第五作『仮面ライダー剣 (ブレイド)』/第六作『仮面ライダー響鬼』
〇第五作『仮面ライダー剣 (ブレイド)』 おすすめ度:★★☆(2)
2004年1月~2005年1月放送。主人公・剣崎一真役は椿隆之さん。最近歌手デビューもされた、これまたイケメン俳優です。
まずいいところは、主題歌です。個人の感想ですが平成一期の仮面ライダーで比較しても一番かっこよく感じます。オープニングは前半と後半で2曲存在するのですが、どっちもかっこいい。特に後半のオープニングは王道を行くかっこよさだと思います。気になった方は前半オープニングは「Round Zero 仮面ライダー剣」、後半は「Elements 仮面ライダー剣」などで検索してみて下さい。
次に設定が好きです。怪人はアンデッドと呼ばれ、様々な植物や動物の始祖的存在になっています。その名の通り不死身で、一定以上のダメージを与えるとカードに「封印」できるようになります。この封印するためのカードがちょうどトランプの数、52枚だけ存在します。つまり最初から存在する怪人の数が決まっており、明かされているのです(主人公たち仮面ライダーはエースのカードを使って変身するなどの事情があって、物語開始時からすでに封印されているアンデッドもいます。なので実際に登場するのは52体ではありません)。
このアンデッドが封印されるカード、封印された後単なる絵柄入りカードになるのではなく、そのアンデッドの持つ特徴を活かした機能をライダーが使えるようになります。実はカードゲームよろしく、それぞれのカードのAPも決まっているのです(実際発売された玩具でカードをスキャンすると、APが消費される仕組みになっています)。劇中でAP切れを起こして戦えなくなった、みたいなことはなかったのでオマケ設定みたいな扱いですが、本編で明かす明かさないにかかわらずこういう細部までがっつり設定が決められているところが好きです。
登場する仮面ライダーは四人。複雑な人間関係やそれぞれの登場人物の苦悩と覚悟が描かれる前作の555と違い、その色は若干薄めになっているように思います。怪人側のドラマもどちらかと言えば薄めになっているので、大人になってから見ると童心に返った気分になってそれはそれでいいと思います。
あとはブレイドだけでなく555でも、以降の仮面ライダーでも見られる傾向ですが、全体的にシリアスな傾向なのを少しでも和らげるために、明るいシーンが所々入っています。ブレイドではくすりと笑えるシーンというよりは、序盤のものすごい滑舌の悪さに気を取られるのですが……(気になる方は、「オンドゥル語」で調べてみて下さい)。
ちなみにおすすめ度を2にした理由は、平成一期の仮面ライダーの中では抜群のもやもやしたエンドだから。そうとは知らずに見てメンタルえぐられた、という話もあるようですので、その点お気を付け下さい。
〇第六作『仮面ライダー響鬼』 おすすめ度:★☆☆(1)
2005年1月~2006年1月放送。主役は細川茂樹さん。主役の俳優さんが若手のイケメン俳優ではなく、ベテラン俳優であることからも分かる通り、平成一期の仮面ライダーの中では響鬼はかなり異色です。主たる対象年齢層も子どもではなく大人な設定だと思われます。僕は子どもの時見ていたはずなのですが、なぜだかあまり印象に残っていません。子どもには面白さがよく分からなかったのかもしれません。
子どもには面白さはイマイチ伝わらない……気がするのですが、今見返してみてもお父さんお母さん世代にはグッとくるタイプのドラマなんじゃないかと思います。本当に仮面ライダーというよりは、人情ドラマに近いです。悪役も元人間とかではなくほんまもんのバケモノですから、そもそも悪役であることの苦悩やらドラマがなかったはずです。(『怪人』とは言っていないところがミソ)
ただ主人公とひょんなことから出会うことになった少年の心の成長、みたいなのが全編通して描かれているので、今見てみると面白いのかもしれません(見てない)。
おすすめ度が星一つなのも嫌いだからではなく、僕の感性が子どもなので面白さが他に比べてちょっと、と感じただけのことなので、お許しください。