§第一章〜殺伐とした日々〜§2
次の次くらいにはノエと会えるかなー
「む……加減し過ぎたな」
荒野の一部を、まさに文字通り地形を変えておきながらバンはそう呟いた。
実際、盗賊どもを殺すつもりで放った魔法だ。敵を伐てずにいては意味がないのは道理だろう。
大きくお椀型にえぐれた地面の端、盗賊たちが伸びている場所でこいつらをどうするか思案して。
「………」
最寄の街に送っておいた。
殺さなかった理由は特にない。
虫も殺さぬ、という訳ではもちろんなくて、先の戦争でも自分に襲い掛かる魔物は容赦なく屠ってきた。
強いて理由を上げるならやはり、めんどくさいから、だろうか。
バンの旅に特に目的はないと前述したが、とりあえずの目的、というか目的地はあった。
それが今盗賊どもを送った街、トキウだ。
戦争の前では、世界有数の経済力を持った島国の中心的な街だったらしいが、今ではごろつきから、金持ちまで、雑多な人間が入り交じる街になっている。高い建造物にのみ、かつての面影を見る事ができる。
「……まだ遠いな」
トキウのある方角を見上げ、バンは言った。
自分で開けた穴を迂回して、街に向かう。
あと早ければ一日で着くという時に、とんだむだ足をくったものだ、とバンは思った。
今回短めでしたー(笑)
正直いらない回だったかも
こんな駄作一人お気に入り登録していただけて、すごくすっごーくうれしいです/////
ありがとうございます