序章00
作者による妄想世界です。内容の中に、共有できない世界観があるかと思います。つまらないものなので、期待せずに読んでください。
世界は終わろうとしていた。
平和だと疑わず、安寧な日常を過ごすことを当たり前としているのは、人々があまりにも穏やかな日々に慣れてしまったことが原因であった。
人類は半永久的に生き残るものだと、消えることはないと誰しもが信じていた。
けれども世界は刻々と滅びへと突き進んでいることは不変的な事実であり、そのことを肯定せざる得ない惨状が世界中のほうぼうで起きていると各国の報告で明らかになった。その真実を知り得る者は、一握りの上層部の人間に限られていた。
彼らは人類の生き残る方法を探し求め続けた。希望する永久の未来がくる世界を、人類が築き上げた至高の叡智を絞りだして探し始めたのである。
――そして、見つけた。
人類が存続することができる唯一の方法を、世界を総べる上層部は見つけ出したのだ。
国際連合加盟国である193ヵ国が保護し監護する聖なる地がこの世には存在する。
130年前に島国として国連加盟国に加入していた国の名前は日本。
日出ずる処の日本は、自らの領地を差し出し“清き箱庭”の聖域になることを受諾する。よって、世界中が公認する庇護すべき最優先被保護対象として、日本領土は隅々まで管理されることに至ったのである。
当時、重要な物事の取り決めを日本国憲法により明文化して行っていた機関――日本国政府を解散し、同時に国民主権を廃止するも、元日本国民には依然として等しく人権の尊重を与えられた。難民へとならざるように住居や資金、物資は滞りなく援助することを“清き箱庭”に関する国際連合条約によって定められた。
元日本国民はそのまま日本に残ることも可能であり、他国に移動することも可能であったという。
こうして、国でなくなった日本は何物にも脅かされることのない絶対的安心を手に入れ、世界から何時でも注目される対象へとなったのであった。
2250年、現在――
世界を総べる者たちが見つけ出したものは200年の歳月を越えて、ようやく日本に集結する。盤上にすべての駒が置き揃えられたのである。
日本の聖地区域に指定されている東京、その地区に建立する桜雉学園。
――その場所で、世界の運命を掛けた賭博が、今始まる。