異世界の常識=非常識
第四話です・・・・・異世界って何でもアリだと思っているので、細かいことはお気になさらずお願いします。
それから私は異世界へ行くことにはなったが、とりあえず、聞いておくべき必要なことを聞くことにした。
「異世界に行くのはとりあえずいいとして、ベルゼの優遇って何があるの?」
ベルゼはさっき〈私がかなり優遇できる〉といっていた、それはつまり、転生の時とはまた違うことを私につけることができるということだろう。
「あぁ、それについては後で話す。その前に異世界についての説明をするぞ」
そうして、彼は私がこれから行くであろう世界の話をし始めた。
世界名 アーディナル 地球と同じくらいの惑星で、水陸 7:3ので、気候も同じような感じらしい。
ただ、違うのは、精霊がいたり、人間以外の種族がいるということだ。
ファンタジー小説よろしく、魔法があったり精霊や魔物がいたりするらしい。
種族は大きく分けて人間・魔族・精霊・エルフ・ドワーフ・獣人・その他に分類され、大まかに7種に分類されているらしい。
「その他って、他に何がいるわけ?」
「ふむ、少数部族や主にハーフ達だな」
「ハーフ?」
ハーフといわれると、想像するのは私の世界でのハーフだが、先ほどの種族を聞く限り、そのバリエーションは豊かなことだろう。
「先に言っておくが、ハーフは人間との間にしか生まれないからな」
「え、なんでよ、魔族とかエルフとかいるんじゃないの?」
「そうだ・・・・しかし、遺伝子上の異常により、人間以外と交わって生まれた者は異形として生まれる、まぁ、ほとんどが生き物の形をする前に死ぬ、生まれたとしても肉の塊でしかないこともよくあることだ」
意外なことに、人間以外との子供はできないらしい。
それが、どんな意味を持つのかは知らないが、ハーフはつまるところ人間とのハーフだけのようだ。
「じゃぁ、ハーフエルフとかハーフドラゴンとかそんな感じなの?」
「そうだ」
異世界に行くことに不安はあるが、人間以外の種族と会うのは実に楽しそうだ。
「あと、精霊だが、彼らは人間にはごく一部にしか見えない。エルフや竜、ドワーフなんかには見えるものは多いのだがな」
「見えないってことは、魔力が少なすぎて?」
「その通りだ、ただいくら魔力が強くとも全種類の精霊が見えるものはほとんどいない、それに精霊たちにも好みというものがあるからな、気に入らなければ適性があったとしても姿は見えん」
精霊の好みというのが良くわからないが、好き嫌いもあるというのは可愛いような気がする。
「種類っていってるけど、精霊の種類ってなにか意味があるの?」
「ある。精霊は主に火・水・土・風・光・闇・樹・雷などの精霊がいて、エルフなんかは精霊の力を借りた精霊魔術を使っている、先ほど言ったが、その種類の精霊が見えない者にはその精霊魔術は使うことができない」
なるほど、精霊たちに好かれないと使える魔術が少ないのか。
確かに、精霊の種類はかなり重要なようだ。
「精霊魔術ってことは、他に魔術に種類があるの?」
「あぁ、魔術と言っても一概に魔力によるものだけではない。自らの魔力だけに頼って使うのを魔術。精霊の力を借りるのを精霊魔術。神官なんかが神の力を借り受けて使うのが神術、大まかにこの3つだな他にも亜種のようなものもいくつかあるが」
思っていた以上に魔術というのは色々とあるようだ。
なかなか面白い展開になってきた、ミナがいたら大興奮であっただろう。
ルミカもこういうのは嫌いではない、むしろ好きだ。
殺伐とした世界ではあるのだろうが、未知の世界というのは非常に楽しみになってきた。
「神術ってどんなもの?」
「あの世界はアーディナルを神として崇める信仰がある。確かにアーディナルは存在している神だ。ちなみに言っておくが私よりも下位だからな、私のほうが偉いからな」
神様の発言を受けて思わずベルゼを見て、若干遠い目をしたのを勘違いしたのか、必死に自分のほうが偉いんだからなというベルゼはどう見たって神には見えない。
むしろ、名前だけ聞いたアーディナルのほうが遥かに尊い存在のように思えてしまうのは仕方ないことであったのかもしれない。
「それで、そのアーディナルの力を借りて何ができるの?」
「うっ・・・・なんだそのどうでもよさそうな感じは、これでも高位の神なのに、アーディナルなんかよりも偉いのに・・・・」
威厳もなんも放棄したかのようなベルゼは正直うっとうしかったところなので、にっこりと微笑んだルミカは、思いっきり音を立てて机の上を殴った。
ちょっと手が赤くなったが、このダメ神を黙らせるためなら腕の一本や二本ぐらいくれてやっても良いだろう。
「神の力を借りてできることは肉体の修復と肉体と精神の強化、呪いの解除が主なものだ!!あとはええっと、病気とか毒とかもある程度なら治すことが可能だ!!」
怯えたように早口でまくし立てたベルゼは少し青ざめていた。
たかが人間になんでここまで怯えるんだか・・・・ちょっとサンドバッグにしかけたり笑顔でテーブル叩いただけじゃないか。
「お・・・・・・お前のそれ、は、なんだか怖いのだ!」
「それでも神か情けない・・・・・」
流石に呆れたが、これ以上ああだの言ったところで好転するわけではないので、説明の続きを促した。
「と、とにかく魔術についても説明してくぞ、魔術とは自らの本来持ちうる魔力を用いて術を行使するものだ。これは強力な力ではあるが、魔力の消費が激しく、人間と魔族、竜族が使っている」
「ん?精霊魔術との違いがいまいち分からないんだけど」
魔術と精霊魔術はそこに精霊がいるかいないかの差にしか思えないのだが、いったいどこが違うのだろか?
「あぁ、精霊魔術というのは、精霊に力を借り、日常に必要な術を行使するのにつかう、つまり生活に必要な術が精霊魔術で、精霊魔術は基本的に生き物を攻撃するために使われることは無い、精霊たちが嫌がるからな」
精霊にも意思があり、攻撃魔法的なものは使いたくないということだろうか。
「その考えで間違ってはいない。魔術というのは自らの魔力だけを使うから、術者の意思によって生き物を害することができるのだ、お前の考える攻撃魔法がそれにあたるな」
私がその世界で生きていこうと思うのなら、少なくともこの3つが使えれば一番よいのだろう。
しかし、魔術というのは本当にファンタジーな世界だ。
世の小説家の方々には脱帽するな、こんな面倒な設定をいちいち想像だけで作らないといけないというのは、私のは実際に起きているわけだから仕方ないものだが。
「そうだ、そこで私の言う優遇についての話だ」
そういって彼は冷め切ってしまった紅茶を入れなおし、ついでに茶菓子をおいしそうなケーキに変化させた。
私の前にはチーズケーキが鎮座していた。
私の大好物だがなぜ分かった!?
ちなみに、ベルゼの前にはかわいらしいイチゴのショートケーキが鎮座してた。
甘くてかわいいものが好きとか・・・・・・どこの乙男だ!!!
多分あと少ししたら飛ぶと思います。
いつ飛ぶんだよwwとか突っ込まないで~!!作者の書きたいことが大体終わったら飛ぶはず!!・・・・・・・多分。