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土の魔道士はモブで生きたい  作者: Pinekey
第2章 ガルム土国編
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第8話 最初の戦い

ーー我が名は"ガイア"、土の神である。


は?今この声の人?なんて言った?土の神"ガイア"って言ったら、伝説の5柱の神じゃないか。


「へ、へぇ。土の神様か...土の神様ねぇ...?」


動揺してしまった...が、挑発してみる。まずは探りを入れてみる。当然だ。


「もし仮にあなたが土の神様だとして、その証拠はあるんですか?例えばその力を見せつける...とか」


ーー今は封印されて大体的に力を行使する事は出来ん...だが


「が?」


ーーお主のスキルの不明になっている部分があるだろう。その力を解き放つぐらいの事は出来る。


"????"の事か?あれを解放されたところで、何が起きるかわからない上にどれだけ凄いのかもわからないんだけどな。


ーー解放するのか?


「その前にひとつ教えて欲しい。」


ーーなんだ?


「この不明スキルはあんたには何か分かっているのか?」


ーーわかっている。だからこそ主には声をかけられたのだ。本来、土の勇者と言えど我と話をすることなどできん。


腕組んで、「やれやれ」とか言ってそうな姿が目に浮かぶ。なんで話してるだけでこんなに腹が立つんだろうか。

まぁいい、とりあえず解放しといた方が良さそうだしな。


「わかった。解放してくれ。」


ーー良いだろう。


そう言うと、体が光に包まれる。体の中から力が湧き上がってくるのがわかる。強化系スキルか?


ーー主の封印されていたスキルの名は"ガイアの欠片"文字通り異世界に飛んでしまった我の一部だ。


...え?つまり俺がこいつの一部ってことか?


ーー土の勇者よ、現在我らの存在はどのように伝わっておる?


確か、バルニアにいる時にロガリアに習った...えっと...


「空の遥か上空にある天界で、俺達を見守っている...と」


ーーなるほど...あやつらはそのように伝えたのか...では、最初の勇者、最初の魔王の戦いの事はどうだ?


「戦いの詳細に関する記述なんかは残っていない。ただ、勇者と魔王の戦いで大陸が2つに分かれた...と。」


ーーそうか...良い、ならば主には真実を教えてやろう。


「真実?」


ーーーーーー

まだ、この世界の大陸が1つだった頃、ある場所に魔王と呼ぶべき恐ろしい力を秘めた存在が生まれた。


その時の人間は10000人ほどしかおらず神山(現在の4つの国の中心にある山)の麓で集落を作り、暮らしていた。


魔王が生まれると同時に魔物がいろんな場所で生まれるようになった。それを見ていた我ら4柱の神"光の神ゼルティム"、"炎の神アポロン"、"水の神ネプチューン"、"土の神ガイア"は四人の人物を異世界より招いた。それが最初の勇者達だ。


4人には我らの事は話さずに、魔王を倒すことだけを教えた。4人とも聞き分けがよく、順調に強くなっていった。


そしてついに魔王と相対した。

だが、なかなかに戦況は厳しかった。。4人が弱かったのではない。魔王が強すぎたのだ。仕方なく我らが力を貸し、魔王を倒したのだ。いや、違うな。


ーー倒したと錯覚したのだ。

主らが知っている神は我ら4柱だけであろう。5つある属性の内、4つの属性に神がいるのだ。闇の神がいる事を危惧しなかったのが我等の非であろう。


現れた神の名は"闇の神ペルディウス"

奴の力と魔王の力は相性が良く、我らの力を分け与えた勇者でも、戦いは厳しかった。


長い時間戦い続け、先に倒れたのは魔王だった。

だが、ペルディウスが残した闇の力によって我ら4柱の神は毒を受けた。


その毒は力を使う度、生命力を削る恐ろしい物。仕方なく、我らは勇者に命じて神山に祠を作り、封印させた。毒を受けた我らの魂の欠片を異世界に飛ばし、毒が消えるまで待っていたのだ。

ーーーーーー


「で、その毒がなくなった魂の欠片ってのが、俺の魂って事か。」


ーーそうだ、我は神。魂の欠片とはいえ、人間にとっては大きすぎる力であろう。


「で、どうするんだ?魂の欠片を返して欲しいからって俺を殺すのか?」


ーーいや、それはできん。この我の封印を解くには土の勇者が育成プログラムをWAVE200まで突破しなければならん。


「WAVEは100までじゃなかったか。」


ーー表向きはそうだ。だが、我の魂の欠片を持つ者は200まで受けられることになっている。


なるほどね...うーん。で、俺はどうすればいいんだ?


ーーいままでと何も変わらんよ。ただ魔王を倒して...その後でも前でも良い、我の封印を解いて欲しい。それだけだ。


うーん。こいつが俺に話しかけてきた意図がよくわからんな。まぁ少なくとも悪いやつじゃ無いっぽいかな?


「なら、とりあえずは言われた通りにする。ただ、少しでも疑いのある事態が起きたらすぐに手を切るからな。」


ーーうむ、それでは我が魂の欠片の力の使用を許可する。


ガイアが力の使用を許可した途端、数千年、数万年の勇者の記憶が流れ込んでくる。魔王の事、仲間の事、この世界に住む人の事、楽しい事、辛い事、嬉しい事、悲しい事...etc

あまりの情報量の多さに頭がパンクしそうになる。


ーーそれと、主は我の魂の欠片を持っておる。そう易々と死んでもらっても困るのでな。我の補助擬似人格"ヘカーテ"を付けてやろう。ヘカーテはスキルの詳細や、オーブ系アイテムの能力を単独で使用可能だ。


「つ、つまりそれはオーブ系のアイテムがいらなくなって......あー、ダメだ...」


頭がクラクラする。これは耐えれない。気絶しながら最後にガイアの声が聞こえた。


ーーさっきも言った通り、この祠は2日に1回挑むことが出来る。次きた時にまた、続きを話そう...

読んで頂きありがとうございました。

よろしければ感想、評価宜しくお願いします。


公爵家交換制度の所まで行きませんでした...(滝汗)

申し訳ないです。

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