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プロローグ
暑い……この言葉でしか形容出来ないのがもどかしいぐらいに暑い。汗はとめどなく流れてくる。
さっき涼んでいたコンビニから追い出された。
私が普通の格好でいたらそんな事は無かっただろうが……。
私は浮浪者。よく言うホームレスというやつだ。特に珍しい理由からなった訳でもなく、ただ不況の波に飲まれてリストラされてしまったからだ。人生というものはどれだけ努力しても報われない事の方が多い訳で、全ては『運命』によって操作されているのである。
この運命には絶対に逆らえないもので、産声をあげた時から最期まで何もかも始めから定められているのだ。ただ誰もその事実を知らず
「人生はギャンブル」
だ等と言う。何が起こってどうなるかなんて全て決まっているのに。