第17話 忘れられていた?リネードさんの話 前編
更新遅れてすいません!
明日と明後日も更新できたらするので許してください!
今回はタイトル通りリネードさんの回です。
そろそろ出してあげないと可愛そうだったので...
皆さん、私のことを覚えているでしょうか。私です、リネードです。
実は最近、土屋様とほとんど話をしていないのです。
正確には、話せるような状況がなかった...というべきですかね。
アリス様失踪事件の翌日...昨日はメイティさんに土屋様を連れていかれました。なにやら、買い物に行ったら魔族の襲来にあって返り討ちにしたとか?
そして本日は冒険者ギルド...私が部屋を尋ねると決まってどこかに行ってしまわれているのです。
朝がダメなら夜に...とも思ったのですが、昨日の夕食の時はいろんな人に囲まれてましたし、夕食の後にはすぐに浴場に行ってしまうのです。
理由を聞きたい所ですが、そんな大したことじゃない気もしますし、まず、聞く機会がありません。
そして、浴場から出てきた土屋様はいつの間にか庭に行ってしまっていました。
何をするのかと思って遠くから見ていたら、土魔法でなにやら小物を作り始めたのです。
しばらくうんうんと唸った後にコツを掴んだのか、ハッとなって直ぐに何かを完成させたかと思ったらすぐに部屋に戻ってしまいました。
いったい何だったのでしょうか?
まぁそれはいいのです。
そんな事よりも今日こそ...今日こそは土屋様に話しかけないと、そろそろ忘れ去られてしまうのではないかと危惧しているのです。
忘れ去られてしまうと困る理由ですか?
そんな物決まっているではないですか。
我が侯爵家と勇者とのパイプ、加えてはガルム王家とのパイプを作る為ですわ。
土屋様の事は正直、とても好きという訳ではありません。
最初の方に言った自害するという言葉ですか?
あれはあれくらい言わないと落とせない、と母親に言われたから言った迄ですわ。
本当にそんな事思ってる人なんていないのではないでしょうか。
顔は...かなり良い部類ではないでしょうか。
問題はあの性格ですね。
一見周りに引っ張られてるようにも見えますが、一方、何処かで企んでるような気もするのです。
その上あの魔力と土属性の桁外れの強さ。はっきり言うと怖いです。
メイティさんは一目惚れしたようですが...
まぁ、そんな訳でとりあえずは土屋様と仲良くはしておきたい所ですね。
別に妻にならなくても、パイプさえ作れればいいのですから。
...そんな事を考えていたらいつの間にか土屋様がいません。
もう浴場に向かってしまったのでしょうか?
とりあえず、今日はなるべく早く浴場からでて土屋様を待つことにしましょう。
そして、何でも良いから話をしておくのです。それと、明日出来ればお出かけにでも誘えたら良いですね。
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来ませんわ...
かれこれ20分くらい待ってますが一向に出てきませんわ。
もしかしてもう出たのでしょうか?
また行き違いになりそうです...
とりあえず、昨日何かの作業を行っていた庭を見に行ってみましょうか。
昨日と同じく、3階の与えられた客室のベランダから庭を見てみると...
...いましたわ。また何か作ってますわね...
どうしましょうか?あんなに集中してるのですし、話しかけるのは野暮ですよね...
作業が終わる頃を見計らって話しかけに行きましょうか...
......眠いですわ。まだ、作業はおわらないんですの?
またうんうん唸っておられますわね...
遠くて何を作ってるのかわかりませんけど何を作ってるのでしょうか。
はぁ、そろそろ終わってくれないでしょうか...
そう思った時でした。
「きゃぁあああっ!」
ベランダの壁がいきなり崩れて...
そこから意識が暗くなって、次に目を覚ました時には...
土屋様が下敷きになってました。
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今日は、メイティに杖を渡してから、いつも通りに風呂と飯を済ませて昨日から手を付けている魔法瓶とコップの作成に取り掛かかっていた。
コップは昨日完成した。
土魔法で作ったけど、あんまり形が良くならなかった為思いの外、時間が掛かり、ようやく完成した。
魔法瓶は普通に水筒だ。温冷両用にしたいのだが、仕組みをよく知らない為、錬成の付与でなんとかしようと思っているけど、どうもうまくいかない。
そんな感じでどうしようか困っていた時だった。
「きゃぁあああっ!」
悲鳴が聞こえた方を見てみると、ベランダの壁が崩れたのか、リネさんが落ちてくるのが見えた。
人間って焦ると知覚が早くなるのか、落ちてくるのがとてもスローに見えた。
作成中の魔法瓶を放り投げ、土操作で地面の土を操作して、自分のいる場所をサーフィンの様にしてリネさんの落下地点にまで急ぎ、できるだけ上までいく。
そうして受け止めようとして...
...失敗した。
結果、俺はリネさんの下敷きになり、リネさんが気絶から戻るまでの間、ずっと座布団代わりになるのだった。
その5分くらい後、リネさんが気絶から帰ってきてものすごい勢いで平謝りされて、お詫びに明日街に行こう。という話になって、リネさんは恥ずかしいのか、すごい勢いで部屋に帰っていった。
あ、魔法瓶投げちゃったせいで壊れてる...
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