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美少女(物理)  作者: 蘇芳春海
5/11

第四話『お値段なんと、198,000円!(無駄に甲高い声で)』

ユニークが1000越えてました。ありがとうございます。

うれしくてのた打ち回ってます。

 前回のあらすじ。

 俺はチートだった。


「ところで、魔力ってなんだ?」


 さっきのルイの説明に組み込まれていた単語。

 どうせ魔法とかを放つのに必要な物とかだろうけど、一応聞いておくことにした。


「魔力は、魔力だ。魔法や魔術を放つのに必要なもの。高ければ高い程、強力で精密な魔法が放てるぞ。さっきも言った通り、一般に魔力持ちで魔法が放てる人の平均が一万四千。そして、君の魔力は72ペタだ」


 ふむふむ、なるほど。


「ちなみに、それなりに魔力を持っている奴はどれくらいだ?」


「この王国の騎士団にいる魔術師が18,000から23,000くらいだ。優れた魔術師で37,000前後。王国が認める超人で200,000程。ここの隣の国の勇者が996,241。で、何回も言うが君が72,000,000,000,000,000だ」


「俺の魔力、数字表記にすると0が多すぎて読み辛いな。あと隣の国の勇者の魔力めっちゃ中途半端だな」


 まあ、これで魔法とかの存在と、俺のチートっぷりが良く分かったな。

 じゃあついでにもう一つ質問。


「魔法と魔術ってどう違うんだ?」


 さっきルイが魔力の説明の時に言ってた魔法と魔術についての質問だ。


「まず、魔法には属性がある。『火』と『水』と『風』と『土』、それから『光』と『闇』だ。それで…………あー、説明するのめんどくせえな……」


 駄目じゃねえか。


「って、口調変わってるぞ」


「え。ああ、マジか。それはすまなかった。ちょっとばかり、素が出ていた」


 素か。意外とルイの素の口調って普通なんだな…。ルイの素ってちょっと見てみたいかも。


 ……じゃねえや。素だとかそんなことはどうでもいい。重要なのは、こいつに『今までエ●シャダイの某指パッチンの大天使を意識して喋っていた疑惑』が浮上したことだ。そこんとこ、実際どうなんだろう……。


 そんな疑問を浮かべる俺なんかは気にもせずに、ルイは話を進める。


「魔法は魔力に属性を付着して体外に放出。あるいは、魔力を変化させ、その属性の物体を作り出す事によって出現させる、凄くファンタジックな技術の事………とでも思っていてくれ。大体あっている筈だ」


 よくわからんけど、ファンタジックな技術なんだな。それを使うことによって、火やら水やら風やら土やらを出す事が……。


 あれ?なんか少なくね?普通にどれもRPGとかで出てきそうな属性だけど………何かが足りない気が…。


「?どうした?なにか疑問に思うことでもあるのか?」


 何かが足りていないような感覚に首を傾げていると、ルイが話しかけてきた。


「いや、ちょっと……ん?…あ、なるほど、そうか!『雷』がないのか!」


 大抵、ゲームとかでは火属性と水属性と雷属性と+αが定番だもんな。でも、なんで『火』『水』『風』『土』と来て、『雷』だけが無いんだ……?ハブられたのか…?


「雷がどうしたんだ?」


「いや、なんで属性に『雷』が無いんだろうなって思って……」


「ふむ………なるほど、雷か……」


 ルイは少し考えるような間を置いて、話し始めた。


「……この世界での雷は自然現象そのものでしかなく、『何を原因に雷が起きるのか』が解らず、そして『それを調べるだけの技術が無い』から、魔法に応用することが出来なかったんだろう」


 むむ、なにやら難しい話になってしまったぞ?


「静電気など容易に認識が可能な物や、自ら電気を発生させる事で身を守っている動物、君の居た世界でいうデンキウナギなどがそれに当たるな。そういった所で『電気という存在』はちゃんと人に認識されているんだが、どうやらこの世界の今の人類の自由になる代物ではなかったようだ」


「要は、この世界には雷属性の魔法は作られて無いってことか」


「そうゆうことだな」


 電●使い(エレ●トロマスター)とかはかなり需要ありそうだな。この世界では未知の力だし、学園●市第三位にもいるし。上手くすれば国一つ落とせるかも。

 …………できたとしても俺はやらないぞ?


「さて、雷の話はこれくらいにしよう」


 ルイがビリビリな内容の話を終わらせて、次の話に移る。


「人それぞれ得意属性があったりする。得意属性ってゆうのは、まあ、単にちょっとだけ他の属性よりか上手く扱える属性ってだけだ。なにもその得意属性しか使えないってことは無い。得意属性が二つある、なんて人も稀にいるぞ」


 なるほどなるほど。


「ただ、光と闇が得意な奴はあまりいないな……。とゆうか、使える奴が極小数しかいない。だから、光か闇が使える奴は場所によっては結構重宝される」


 よくある設定だな……。


「あ、闇属性はなんか邪悪なもの扱いされてるから、あまりいい目で見られないが…」


 やっぱりそうゆうのもあるのか。


「ふむふむ。で、魔術は?」


「魔術は、いくつもの術式に魔力を通して発動させる物だ。召喚術とかは魔術だな。テレポートとか封印術とかも。こう言った物にも、空間や時間と言った属性がある。こっちの属性は少々特殊でいろいろとランクが高いから、得意属性にはならないぞ」


 要は魔術は特殊なのか。


「あ、忘れてた。大抵の魔法は属性があるが、属性の無い魔法もある。治癒魔法や身体強化魔法とかがそうだな。そういったものは無属性だとかって呼ばれてる」


 なるほどぅ。


「魔法と魔術についてはこんなもんだな。大体分かったか?」


「ああ。理解力の少ない馬鹿な俺にとって、わかりやすい説明だった」


「それは良かった。他に質問はあるか?」


 冒頭の、魔力がうんぬん以外は大体理解できてたからな……。ツッコミ所多すぎだったけど。


 えーと、じゃあ、


「魔法や魔術の使い方は?」


「その質問を待っていた!」


 突然、どこからともなく神の声が聞こえた。今度は一体どこにいるんだ……?


「よいしょっと…。そんな君には特別にプレゼントをあげよう!」


「おい!!今どこから出てきた!?俺の見間違えじゃなければ、俺のワンピースのスカート部分の中から出てこなかったか!?」


「いいじゃんどこから来たって。大丈夫だよ、中の物は見えなかったから」


「よくねえよ!!もう少しマシな所から出てこい!!」


「えぇー…。分かったよ仕方ないなぁ…」


「ちょっ……戻んな!!スカートの中に戻ろうとすんな!!ていうかやり直さなくていいから!!今度から気を付けてくれればそれでいいから!!」


「もう、最初からそう言ってよ。いらない恥かいたじゃん」


「……俺の方が恥ずかしいんですけど…?」


 なんなんだよこの神………性格が変質的過ぎるだろ……。


 ちなみに、ルイはその辺で何もせずに俺達のやり取りを見ていた。少しは止めようとしろ!この駄目天使!!駄天使!!


「今なんか、すごい罵られた気がしたんだが……」


 おっと、いけないいけない。顔に出てたか?それとも脳から思考が駄々漏れしてたか?染み出してたか?まあ、どうでもいいか。


「で?プレゼントってなんだ?変態神」


「変態神………なんかもう少し良い呼び方無いの…?」


「ちょっと変態っぽい神」


「緩和はされたけど、どの道変態じゃん」


「変態という名の神」


「変態という名の紳士みたいだね。で、私としては変態を抜いて欲しいんだけど?ていうか、もう面倒臭いからセリナって呼んで。私の名前だから」


 名前あったんだ……。あるなら最初から名乗っておけよ。あ、俺も名乗ってなかったか。


「で?プレゼントってなんだ?セリナ神」


「セリナ神………まあいっか」


 セリナ神はどこからか一冊の分厚い本を取り出した。

 ……どっちかと言うと、『召喚した』みたいな感じだけど。


「この、持つのも一苦労な分厚過ぎる本をあげよう。あ、やばい。片手で持つの無理……。手ぷるぷる言ってきた……」


「無理すんな。なんの本だ?」


 セリナ神は本を両手で持ってから言った。


「この世界に存在する魔法&魔術、現在使われている簡単な魔法と魔術から、太古に存在していたとされている失われた魔法や魔術。さらに、こことは別の世界の魔法や魔術まで!何から何まで全部がこの本に!

 内容は全て貴女のいた世界の言葉で書かれている為、この世界の誰かに悪用されることは一切ございません!

 今ならこの大きめのサイズの鞄をお付けして、お値段なんと……!」


「金取るのか?」


「……最後まで言わせてよ、もう。せめてツッコミを入れて欲しかったよ」


 嫌だね。ていうか何時のまに鞄を出した。


「とにかく、魔法や魔術で知りたいことがあったら、この本に書いてあるからね。すごく分厚いし、かなりの強度を持ってるから武器にもなるかも。たぶん、その本で岩を砕いても傷一つ無いと思うよ」


 どんだけ強いんだよその本。


「君の世界の言葉で書いてあるって言ったけど、ほとんど日本語だから。まあ、格好付けさせる為に一部英語とか使ってるけど」


 せめて、見栄えを良くする為って言えよ。


「あと、こっちの鞄はちょっと変わった素材で作られてるから、破けないし千切れないし燃えないし食べれないよ?」


「誰も食べねえよ鞄なんか」


「大きめに作ってあるから、ちゃんとこの本も入るよ。この二つが、君へのプレゼントだよ。ありがたく受け取るがいい!」


「なんで急に偉そうにするんだよ。…って、危ないから投げるな!」


 セリナ神が投げてきた本と鞄をなんとか横に跳ねて避ける。

 本と鞄はベッドの上の、ちょうど俺の座っていた場所にドスンと音を立てて着地した。


 ていうか、セリナ神、投げる時すごく辛そうな顔してたけど大丈夫か?


「さて、聞きたい事はまだあるか?」


 ルイが俺に聞いてきた。


 ううむ、まあ聞きたいことは聞いたな。いい暇つぶしにもなったし、だいぶ眠くなってきた。


「今聞きたいことは一通り聞いたな」


「そうか。じゃあ、私達は帰るとしよう」


「仕事サボって来たしね」


 仕事サボって来たのかよ。大丈夫なのか?サボった所為で世界が一つ滅亡するなんてこと無いよな?

 ………マジで無いよな?


 ルイとセリナ神は部屋のドアを開け、去り際に、


「「フッヘヘ。それじゃあ、良い夢を」」


 と言って出て行った。


 なんだその変な笑い方。

 あと息ピッタリだなアンタら。

 ていうか、帰りは普通に帰るんだな。


 ………なんか疲れた。寝る。おやすみ。



 この前「大丈夫?」が、「バナジウム?」に聞えました。

 本当にバナジウムと言ったのか訊ねてみると、彼女は笑顔で去っていきました。


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