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土の魔道士はモブで生きたい  作者: Pinekey
第2章 ガルム土国編
26/31

第24話 湖に向かう道で

はぁ...

いや、分かってる。ため息なんかついても何も変わんないし、誰かが褒めてくれる訳でもない。

でもなぁ...つい出ちゃうもんなんだよなぁ...


「あ、土屋様。おはようございます。」

「あぁ、メイティ。おはようございます。」

「あまり...元気がないご様子ですが...」

「いや、なんでもないよ。ちょっと疲れただけだから。」


精神的にね。身体の疲労は回復するからいいんだけどこればかりは...


「あまり無茶なさらないで下さいね?」

「あはは、気を付けるよ。... あ、 そういえばメイティはミリーさんを見ても嫌悪感を出したりしませんでしたよね?」

「はい、私はバルニア育ちなので話を聞いた事がある程度でしたし、それに...」

「それに?」

「私の家系はみんな猫好きなので...」


と、メイティが恥ずかしそうに顔を伏せる。かわいいな...


...

あとはリネさんだけど...とりあえずはメイティも猫人族への差別感とかは無し、と。

あれ?なんか精神的な疲れが取れてきたな...

良い報告があったからか?


「話は変わりますが、土屋様の本日のご予定は?」

「特に決めてないですが、暇なら魔物でも狩りに行こうかと。」

「それなら、今日は久しぶりにパーティで狩りに行きませんか?

さっき聞いたところ、他の2人も暇を持て余してるらしいので。」

「あぁ!いいですね!行きましょう

!」


と、いう訳で今日はパーティでの狩りに決まった。

とりあえず、あとの2人を呼んでギルドに向かう。

その時に聞いたが、リネさんも別に差別意識とかは無いらしい。


ーーーー

ガチャ


「お、土屋。」

「土屋さん。」

「土屋様ー。」


...なんだこの土屋コールは。

ギルドに入った瞬間にほぼ全員同時にこっち見て声を掛けてきたぞ。


「は、はい。何でしょうか。」

「いや、ただ今日も来たんだな、と。」

「あぁ、はい。どうもこんにちわ。」

「時間的にはまだおはようございますが近いと思うかな。」

「それはどっちでも良くないですかね...」


ただ、挨拶しただけか...まぁいいや。

そんな風に適当に会話をしながら受付へと向かう。


「新しく冒険者の登録をお願い致します。」

「はい、そちらのおふた方ですね?」

「はい。」

「ですわ。」


あ、メイティとリネさんはまだ登録していなかったらしいので、今日登録する。


「えーと...こちらの紙に名前をお願いします。」

「わかりました......これでよろしいですか?」

「......こっちも書けましたわ。」

「拝見します...えーと...メイティ様とリネード様ですね。

それではこちらをどうぞ。こちらはギルドカードになります。

血を一滴垂らせばその人以外の使用権限が無くなります。

勿論、血を垂らすのが嫌ならそのままでも構いません。

ですが、紛失の際は費用がかかりますので注意してください。」

「はい、わかりました。」

「わかりましたわ。」


そういえばそんな説明受けたような受けてないような...

まぁ、ギルドカード自体はあるし、使えてるから問題ないな。


「それと、土屋様のお付の方という事で、エルバート様と同じくAランクからのスタートとなりますが、よろしいでしょうか?」

「「かまいません(わ)。」」

「それでは、これにて登録完了です。このまま依頼を受けますか?」


よし、ここまでから先はまた俺が話そう。


「受けます。えっと、この四人のパーティで行ける手頃な依頼ってありますか?

あ、この前のオークの集落の掃討依頼くらいの難易度でも全然構いませんので。」


実際あれの3倍くらいまでならこのパーティなら余裕で勝てそうだけどね。


「えっと...そうですね...あ、これは...」

「ありましたか?」

「...前回のあれと同じぐらいの依頼はないのですが、それ以上のものが...」

「どんなクエストなんですか?」

「こちらです...」


受付嬢さんが見せてくれる。そこには...


グレートワーム討伐の依頼

報酬︰金貨50枚

備考︰グレートワームが10匹以上湖の近くに出現した。

色が3色全ていた事から、属性持ちであると推察される。

Aランク以上のパーティを複数合同して、討伐に当たって欲しい。


...いいんじゃないか?これ。

金貨50枚って多いな。

グレートワームは確かAランクの魔物だったな。

祠でも何回か戦ったけど大丈夫だったし。

ていうか、この依頼オークのあれよりも難しい判定なんだ...

ん?湖か...


「湖の近くに出たっていうなら、この間のグレートシャークは...?」

「あぁ、それなんだけど...」


気になった事を聞こうとしたら、後ろから声をかけられた。

目と腕を怪我してるし、この顔は...


「あぁ、この前の...」

「あ、覚えててくれたか?あの時はほんと助かったぜ。

それはさておき、そのグレートワームなんだがな...俺らがグレートシャークを倒した後に何とかして帰ってくる時に見たんだ。それでギルドに討伐依頼を出した。」

「なるほど、大怪我していたから流石にそのままグレートワームと連戦なんてできなかったわけですね...」

「いや、あんなのと連戦できるのは勇者ぐらいだと思うぞ...?」

「えっ?...」


そうなのか...考えてみればそれもそうか。祠で普通に連戦してるから感覚がおかしくなったか。


「それより、グレートシャークの時に見つけたってことは...」

「魔人族の息がかかった奴ってことか...」

「うん...」


あいつ...どんだけいろんな魔物に手、加えてんだ。

迷惑すぎる。


「ま、いいや。これ、受けます。」

「え...いいんですか?これ、かなりキツイ依頼だと思うんですが...」

「うーん、このくらいなら僕がいなくてもこの三人で行けると思いますよ?まぁ、僕も戦いますんで大丈夫ですよ。」

「わかりました。それと、依頼が完了したらギルドマスターが話があるとの事です。」

「ギルドマスター?あぁ、うん。テンプレだな...」


まぁ、理由は大体察してる。 てか、よく今まで接触してこなかったと思うくらいだ。


「それでは、よろしくお願いします。」

「はーい。それじゃ、いきましょうか。」

「「はい!」」

「おう!」


ーーーー


という訳で今現在俺達は湖に向かっている。

馬車で。


いや、俺は歩いていくと思ってたよ。

まさかの馬車とは...勇者贔屓半端ないな。

しかもめっちゃいい馬車だよこれ。

とにかく速い。湖まで丸1日かかるとか聞いてたけどこれなら夜までに湖に付いてグレートワーム倒して1日野営して帰ってこれるな。

あ、明日祠の日だ。


ま、それはさておき。

何も無いな...

湖までの道は整備されてるんだが、周りはひたすら平原だ。

時折、牛や豚みたいな動物がチラホラ見えるくらいで特に目立ったものが無い。

そういえば牧場とかは無いのか?

今度聞いてみるか...

と、そう思っていた時に


「あれ?馬車止まった?」

「止まりましたね。何かあったのでしょうか?」


馬車が止まるって事は馬車の故障か道に不備があったとか障害があったとかか。


「とりあえず御者の人と話をしてきます。土屋様はここで待っていてください。」

「いや、僕もちょっと外の空気を吸いたいから降りるよ。」


メイティがそうは言ってくれるが、流石にはいそうですか。とは言えない。

流石に女の人にそんな役をやらせるのは...ね。


「何かあったんです...か...って!」

「大変です!勇者様!」


御者の人の腕の中には2人の男女、恐らく兄妹だ。

それも、かなり弱っている。

御者の人が連絡してこなかった理由はこれか...

とりあえず回復魔法を掛ける。

だが...


「女の子の方に回復魔法が効かない!それに男の子の方も...」


女の子の方は回復魔法が全く効かず、男の子の方は少しだけ効いたが、かすり傷が治った程度だ。

これは...


「呪い...ですわね...」

「呪い?」

「闇魔法の一種ですわ。対象を束縛したり、弱体化させたりと、碌な魔法ではありません。」

「治すには?」

「高度な光魔法か...あるいは自然に生える特殊な薬草です...」

「う、うぅ......」


と、その時に男の方が目を覚ました。


「こ、ここは...はっ!エリスっ!エリスはっ!?」

「落ち着いて。ここは湖に向かう道です。あなた達はここで倒れていました。何があったのか、ここで何をしているのか、話してくれますか?」

「......話したところで、あんた達は俺達を助けてくれるのか。」


おぉ...こういう展開か。あるある。


「安心して下さい。僕達は勇者です。」

「......わかった。話すよ。」


その子の口から聞いた話は、この後の俺達の用事にも関わる事だった。

読んでいただきありがとうございました。

よろしければ評価、感想、誤字指摘をよろしくお願いします。


ホラーは諦めました...

読み直した結果、あまり怖くなかったので...

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