第13話 ミリー救出作戦
テスト週間なのに...勉強が進まない...
小説書いてていいのかよ!って言われそうですが、まぁなんとかなる...と良いよね!
ドアに耳を当てて中で声がしないかどうかを聞く。
声は...しない。
ドアを勢いよく開け、中を見る。誰もいない。
10件以上の廃店舗を見てきたがどれもハズレばかりだ。
流石にすぐ近くの店には逃げ込まないってか。
「あの...土屋様を疑う訳では無いのですが...本当にこのような店にいるのでしょうか...」
「テンプレならだいたいいるんだけど...よし、この次でいなかったら別の場所を探してみようか。」
「はい。ではあの角を右です。」
「了解」
さっきと同じように耳をドアに当てて音を聞く。
声が.........する!
(メイティさん、たぶん中にいます。声からして男が3人、女が1人です。女はミリーだと思われます。)
(3人ですか...土屋様なら余裕ですわね。)
(だといいけどね...)
もう一度聞き耳を立てる。よし、まだ話してる。今のうちに奇襲して、サクッと無力化してしまおう。
バンッ!
「何だ!?」
「誰だ!?」
男が3人。ミリーは椅子に縛られ、目隠しと猿轡をされている。
今喋ったのはディータ以外の2人だ。
ディータは少し驚いた表情を見せた後、すぐに戦闘モードに入る。
だが、後の2人は遅い!
『ウインドバレット!』
『アースバースト!』
詠唱ストックによってストックしておいた魔法を2つ放つ。今現在俺がストックできるのは2つだが、もっと使えるようになるらしい。最初の光の勇者は5つ出来たんだとか...洸大もそのくらいなって欲しいものだな!
「あああ!!目が!俺の目がぁぁあ!」
「くそ!動けねぇ!」
風魔法は目に見えないので回避は難しい。戦闘モードに入って無かったなら尚更だ。
てかおい1人目!ム〇カか!
「やってくれましたね。本当はその小娘を餌に貴方を始末しようと思っていたのですが...」
ミリーの救出はメイティに頼んでおいた。てかこいつ今俺を...
「始末...?」
「ええ、魔王様の敵になるだろうと思われるあなたを...ね!」
いきねりディータが手に魔法を付与して爪を作って攻撃してくる。
てかこいつ今の無詠唱じゃないか!?
『武器変換!』
ガイアの杖を盾に切り替えて防ぐ。この盾すごいぞ!衝撃が全く来ない上に紙のように軽い。さすが神様の名前がついてるだけあるぜ。
...ダジャレじゃないよ?
「チッ、仕留め損ないましたか。」
「おいあんた、無詠唱ってどういう事だ。それに魔王の味方みたいな口ぶりだな。」
「ええ、そうですね。本来なら何も言わずに始末する所ですが...どうせなら話してから殺して差し上げましょう。
私は魔大陸より来た魔王軍が1人。魔人族のディータと申します。」
魔王軍...魔人族...なんで俺のところに来たんだろうか。
「まぁ無詠唱で魔法が使えるのは魔人族の特権なんでね...こんな風に!」
その直後ディータの後ろに火の玉が数10個浮かぶ。
おい!ここ屋内だぞ!
「メイティさん!ミリーを連れて逃げて下さい!あと、この近くの人をみんな避難させて!」
「わかりました!土屋様、こんなことを言うのは烏滸がましいかもしれませんが、どうかご無事で!」
「ええ!この件はキッチリと〆させてもらいます!」
「まずはこの弾幕を耐えて見てもらいましょうか!」
『地よ!その力で我が敵の攻撃を止め、身を守れ!アースシールド!』
『大地よ!神の力を以て守護の力を与えよ!ディバインブースト︰守!』
アースシールドを大きく展開し、ガイアの盾(変形したガイアの杖)にドッキング。ついでに裏属性の守備力上昇魔法で盾を強化。守備力上昇魔法をなんで知っているかは...何かと便利なヘカーテさんに聞きました。
ドドドドドドドド!
打ち出される炎の玉をすべて盾で受け止める。余裕だ。ディバインブーストはいらなかったかもしれない。
「ほう、これを耐えますか。では、魔人族の本気をお見せしましょう。」
ディータが手に闇魔法と思われる魔力を貯め始める。アースシールドは邪魔だったから消した。敵の行動が見えないから正直邪魔な感じもあるんだよね。
「我が闇にて滅せよ!ダークバンカー!」
闇の魔力で出来た巨大な槍が生成される。一点突破で盾を壊そうってか。ガイアの盾は壊れないって聞いたんだけどな...まあ、いいや。どのみち盾使わないし。
『武器変換︰杖』
「何だと!?」
本当の魔法ってものを見せてやるよ。
『大地よ!我が呼び声に応え、槍となりて敵を撃ち抜け!"アースランス!"』
敵の放った闇魔法に土魔法でできた槍を正面からぶつける。
闇魔法には光以外の属性の魔法を阻害する効果があるらしいが...
「なぜだ...なぜ闇に呑まれない!!」
「簡単な話だよ。体全体に掛けてたディバインブーストを槍に移して発射したのさ。」
ヘカーテさん情報によると、付与系の魔法は魔力を流している限り維持され、他の対象に移動可能らしい。
で、これを使えばこの程度の魔人の闇魔法は防げるとの事だった。
「これが本命だ。喰らえ!」
『大地よ!愚かなる敵に鉄槌を下さん!わが大地の力を持って叩きつぶせ!神の名を持つ槌よ!敵に裁きを与えろ!"ガイアハンマー!"』
アースハンマーの上位魔法。グングニルは一点突破だが、これは面で敵に攻撃ができる。最初に捕縛した2人も魔人族らしいので、攻撃範囲に収める。前にアースハンマーを外したが、魔法を打った直後の相手なら...
「クソッ!ダークオーラ!」
「無駄だ!」
ディータが潰される間際に回避を諦めて、闇の魔力をまとって防御をするが...文字通り神の鉄槌は止まらない。
「ぐぁぁぁあああああ!!!クソがああああ!!」
魔力切れ寸前でガイアハンマーを消す。これかなり魔力使うんだよな...マ〇ンテ的な。
ハンマーをたたき落とした場所にはぼろ屑になったディータが転がっている。
驚いた事にわずかながら息をしている。
「ははは...最初から勝ち目なんてなかったな...お前...本当に人間か?」
「人間さ、ただの異世界に召喚されただけの一般人。」
「まぁ...もう関係ないけどな...」
「最後に教えろ。なんで俺のところに来た?」
「上からの命令さ...今回は土の勇者がやべぇ奴だから早めに始末しておけって...周辺のこと調べて...いろんなところで手回しして...仕留められると思ったんだけどな...こんな事なら...勇者と手を組んだ方がマシだったぜ...」
最後にそう言い残すと、ディータは消えた。
黒い魔力が宙に霧散する。
「なにはともあれ、一件落着かな...あ、事後報告。」
「土屋様ぁぁあああああ」
メイティがどこからともなく現れ、飛びついてくる。魔力が切れて割とフラフラだったせいで、押し倒される。
「ミリーさんも、周りの人もみんな無事です!土屋様のおかげですよ!」
「ちょ、メイティさん!ど、どいて!なんか周りから見たら危ない事になってるから!」
「なにが危ないのです?」
「え...」
「え?」
この人、天然かっ!!
ミリー救出作戦は締まらない形で幕を閉じた。
読んでいただきありがとうございました。
よろしければ感想評価宜しくお願いします。
誤字報告もありがとうございました&宜しくお願いします。
初の人殺しなのにこんなにも落ち着いてるのは、例の記憶のせいです。