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恋心かくれんぼ
好き。
その小さな手も、食べ物を食べる時、すごくうれしそうなのも
近くにあって、果てしなく遠い
その笑った顔も、たかがテレビに号泣する時も
届きそうなほど側にあって、届かない
すぐ側に在るのに、すぐ隣にいるのに
いつか、君はその人と遠くにいってしまう
分かっているのに、気持ちのかくれんぼ
見つけてほしいくせに、気づかれたくない
幸せになってほしいのに、忘れられたくない
側にいてほしいのに、側にいたくない
苦しいのに、それをやめたくないんだ
ねぇ、気づいてしまったんだ。分かってしまったんだ。
その時笑う君の声に、その時見送るその視線に
僕じゃない誰かが笑っていて
君を見ていたい、君を見ていたいんだけど
きっと難しいから、届かなくても
まだ届きそうだって、バカな夢をもう少しだけ見させてよ
やっぱ嫌い。