第16話 メイティの武器を創ろう 後編
17→18のつもりでした、それなのに日をまたいでしまった...いや、今はまだ18日の26時...ゴニョゴニョ.
グレートサラマンダーを倒した。
だから魔石をチャッチャと回収して武器作ろう。
あ、でも魔石以外の部位いらないな...。
「あのー、このグレートサラマンダー。魔石以外の部位要らないんですけど...もし良かったらどうです?」
「いやいやいやいや。そんなすごいやつの素材なんてタダでもらえねぇよ!」
「むぅ、なら銀貨10枚で。」
「金貨10枚が妥当なラインだな。」
「高くないですか?」
「いや...俺ら何もしてねぇから、素材の相場で買い取るべきだ。」
「じゃあ、本人の了承を得たってことでその半額でいいですよ。」
「...はぁ、わかった。土屋さん、あんたにゃ叶わねぇよ。」
「...おい、俺のこと忘れてねえか?」
「あ、もちろんエルバートにも上げるよ。」
「ん、そりゃ良かった。」
よし、いらない部位を押し付けれた。
それじゃあ...
「魔石取り出すか...あれ...?」
「どうした?さっさと解体するぞ。」
「僕、魔物解体したことないです。」
「あぁ〜、そうか。じゃあ俺がやる、お前は魔石だけでいいんだよな?」
「はい、それだけ先に取り出してください。」
エルバートは解体用の大剣をアイテムボックスから取り出し、グレートサラマンダーを切り始めた。
だが...
「かっ...てぇなぁ!なんだこいつ...」
「あっ、エルバート。そのままそいつ切るとたぶん刃が...」
「げっ!刃こぼれしていやがる...」
多分闇の魔力が残っていたんだろうな。刃先が侵蝕されたんだろう。
「ちょっと見せてください...」
「直せるのか?」
「多分...」
いい機会だし、武器作る前の実験って事で。
「"錬成"」
錬成で武器の刃こぼれしている部分を直す。それとこのままじゃまた刃こぼれするだろう。なので...
「"金属操作"ーー"魔力付与"」
金属操作の魔力付与を使って鋼鉄の大剣を魔鉄鋼の大剣にする。
「できた...たぶん、さっきよりも切れ味が良くなってると思います。一応アイテムオーブで確認をお願いします。」
ヘカーテさんの鑑定系スキルは人前では使いたくないんだよね...うっかりバラしちゃいそうだから...
「はっ...?おいこれ...」
アイテムオーブを見てみると...そこには...
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解体用の大剣
特殊効果:切れ味増加 (小)
素材:オリハルコン
作成者:デルガー
改造者:土屋 俊太
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なんでオリハルコン...てか、デルガー誰よ。あ、作成者か。
「...お前こんな凄いものを片手間で作るとか...ほんと人間か?」
「いや、人間ですよ...ちょっっとだけ特殊な。」
すいません、ほんとは少し神様混じってます。
「まぁ、いい。これならあいつを切れるんだよな?」
「あっ、ちょっと待ってくださいね。一応防御魔法かけときます。」
『大地よ!神の力を以て守護の力を与えよ!ディバインブースト︰守!』
解体用の大剣が薄く光る。てか、"解体用の大剣"が正式名称なんだな...もっとかっこいい名前があっただろうに...
「よし、もっかい切ってくる。」
「期待して待ってるよ。」
エルバートがグレートサラマンダーにもう一度近寄り、大剣を一振り。
スバッ
グレートサラマンダーはあっさりと切れた。ゴーレムが首をさっくりと落としたように。
「お、オリハルコンの剣ってこんなに切れ味良いのか...初めて使ったがこいつはおいそれと使えるもんじゃないな...」
「そんなにですか?」
「あぁ、いままで使った武器の中で一番切れ味がいい...」
Aランク冒険者のエルバートだ。それなりに武器などを見てきた筈だし、言ってることは確かだろう。
でも...
「でもそれって解体用ですよね...」
「解体用の大剣でも立派な武器だ。魔物の討伐にも普通に使える。」
「へぇ...そうなんだ。」
こいつ...普通に話してるけど、その間にもどんどんグレートサラマンダーが解体されていってる...
改めて思ったけどこいつすごい奴だよな...
「よし、取れた...こいつはでけぇな。ほらよ、"グレートサラマンダー"の魔石だ。」
「ありがとうございます。それじゃ、そのトカゲはみなさんでご自由にどうぞ。ほんとはお金何かいらないんで、どうしても払いたければ後ほど。僕は武器を作ってきます。」
よし、杖作るか...まず初心者用のやつ。
素材は...
ベビートレントの枝
ゴブリンの魔石
まぁ、普通だな。一番簡単に取れるやつなんだろう。
それじゃ作るか。
まずは金属を枝にコーティングしたいんだが...あ、ゴーレムまだ戻してなかった。
丁度いいしゴーレム使おう。
『土操作』
「"金属操作"」
土操作でゴーレムを土の塊に戻し、金属操作で土の塊から鉄を分離させる。
おぉ、割と沢山含まれてるもんなんだな。
次は...
「"錬成"」
ベビートレントの枝を鉄でコーティングしていく。
んでもって最後に魔石をくっ付けて、その上からまた錬成。
よし、完成だ。思いのほか簡単に出来たな。
鑑定してみよう。一応まだエルバート達がいるので、アイテムオーブを使う。
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魔道初心者の杖+
特殊効果:魔力操作 (小)
素材:魔鉄鋼、ベビートレントの枝、ゴブリンの魔石
作成者:土屋俊太
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+って付いてるしいい感じなのかな?
あ、オリハルコンになる前に魔力付与やめたらちゃんと魔鉄鋼になったよ。さっきのはやりすぎだったっぽい。
まぁ、これはアイテムボックスに放置かな。
同じ様な感じでグレートサラマンダーの杖も作る。
魔石がでかいな...形を整えるのが難しい。
「うぬぬぬぬぬぬ......う、できた!!」
「何変な声出してんだよ...」
「うぉわっ!」
「何ビビってんだ。さっきからずっとここで見てたぞ。」
まじか、全然気づかなかった。よっぽど集中してたのか。
だが、杖は完成だ。正直に言おう、会心の出来だ。
「ほぉ、これがお前の作った杖ね...」
アイテムオーブで確認する。
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グレートダークサラマンダーの杖+
特殊効果:火属性適正上昇 (中)、闇属性適正 (微小)
武器魔法:闇炎の息
素材:オリハルコン、マグマトレントの甲皮、グレートダークサラマンダーの魔石
作成者:土屋 俊太
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やべ、自重しなさ過ぎたかも...
エルバート達が口を開けたまま動かない...あ、後ろのひとりが気絶した。
いやいやいやいや!
「ちょっと!そこの人倒れてますよ!」
「はっ!おい大丈夫か!?気をしっかり持て!疑いたくなるのはわかるが落ちつけ!これがこいつの正常だ!」
「なんか罵倒されてない?」
「おい土屋。この事はちゃんと冒険者としてギルドに報告させてもらうが...いいな?」
えー、面倒いことになりそう...
「嫌そうな顔するな!こんな...こんなやべぇ物作りやがって!」
「そんなにやばいんですか?」
「そりゃお前、魔法付きの武器なんて...勇者の武器ぐらいなもんだぞ...」
「え゛」
「そんな物をこうも簡単に...はぁ、やべぇ。胃が痛ぇよ...」
「なんていうか...すまん、エルバート。次からもうちょい自重する...」
「あぁ...もういい。報告はしとくからその杖メイティに届けてこい。もうすぐ日が暮れるぞ。」
「あ、ほんとだ。ありがとうエルバート、またこの例はするよ。」
「この素材だけでもう充分だ。」
「そうか、じゃあ。エルバートもあまり遅くなるなよ!」
「おう、こいつら叩き起こしてギルドに報告したら城に戻る。」
早く戻らないとな...
城に戻ってきた...のはいいけど、女の子の部屋にお邪魔するのって...なんか勇気いるんだよな...
ヘタレか、って言われそうだけど、言われたらヘタレだよとしか答えられないな、これは。
「あの...土屋様?」
「うぉわ!?」
また変な声がでちまった...どうも、今日は驚いてばっかりだな。
まさメイティが後ろから来るとは...
「あ、その、実は今日の朝話してた杖が出来たんですけど...」
「ほ、ほんとですか!?」
「その...かなりやばい性能らしいんですよね...まぁ、メイティさんなら使い方を間違えたりはしないと思いますけど...えっと...」
「はい!是非とも土屋様の役にたたせていただきます!」
「メイティさん。腕輪、ありがとうございます。お礼にこの杖を受け取ってください。」
「はい!一生大事にします!」
メイティは杖を受け取ると、満面の笑みで笑った。
可愛いな...はっ!いやいや何を見蕩れてるんだ俺は。
恋愛はしない。この戦いが終わるまで!
でも...そうだな...もしかしたら俺は...
「土屋様?」
「いや、何でもないよ。これからもよろしく。メイティ」
「っ!はい!」
メイティの事が好きかもしれない。
読んでいただきありがとうございました。
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メイティの武器作り終わりました。土屋君...ちょろすぎですかね...
次回は最近見ないあの人の話です。忘れてたわけではございませんよ?