精霊と王様
第7話、書けたよ!ちょっと過ぎちゃったけど書き終わったよ!
できるならもう一話今日アップしたいけど、書けるかな・・・・・orz
決意を新たにしたルミカはさっき確認した方向へひたすら歩いていった。
今のところ鳥や虫以外の生き物は見ていなかったが、あの魔の山の麓がそんなに安全とは思えず、警戒を怠ることは無かった。
十数分歩いたところで、川が見えてきた。
「後はこれで下流へ沿っていけばいいのね」
川の水はとても澄んでいて川魚が泳いでいた。
魚は見たところ食べられそうではある。
川を覗き込むと、ダークブラウンの髪と目が見えていたので、魔術は成功したようだ。
折角だ、歩きながら川の水を使って魔術の練習をしよう。
意識を集中させて川の水からピンポン玉ほどの水球を作り出し、それを目の前まで浮かせて――――パクリと口に含んだ。
(おぉ~、流石に天然物はおいしい)
昔から、宇宙飛行士がやっていたアレを一度やってみたかったのだが、うまく行ったようだ。
次にもう一度水球を作り、その次に火球を作りだした。
(これなら他も作れそうね)
さらに風と電気、光、闇と作り出しそれを空に浮かべた。
自分の想像通りのものがその場に存在しているというのは異常なことだが、その異常性を理解していないルミカは、やれば出来るものなんだと、思っていた。
当然ツッコミを入れられるものは誰もいなかった、・・・・・・はずであった。
《すごい、すごいあんなに使ってる!》
《あら本当に使ってるわ》
誰もいないはずの空間からふいに声が聞こえてきた。
咄嗟に足を止めて魔術をやめ、辺りを警戒する。が、人間らしき生き物は発見できない。
「・・・・・何、あれ?」
そう、人間らしき生き物は・・・・・・・
見れば、さっきまで魚しかいなかった川の上・・・正確には空に親指サイズの羽根のある小人がいた。
いや、あれはまさしく――――
「ティン○ーベル・・・・・?じゃなくって精霊か!?」
某ネズミーランドの緑のツンデレ妖精の名前が浮かんだが、彼らの名前がそうだとは限らないので言い直した。
そこには色とりどりの精霊らしき生き物がこちらを伺うかのようにじっと見つめていた。
《こっち見てるよ!》
《あら本当、さっきのが聞こえてたのかしら?》
《皆見えてるのかなぁ?誰か挨拶をするべきじゃないの~?》
《代表として光か闇がいったらええんちゃうん?》
《私は嫌だ、光がやれ》
《闇のはいつも我にすべてを任せるな・・・まぁ、仕方が無い、我が行こう》
《頼みましたよ光の》
《頑張れよ!》
精霊と思わしき集団の中から金色をした一人がルミカの前へとやって来た。
ベルゼは確か、全ての精霊が見える者はいないといっていたはずだが、私の目には約8種類の精霊が見えるのだが、どうなんだろう。
《初めまして異世界の、我は光の精霊だ》
「あっ、始めまして光の精霊、ちなみに私は〈異世界の〉ではなくルミカと言います」
目の前で挨拶をしてきた精霊は性別不明の超絶美人だった。
そもそも精霊に性別があるとは限らないのでその辺は割愛するべきだろうが・・・・・・。
《ルミカか、念の為に聞くが、我以外の者が見えるか?》
「えぇ、約8人見えますが・・・」
《本当に!?》
そういって飛び出てきたのは薄い緑色の髪と目をした美少年精霊であった。
《すごいね~、本当に見えてるんだ~》
しきりに感心してヘラリと笑ったのは茶色を基調にしたチャラ男美青年であった。
「ちょっと、待ってくれる!せめて誰が誰だかくらい教えて欲しいんだけど・・・・・」
《それもそうだ!俺は火の精霊だ、よろしくな!》
勢いよく返事をしたのは、赤色を基調にした服を着た精悍な顔立ちのイケメンだった。
《私は樹の精霊です。よろしくお願いしますルミカ》
丁寧に挨拶をしてくれたのは柔和な顔をした美女?美男?だった。どっちだろう?
《うちは雷の精霊や、よろしくなルミカ》
活発そうな美少女がルミカの周りを飛び交う。
《私は水の精霊よ、よろしく》
そこにいたのは青系と金色の煌びやかな衣装を身に纏った美女だった。
《僕は風の精霊だよ!》
キラキラと輝いた目を向けたのはさっき飛び出してきた薄い緑色の髪と目をした美少年精霊であった。
《俺は土の精霊だよ~、よろしくね~》
ヘラヘラと締まりの無い微笑を浮かべたのは風の精霊のあとに喋ってきたチャラ男美青年だった。
そして、最後に―――――あれ?
「あれ?さっきまでいた闇の精霊らしき人は?」
《闇の!?どこに消えた!?》
《あ~あ、またどっか行っちゃったんだ》
《闇のは面倒くさがりだからね~》
《光のがいつも苦労しとるんよ、可哀想やろ?》
光の精霊が辺りを忙しなく探し回っているが、闇の精霊は出てくる気配が無い。
他の精霊たちは探す気が無いのか動く気配は無く、話し始めた。
《闇のは先ほど見たかもしれませんが、あんな感じなのでそれで分かってあげてください》
「それは別にかまわないけど」
《ありがとうございます。水の、光のを止めてきてください》
《もぅ、何で私が・・・・》
ブツブツ文句を言いながらも、飛び回ってる光の精霊を止めるために追いかけていった。
闇の精霊は流し見程度にみたが、怠惰な雰囲気を纏わせた美青年だった。
その髪も目も服すら、不吉とされている黒で統一されていたが、禍禍しい等とは程遠いほどの高貴さが滲み出ていた。
《なぁ、ルミカは何でこんな所にいるんだ?召喚を行ったのはサングレアだろ?》
「サングレア・・・・って、あぁ!私を召喚した国の名前か」
召喚した国があるというのはベルゼから聞いていたが、そういえば肝心の国の名前は聞いていなかった。
《召喚されたこと知ってるの!?今までの異世界のはそんな事無かったけど・・・?》
今までの召喚された人間達を知っているようなので、詳しく聞こうと思って、はたとルミカは気がついた。
「ええっと・・・風の精霊・・・・でいいのかしら?名前とか無いの?」
《えぇっと・・・・》
《名前はあるけどね~、俺らの名前は教えられないんだ~》
困ったように視線を彷徨わせる風の精霊のかわりに土の精霊が答えた。どうやら名前が無いわけではないらしい。
「何で教えられないの?」
できれば名前で呼びたい所だった。何とかの精霊って言いにくい。
《うちらの名前は王と同じやから、教えられへんのよ》
「王って、精霊の王様ってこと?」
《あぁ、俺達の王だ》
言われて思い返してみれば精霊についても詳しく聞いていなかった。・・・・・よくよく考えてみると本当にこの世界について詳しく聞いていなかった。
これは人間の国に着いたらまず常識を頭に入れる必要がありそうだ。
「精霊の王と同じってどういう事なの?」
《私たちは精霊王と同じ存在ということです》
「・・・・・・ごめん、意味が分からないからもう少し詳しく教えてくれる?」
名前だけではなく、存在も同じと来たもんだから、さらに意味が分からなくなってきた。
《それについては我が話そう》
そこに光の精霊が水の精霊に連れ戻されて帰ってきた。
予想通り闇の精霊は見つからなかったらしく、水の精霊は疲れたように樹の精霊にブツブツ文句を言ってた。
《我ら精霊というのは、属している精霊の王達の一部なのだ。要するに精霊の王から別れた力の一部と言ったほうが分かりやすいかもしれないな》
「一部って、つまりコピーとかクローンってこと・・・・・?あ~、人間とかの概念の子供って訳で《そうではない》は無いわけね・・・・って事は、姿も考え方も全部一緒ってこと!?」
光の精霊の言いたいことは大体分かったが、なんて恐ろしいことだろうか!双子とか三つ子とかでも顔や性格に違いというものが生じるはずなのに、この精霊たちに限ってはそんなことすらないという事だ。
「ちなみに聞いてもいい?あなた達精霊ってどれくらいいるの?そんでもって皆同じなの?」
《我ら精霊は世界中どこにでもいる。・・・・ちなみに同じだが?》
いかにも不思議そうではあるが、ルミカの感性から言うと異常以外の何物でもない。
しかして、これが精霊たちにとっては普通なのだろう。
「そ・・・・そ、うなの?皆同じなんだ・・・・あぁ!でも他の精霊に会うことがあったらちゃんと挨拶しないといけないわよね・・・・!?」
《あのね、ルミカの事は皆も王も僕らを通して知ってるから大丈夫だよ!》
(私の心情的に大丈夫じゃない!!)
大声で風の精霊に突っ込みたいところであったが、それが声に出ることは無く、そっと目を瞑るだけに留めたのだった。
考えても見て欲しい。同じ顔、同じ性格、同じ喋り方の知り合いが目の前に現れた時どう反応していいのかが分からないだろう!しかも大量発生ときた。タチの悪いイタズラ・・・いや、悪夢以外の何者でもないだろう。
しかも、この精霊という生き物はその辺りの感性が皆無である。
いや、しかし考えてみると不思議だ。いくら全種類見えないとしても、同じ顔の精霊が何人もいたらおかしいとは思わないのだろうか?
まさか、この世界の精霊魔法を使える者達にとってもこれは常識なのだろうか?
「精霊の王と同じ名前だから教えられないって事の理由は、よ~く分かった。ちょっと聞きたいんだけど、あなた達が皆同じ顔をしていることを他の人間とかエルフとか不思議そうにしたこと無いの?」
そう言うと精霊たちは顔を見合わせて首を傾げていた。
本当にいなかったのか?と絶望的な気持ちにさせられたが、樹の精霊が《そういえば・・・》と口を開いた。
《そういえば、前に私たちが見えていた異世界のは私たちを奇妙な目で見ていましたね》
《そう言えばそうやったな~、確か理由は・・・・なぁ、ルミカ、あんたにうちらってどういう風に見えるん?》
「は?どういうって・・・・・・羽の生えた小指サイズの人間?」
異世界の勇者の話が出てきてちょっと好奇心が湧いたが、次の雷の精霊の言葉に疑問符を浮かべまくった。
他にいいようが無いのだが、どうしたらよいのだろうか?
しかし、精霊たちは何故か首を傾げてルミカを見つめてきた。
《やっぱりや!なぁ、土の覚えとる、異世界のが言ってたの?》
《あぁ~!思い出したよ、あの時確かに異世界のは言ってたね~》
どうやらその言葉を知っているのは雷の精霊と土の精霊だけのようで、他の精霊たちはわから無いようだが、訝しげにルミカのほうを見ていた。
二人の精霊を見るのなら理解できるところだが、なぜこちらを見ているのだろうかと疑問に思った。
「え~っと、なんて言ってたの?」
《異世界のはな~、あんたと一緒でうちらの事が人間に見えるって言っとたんよ、それで、【同じ顔の人間がこんなに世界にあふれてるなんて可笑しい!】ってあんたと同じように不思議そうに聞いてきたんよ》
「それのどこが・・・って、【人間に見える】?」
そこで気がついたのだが、彼らが不思議そうにルミカを見ていたのは、とどのつまり、彼等は他の者達には人間に見えることが無いというのを示していた。
《そうそう、あのね~俺の事が人間に見えるって言ったのは後にも先にも前にいた異世界のとルミカだけなんだよ》
《成る程、そういう理由があるのか》
《そいつは知らなかったな!そういえば、あの時異世界のに協力してたのは雷と土だったな俺達は見えなかったみたいだし》
どうやら当たっていたらしく、とどのつまり、人間に見えているのは今の世界では私だけということになる。
では、通常の、他の精霊魔法を使える連中には彼らはどのように見えているのだろうか?
「私にはあなた達が人間みたいに見えるけど、他の人達にはどんな風に見えてるの?」
《他の連中には私たちは光の玉にしか見えないわよ、それぞれの属性って分かる色した玉ね》
そう言われてようやく納得した。
確かにそれでは精霊たちに可笑しな顔をされたとしても仕方が無い。
顔がある人間とただの光る玉では受ける印象がまったく違う。むしろ違和感がなくなってしまう不思議である。
しかし、どうして私と前の異世界のにしか人間に見えなかったのだろうか?
「その異世界の人っていつ来たの?」
《あぁ~、確か・・・・50年前くらいだったっけ?》
《せや、確かそれくらいやったよ》
異世界召喚にかかる年数と大体あっている。
その年代だと某緑の妖精を知っていても不思議ではないかもしれない。
それが彼らの姿に反映されてしまったのだろうか。
「ちなみにその異世界の人って今どうしてる?」
《ん?確か病気になって死んじゃったんじゃなかった?》
「はははははっ・・・・そうなんだぁ」
もう笑うしかない、この様子だとやはり他に召喚された人間達も同じようにこの世界で死んだのだろう。
ルミカにとって召喚は渡りに船だったので良かったが、こればかりは召喚したラングレアを恨みたくなってくる。
ルミカは召喚を知っていて召喚に応じたが、他の人間達は何も知らぬまま召喚され、帰ることすら出来ずに死ぬ、・・・・・残酷なことである。
(なんとか召喚をなくすことは出来ないかしら・・・・・?)
この世界でやることがもう一つ増えたな、なんて考えながら、ルミカはもう少し話を聞こうと思って口を開きかけて素早く閉じた。
閉じた理由は簡単だ。
ルミカが視線を向けた先に三つ目の巨大な蛇がシューシュー言いながらながらこちらを見つめていたからだ。
着いたはいいが、なんだか書いてるこっちが混乱してきた・・・・。
途中途中「ねぇよww」とか「書いてることさっきとちげぇww」みたいなことがおこってきた。
なんて恐ろしいww
夜中に眠いの我慢して書いたせいかもしれない・・・・・。
いつか書き直す!・・・・・多分!