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ランクあ~っぷ☆

第18話・・・・タイトルが変ですが気にしないでください、そういう気分だったんです(笑)

更新のほうなのですが、今月はちょっと忙しいので次の更新がいつになるのかが分かりません、ごめんなさい!!

できるだけ早く更新できるようにしますので、よろしくお願いします。



それから三人は依頼の達成を報告するためにギルドへと向かっていた。

本当は魔術の練習もしたかったのだが、さっきの様子を見るに余り人目に触れるのはお奨めできないようなので、明日にでも人がいなさそうなところで練習することにした。



「そういえば、今度マーレイって所に行くんでしょ?なんか必要なものとかある?」


「必要なものですか・・・・・何かありましたか?」


「いや、俺達の旅の準備はほぼ終わってる、特に必要なものは無いな」



何か必要なものがあれば買出しに行こうかと思っていたが、二人のほうは特に買うものは無いらしい。

そもそも旅をしたことがないルミカなので、あと何を揃えていればいいのかが分からない。



「ふ~ん・・・・・・、じゃあ明日もエノーラは空いてる?」


「すみません、朝は所用がありますので、昼からなら大丈夫です」



エノーラが空いているのならば一緒に買い物に付き合ってもらおうと思っていたが、どうやら用事があるらしい。



「じゃぁ、昼からでいいから付き合ってもらってもいい?」


「はい、大丈夫です」



それならば、明日は午前中に魔術の練習を外でして、その後で昼からエノーラとデートすることにしよう。



「クレメンスも来る?」


「悪いが俺は暇が無い」


「なんかの依頼?」


「いや、俺の個人的な用事だ」



ルミカとしては二人に買い物に付き合ってもらい、買い物が一段落したらうっかり逸れたフリをして二人のドキドキ☆デートをこっそり覗こうなんて考えていたのだが、現実はそううまくいかないらしい。

思わず舌打ちをしたい気分だったが、二人に怪しまれるのは嫌なので我慢した。

・・・・・・・二人が付き合ってもいないという事実はマルっきり無視しているルミカであった。



そうこうしているうちにギルドに到着した三人は、早速依頼達成の報告をしに行った。

ダンディなオジサマはニヒルな笑みを浮かべると報酬金額の100ファンを渡してくれた。

果たしてこの価格が適正なのかは分からないが、少なくとも宿屋の代金にはなった。

初めて自分で稼いだ(二人に手伝っては貰ったが)お金というのは非常に嬉しい。



「ところでルミカ、お前の実力ならすぐにランク上げならできそうだが、どうする?」


「は?いや、どうするって・・・・・なにが?」


「まだ夜までは時間があるからな、なんならランクを上げるか?ということだ」



ちょっくら昼飯にするか、ぐらい簡単にランクを上げるといってきたクレメンスに若干呆れたものの、ランク上げはするつもりであった。

ただし、ギルドの説明を昨日聞いたばかりだったのでまだ上げるには早いのかと思っていた。クレメンスの様子を見るからに、どうやらEランクからのランク上げというのは簡単なものらしい。



「そんな簡単にできるもんなの?」


「試験を受ければEならすぐだ」


「・・・・・・・・ちなみに試験って何すんの?」


「それはギルドの連中からの出題だから知らないが、ほとんど準備無しでもできる簡単な試験だ。物が必要ならギルドが用意するからな・・・・・・俺とエノーラの時はサイケの薬を作ることだったな」



クレメンスの言葉に頷いているエノーラは懐かしそうに続けた。


「私、最初はサイケの薬が思い出せなくて本当に困ったんですよ、十分くらい考えてようやくできたんです」


「サイケの薬って確か・・・・・・毒消しの薬だっけ?チクリーとサルーンの実を磨り潰して完成・・・・・・だっけ?」


「はい、サルーンの実がどれか分からなくて苦労しました」



昨日エノーラと見た図鑑の中にそれはあった。

今日チクリーとリリがすぐに分かったのもその図鑑をみていたからである。

しかし、昨日図鑑を見ただけの人間にいきなりそんな高度なことをさせるのか、とちょっと二人に呆れたものだ。

もしもルミカがサイケの作り方などを勉強していなかったとしたらどうするのだろうか・・・・。



「エノーラがお前は異常なほど記憶力がいいと言っていたからな、昨日一般知識は詰め込んだそうだな」


「そうだけど・・・・・・もし受からなかったらどうすんのよ」


「その場合はまた1週間後に再試験ですから、落ちても特に問題はありませんよ」



この世界に来て今だ3日目のルミカにはちょっとハードルが高いような気がするが、ここまで言われたならば受けるしかないだろう。



「分かった、私も懐が寂しいことになったら困るからね・・・・・ランク上げ、一丁やってあげましょう!」


「その意気ですルミカ!」



売り言葉に買い言葉ではないが、二人にうまく乗せられて試験を受けることになった。

まぁ、お金に関しては実を言うとかなり余裕はあるのだが、万が一のことも考えられるので受けよう。

クレメンスに言われてランク上げの試験を受ける旨をオジサマに伝えると、オジサマは傍らにいたお姉さんになにやら話しかけた。

お姉さんはそれに頷くと、カウンターから出てきてこちらへとやってきた。



「ルミカ様がランク上げの試験でよろしいですか?」


「あっ、はい!」


「それではこちらへどうぞ・・・・・・・お連れの方は掛けてお待ちください」



試験を受ける人間以外は待機のようで、二人は薦められたイスに腰掛けていた。


お姉さんに連れられるまま連れて行かれたのは石造りのホールであった。

左右には2階席のようなところがあり、簡単には上に上がれそうにない。

あちらこちらに、なにやら凹んだところや刃物で傷をつけられたような跡や焦げた跡が有ることから戦闘が行われたのは明らかであった。

クレメンスたちが言っていた試験とはまったく違うものを引き当てたらしい。



「本日はご利用誠にありがとうございます。本日のEランク昇格試験の内容はスライム一匹の討伐です。なお、危険だと判断した場合僭越ながら私が止めに入らせていただきます。それではウォルスギルドによるEランク昇格試験を行わせていただきます」



お姉さんは事務的に言い切ると、あの鉄壁の営業スマイルを浮かべたまま飛び上がり、二階席へと優雅に着地した。

簡単に飛んだが、確実に一般人はあんなに跳躍することはできないだろう。

ギルドの受付をするくらいだからある程度は強いのだろうと踏んではいたが、ひょっとしたらルミカの想像以上に強いのかもしれない。



そうこう考えていると前方の鉄格子が開かれて、中から緑色のスライムが体を震わせながら出てきた。

はっきり言おう、RPGで出てくるスライムはあんなに可愛げに見えていたのだが、今ルミカの目の前にいるスライムは気持ちが悪い。

いや、何が、といわれても困る。とにかく気持ちが悪い、生理的に受け付けない。


今までルミカが苦手としていたのは後にも先にも頭文字がGで始まって黒くてカサカサ異常な速度で動いて表面がテカテカ光ってるナマモノであったが、今日からそこにスライムを入れるべきだろうと思う。


某RPGの目玉がついているスライムは触っても平気そうだが、アレは触れない。

なぜかって?緑色といったが語弊がある。なぜならば、それが濁っていて腐った沼みたいな色をしているからだ。

アレが動くたびに粘液らしき液体がヌラヌラと地面に這った跡を残しズルズル音を立て、さらにその色が腐った沼色をしているのだ、近づいたら恐ろしい臭いがしそうだ。気持ち悪い。

それがブルブル震えながらこちらへと向かってくる恐怖といったら、鳥肌ものだろう。



そこまでを一瞬で考えたルミカは、刀を抜くなんていうことは一ミクロンも考えずにほぼ無意識に火球を生み出してそれに向かって打ち出した。

着弾した瞬間に案山子と同じ運命を辿ったスライムは、残念なことに灰にもならずに蒸発した。



ここまでかかった秒数はほぼ10秒であった・・・・・・・。

ほぼ無意識に魔術を展開したルミカは蒸発するスライムを見てから初めて自分が火の魔術を使ったことに気がついた。



「あ~・・・・・・しまった、うっかりやっちゃった・・・・・・」



ルミカとしては刀を使おうと考えていたが、ソレを見た瞬間に一気にそれが吹き飛んでしまったのだ。

果たしてこれで合格は貰えるのだろうか・・・・と、恐る恐るお姉さんを見ると、お姉さんはちょっと驚いた顔をしていたが、すぐに鉄壁の営業スマイルに戻ると、ルミカのところに飛んで戻ってきた。



「はい、ありがとうございました。これにて試験を終了させていただきます。お疲れ様でした。本日よりルミカ様のランクをDランクとさせていただきますので、ギルドカードとピンバッジをお預けください」



そう言われたルミカは、昨日貰ったばかりのソレを差し出した。

お姉さんは確認するとルミカを連れて二人のところまで戻っていった。

異常に早かったことから何かあったのかと思われたようで、エノーラとクレメンスが心配そうにこちらを見ていた。



「どうした?なにか問題があったのか?」


「いや、なんていうか・・・・・・・終わったよ、合格したし」


戻ってきて早々にクレメンスは事情を聞いてきたが、終わったとしか言いようが無かった。

それに首を傾げた二人だったが、試験の内容について説明すると頬を引きつらせていた。

エノーラは自分達と試験の内容が全く違ったことを平謝りしてきたが、これはギルドが決めていることなのでどうしようもないだろう。



そう言えば、ミナがスライムは定番と言っていたが、できるならば二度と見たくは無い。

最初に出会った魔物がスライムで無かったのはひょっとしたら良かったのかもしれない。


程なくしてお姉さんがギルドカードとさっきとは違う色をしたピンバッジを持ってきてくれた。

ランクが上がるとピンの色は変化するらしく、見ただけでは分からないが、偽造することはできない細かい細工が施されているらしい。



「今日は何かイロイロ頑張ったから疲れた~」


「そうですね、お疲れ様でしたルミカ」



ギルドを出た三人は休むべく宿屋へと向かっていた。

外は日が落ちている途中で、夕焼け空だ。

途中クレメンスが買い物があるとか言って消えたが、なんだったのかは知らない。

エノーラは苦笑しながら、すぐにいらっしゃると思います。と言っていた。



宿屋に戻った二人はそのまま夕飯を食べることにして席に着いた。

程なくして夕飯が並べられると、ナイスタイミングでクレメンスが戻ってきた。



「クレメンス、こっちこっち」


ルミカが声を掛けるとクレメンスはそのまま席までやってきて座った。

すぐに戻ってくる、とエノーラに言われていたので最初から三人分頼んでいて正解であった。



「買い物って何だったの?」


「あぁ・・・・・・・・お前にこれをやる」



手渡されたのは紐で巾着包みにされた小さな袋であった。

中に何かがあるらしく紐を解いてそれを出してみると、そこに小さな木の実がいくつか入っていた。

確かこの実は、センカの実でその効力は疲労回復だったはずだ・・・・・・。

そこまで考えて、クレメンスが態々ルミカの為にこれを買ってきてくれたのだろうかと思うと落ち着かない気分になった。



「あ~・・・・・・んと、ありがとう」


「あぁ・・・・・・・」



短いやり取りであったが、落ち着かない雰囲気が漂って仕方が無かった。

エノーラはそれに気がついているはずなのにいつも通りニコニコと人畜無害な笑顔を浮かべて食事をしていた。



「クレメンス様もルミカも、食べないとご飯冷めますよ?」


「はっ!それはいけないわ!」



エノーラに言われて慌ててご飯を食べ始めたルミカは、一瞬にしてその気まずい雰囲気を払拭した。

ちょっとホッとした表情を浮かべたクレメンスも黙って食事を取り始めた。


実は、センカの実を買ってくるようにと薦めたのはエノーラであった。

今日は一番ルミカが疲れただろうと思い、買いに行こうかと思ったのだが、ルミカとクレメンスがいまいち仲が良くないことに気がついていた為に、クレメンスにその役目を譲ったのだった。

エノーラからしてみれば二人とも相性的には悪くなさそうなので、友人とも言える人間の少ないクレメンスにどうしても仲良くしてもらいたかったのだ。

どうやらその目論見は成功したらしく、嬉しい限りであった。

・・・・・・若干、方向性が間違っているのはご愛嬌というものである。



食事を終えた三人は、明日の予定を確認することにした。

クレメンスは1日不在なのでどうでもいいが、エンーラとはおおまかに会う時を確認する必要があった。

この世界には時計が無いそうで、人々は太陽?の傾きで大まかな時間を計っている。


エノーラとは太陽が真上に来る頃に図書館前で会うことにした。



今日一日は動き回っていた為に、未だに残って話があるという二人を置いて先にルミカは部屋へと戻ることにした。

部屋へ戻る途中にいつもの精霊魔術師が部屋のところに来ていたので、お風呂を入れてもらった。

すぐさまお風呂に入ってカラスの行水よろしく入って、ベッドに飛び込んだ。

今日は流石に疲れてしまい、これ以上起きていることは困難であったからだ。

そうして、ルミカは心地よい眠りの中へと落ちていった。











ギルドのランクを上げることになりました~・・・・、え?簡単すぎる?うん、そんな気がしないでもないですけど、まぁ、初級ですからこんなものです。

ちなみにギルドのカウンターにいるのは大体A~Cランクの方々です。

とはいえ、そんなにランクの高い人ってなかなかいないので、どちらか片方がランク高で、もう一人はDでも能力があればOKって感じだと思います。

適当ですみませんww


次の更新は来週になるかもしれません。

ではでは、これで失礼します。


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