増え、武器発注してそのままキャンセルしたり、DMにて誹謗中傷を送ってきたり、中には商品を無下に扱って破損させてしまったりと色々大変だった。


【アース】の掲示板では

・お金を払ったのに一切武器を作ってもらえなかった。

・粗悪品ばかり掴まされた。

・初心者を小馬鹿にしている。

・素材の提供をしないなら武器を作らないと言われた。

・大手クランやランカーにしか提供しない。

・金のないやつは来ないでいいと言われた。

など探せばいっぱい出てくる。


違う掲示板では

・店主に嫌がらせをしてこのゲームからいなくなってもらおうの会というのを結成して、嫌がらせをしているよう。

・随時嫌がらせ内容を開示している。


どれもこの1ヶ月間されてきたことが書かれていた。


ここまで捏造されて、嫌がらせも受けているがやめるつもりはない。

SNS等やってないのが幸いしてか炎上することはなかった。

『私』の家まで特定しようとした輩もいたようだがまだバレていない。


それでも今日も店を開ける。

『私』がいない間は店を閉めることにした。

NPCにはほとぼりが冷めたらまたお願いしますねと伝えて、数ヶ月は暮らせるお金を渡しておいた。


店側から内鍵を開けて、店を開店させる。

いつもならニヤニヤした冒険者たちがいるが今日は5人くらいのムキムキマッチョの戦士風の男たちが店の前に立っている。

その中には『グラハム』の姿もある。

『グラハム』が『私』に向かって


『あの時は大変申し訳ございませんでした。』

と謝ってきた。


『大丈夫ですよ?今日はどうされました?』

と言うと


真ん中にいたグラハムが1歩後ろに下がり道をあける。

するとゴスロリの服を着た幼女と高身長でスラッとしているがきれいな筋肉のついた女性がこちらへ歩いてきた。

【インフィニティ】のクラマス『沼のおじさん』(ゴスロリ)、副クラマス『琥珀』さんだった。


ゴスロリ幼女が

『久しぶりじゃの。』

『前の武器を取りに来たのじゃ。』


『お待ちしておりました。』

『早速ですが、中へどうぞ!』


『もう1つお主に話があって来たんじゃ。』

『それも店の中で話をさせてもらっていいのかの?』

『他の人に聞かれると結構まずいから少しの間だけうちの戦士が見張り番する形をとってもいいかの?』


『構いませんが、とりあえず先に商品をお渡ししたいので中へ』


【グラハム】と【琥珀】と【沼のおじさん】が店の中へ一緒に入ってくる。

残りの4人の戦士風の男たちは店内には入らずに店の外の周りで待っているようだ。


【グラハム】は店の扉付近で止まり、門番の役目を果たすようだ。


お客様を待たせてはいけないので裏から頼まれていたものを持ってくる。


【魔剣 レーヴァテイン】

【輝く松明】、【宝剣】、【ルーンの石版S】を錬金して作られた伝説の片手剣。

何者も寄せつけない光と蒼く揺らめく炎に包まれている。

かつて巨人族の長が使っていたとされている。

何者も寄せつけない光には状態異常を無効化する能力を持ち

青く揺らめく炎には、対象者に対して継続ダメージを与える。


【イージス】盾

【ゴッドゴートの革】、【ミスリル】を錬金した伝説の盾。

戦いの女神が愛用していた盾とも呼ばれている。

即死魔法を打ち消す能力と高い防御力を持っている。

また【ミスリル】を使っているためとても軽い。


2つの武具を【沼のおじさん】へ出した。


とても目を輝かせているゴスロリ。

その横で【琥珀】が青く揺らめく炎に目がいってるようで、手を伸ばし【魔剣 レーヴァテイン】を手に取ろうとした。

ゴスロリが【琥珀】の手をパチリと叩く。


『琥珀、これはわしのじゃ!』

『お主にはもう素敵な武器があるじゃろ』


『あ、あ?!?!』

『ごめん。なんだか見惚れてしまった。』

『というか、これはすごいな。』

『今市場に出回っている武具の性能を上回りすぎて市場が壊れてしまいそうだな。』


『【魔剣 レーヴァテイン】、【イージス】この武具がこのゲームでもあるのを知らせてもらえて、武具職人である私にはとても有益な情報でした。』

『【沼のおじさん】様ありがとうございます。』


『【沼のおじさん】じゃ呼びにくいじゃろ?』

『【ルナ】と呼ぶのじゃ。』

『安心せい。本名ではないからの。』


『わかりました。【ルナ】様』


『様とかいらんのじゃ。堅苦しい。』

『呼び捨てで呼んでほしいのじゃ。』

『そうでなければ、お主を特定して粘着するぞ。』


とゴスロリがさらっとえげつないことを言った瞬間に

ゴスロリの頭にチョップをする【琥珀】。


『痛っ!』

『【琥珀】暴力は反対なのじゃ。』


『私のは暴力なら、【ルナ】のは言葉の暴力よ。』

『本質は違えど、私と一緒よ。』


『大丈夫ですので』

と言って苦笑いをする。


『それにしてもお主の作る武具は本当に素晴らしいの。』

『しかも、ちゃんと使う人に馴染みやすいように作られているからの。』

『見えない努力と技術がしっかり込められているの。』

『ありがたく頂戴するわの。』

『代金じゃが』


『代金は今回は結構です。』

『私の中でとても有益な情報いただいたので、それとたまにメンテナンスで来ていただけると幸いです。』


レーヴァテインやイージスはいわゆる神話とか出てくる武具だが、特定の素材で錬金することによって出来るのかもしれない。

希少素材は鍛冶職人には扱えない。

あくまでも、鉄などの精製に長けているのが鍛冶職人だからだ。

『錬金術師』は耐久度などを下げずに品質が上がり、性能も上がる。

叩いて鍛えるというより『混ぜる』に近いのだ。

そういう意味ではある意味ステータスで最先端をいく。

とても不遇職業ではあるけども。


ただ、ステータスのあげ方をいまいちまだわかっていない。

希少素材に対して、劣化した鉱物を混ぜる勇気がない。

その場合のステータスの差とかを見てみたいが。

職業の熟練度をあげることによって、出来ることも相当増えるのだが。

つくった武器を解体して、もう一度生成するスキルがあればいいのだけど。


『お主は儲けるつもりはないのかの?』

『お主の腕ならどのクランにも引き入れられる能力を持っていると思うがの。』

『わしのクランもお主を引き入れれるのであれば引き入れたいくらいじゃからの。』


『いいお話ありがとうございます。』

『ただ、私はここでお店をするのが一番に性にあってますので。』


『【琥珀】からは聞いておるからその辺は大丈夫じゃよ。』

『でも諦めたわけではないからの。』


『お話というのは勧誘の件でしょうか。』


『いいや。違うんだよ。』

『この件は私から伝えるよ』

と琥珀が言う。


『【一匹狼】というクランのことでだ。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ