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ジンとリリンの世界冒険譚  作者: 星太郎
第1章:出会いそして冒険の始まり
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第1話:リリンとジン

少し短めですが呼んでくれると幸いです。

 ーー冒険家とは、1つの国に留まらず、数々の国を渡り歩く者のことである。生計は主に集会所ギルドからの依頼によって立てられており、危険が多い冒険家という職業は各国をあげて支援されている。そんな冒険家を志す者は少なくない。


 そしてここ始まりの都《ノーグレス》にも頭を抱えた1人の冒険家の姿が。


「ああ……どうしよう。早速難関だわ。」


 実はこの少女、冒険家になったまでは良かったが共に冒険をしてくれる仲間兼用心棒が見つからないのである。


 用心棒を雇うにしても金はなく、まだ幼さが残る見た目ゆえ、他の冒険家と共に旅をしようにも相手にしてくれない。


「冒険家を目指して10年、18歳になってやっとの思いで集会所ギルドに冒険家として登録されたと思ったのに……」


少女はどうしようもないこの状況に対して、途方に暮れていたが、すぐに立ち上がると、


「こうなったら……やってやるわよ!!1人でも全然平気なんだから!!見てなさい!!」


 どうやら深く考えるのは苦手らしい。

少女はそう息巻きながらノーグレスを出ようとする。すると、


「おいおい聞いたかよ。また新米の冒険家が一人で旅に出て死んじまったらしい。」

「またか……これで何人目だ?まったく。」


 そんな声が町役場の方から聞こえて来た。


「……も、もう少し探してみようかしらね。」


 さっきの威勢はどこへやらか少女はもと来た道を引き返そうとしていた。

まぁ、あのようなことを聞いて踏み止まらない者は自殺志願者かただの馬鹿くらいなものだろう。


「ん?」


 くるりと振り返った時、ふと一人の少年に目が止まる。鮮やかな赤髪が特徴の少年だ。


「あの人も冒険家……なのかな?」


よく見ると少年の腰には剣が差してあった。装備も傭兵ほどしっかりとしたものではないが、運動性は充分で、戦闘には適している。


 まさかとは思いながらもその少年に声をかけようとした時だった...…


「ジーーーーンーーーー!!!」


 鼓膜が破れんばかりの怒号を響かせながら1人の男が赤髪の少年に向かって走って来た。

 年齢は少年よりも5つほど上に見え、いかにもチンピラという風体だった。


「てめぇー、また集会所ギルドの依頼を横取りしやがったな!!これで何度目だ!!」


 男は手に斧を持っており、今にでも飛びかかりそうなほどの興奮状態だった。


 まずいんじゃないのこれ……?


チンピラ男の様子を見ていた少女はそんなことを思うが、一触即発な雰囲気に気圧され、見ていることしかできない。


 止めに入るかどうか悩んでいた時、黙ってチンピラ男の言葉を聞いていた少年が、ついに口を開いた。


「……あんたがチンタラしてたからだろ。俺は何も悪くない。悪いのは鈍間だったあんただ。」


チンピラ男の怒気にも怯むことなく、平然とした顔で、少年はそう言葉を吐き出す。


それは駄目でしょ!?それ言ったら絶対にその人キレちゃうって!!


少年の吐いた毒に少女は内心でかなり動揺をしていた。心臓が動きを速め、目の前の状況に釘付けになる。


ブチッ


 何かが切れる音がした。


「テェェェメェェェェ!!!!!!もう容赦しねぇ!!!覚悟しろやぁぁ!!!」


どうやら少女の予想は大当たりのようだ。

 少年の言葉に激昂したチンピラ男は、手にしていた斧を少年めがけて振り下ろした。

 が、それを少年はその場から動くことなく、簡単にいなす。まるで赤子の手をひねるかのように。


 斧の重さによってチンピラ男の重心が乱れた次の瞬間、少年は素早く顎めがけて膝蹴りをお見舞いした。

 

入った。確実に。痛恨の一撃を受けたチンピラ男は音もなく崩れ落ちた。


「はぁ、まただ……またやってしまった。もういい加減に静かに街中を歩きたいものだな。それか、こんなところさっさとおさらばしたいもんだ。」


 少年はため息をつきながら頭を掻き、地面に倒れたチンピラ男を見ている。

 チンピラ男は倒れたまま動かない。白目をむいており、どうやら気を失っているようだ。


「す、すごい……何者なの?」


 一瞬で決まった勝負に少女は驚いていた。

 自分と同じ歳ぐらいの少年が年上の、しかも少年より大きな体格のチンピラに勝ってしまったのだ。

 それも剣も使わずに一撃で……



 呆然とする彼女の頭の中に突然、天から光芒が差すように、何かがピンと浮かんで来た。


 これだけ強いなら用心棒にも充分よね。しかもここからおさらばしたいって?これはいけるかも!!


 その場から去ろうとする少年に、少女は急いで声をかける。


「ねぇ、ちょっと待ってくれない?」


 少年はすっと立ち止りはしたが、騒ぎになる前に早く去りたいという表情だ。鬱陶しそうな顔で、自分を引き止めた少女を見ている。


「……俺に何か用か?」

「えっと……私はリリン。リリン・ガーデン。冒険家よ。あなたすごいわね。名前はなんて言うの?どこで戦い方を学んだの?集会所ギルドの仕事もしてるんだって?」


 怒涛の質問責め、しかもいきなりだ。

 はっきり言ってうざい。

大抵の人間なら、こんなに多く質問されると、返答もおざなりになるのが当たり前だろう。


 しかし、少年は冷静に、一つ一つの質問に丁寧に答えていく。


「ジン・マクレイン。……剣士だ。戦い方は独学で集会所ギルドの仕事は金のためにやっている。……他にも何かあるか?」


 ジンと名乗る少年はまるでロボットのように淡々と、そして無機質にリリンに答えを返す。

冷静すぎて不気味に思えてくるほどだ。


「おお……冷静ね……じゃ、じゃあ単刀直入にいうわね。ちゃんと聞いててね。」


 ジンの無機質な回答に少し戸惑いながらも、リリンは思い切って本題に入ることにする。


「私、一様魔法は使えるんだけど、魔力にも限りがあるし、できることも制限されるしで1人じゃ長い旅するのは無理なの。そこで提案なんだけどさ、私と一緒にに冒険の旅にでない?あなたもさっきこんなとこさっさとおさらばしたいって言ってたし。」

「確かに、別にここに留まる理由はないし、この男みたいな集会所ギルドの傭兵達にも目をつけられてしまったみたいだ。そろそろ次の都に行くのも悪くない。」


 そう言ってジンはさっきのチンピラ男を指差す。


「でしょでしょ!!あなたけっこう強いし、いい旅できる気するのよね!!よしそうと決まれば早速しゅっぱ……」

「けど足でまといは要らないな。」


 ジンはまたもや無機質にそう吐き捨てる。


「えっ……それってどう言うこと!?」


 ジンの口から出てきた言葉に、リリンは思わずその真意を問いただそうとする。


「ノーグレスは小さな都だ。こんなとこにいるってことはお前はまだ新米なんだろ?そんなやつを連れて行っても面倒なだけだ。」

「なっ……」


 ジンの言っていることは全て正論。リリンは言い返すこともできない。それでもどうにかして言葉を絞り出す。


「で、でも私は回復魔法とか使えるし、冒険の知識もちゃんと身につけたし、役に立つと思うよ?」

「必要ないな。話すことはもうないか?」


 必死に口に出したリリンの意見を軽く一蹴し、ジンはその場からスタスタと立ち去ろうとする。


「あっ、待ってよ!!ねぇ……どうすれば信用してくれるの?私にできることならなんでも言ってよ。」

「別に何も。お前と一緒に旅をするつもりはない。」


 振り返ってそう言うと、ジンはそのままリリンから背を向けて歩いていく。


「…………何よそれ。」


 そしてその場には棒立ちのままのリリンと気絶しているチンピラ男だけが残っているだけになった。


 リリン・ガーデン18歳。

 ジン・マクレイン18歳。

 

今2人の冒険が始まる?



如何ですか?

かなり拙い文だったと思います。

自分の描きたいものを投稿していきますが、より良いものにしたいので、よろしければ感想など言ってくれると幸いです。

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