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クレメンスの剣術指南

第17話~・・・・・ごめんなさい、すみません!!

え~っと・・・・更新が遅れまして大変申し訳ありませんでしたorz

出来る限り更新したいとか言いながらこのざまです、すみません!




昼食も終わった三人はルミカのお願い通り刀の練習をすることになった。

クレメンスがまず、刀を見たいといったので素直に腰から抜くとクレメンスに手渡した。

エノーラも興味津々とうのを隠すことなく刀を検分していた。



「クレメンス様、その剣なんですが・・・・私は見たことが無い形なんですけど?」


「お前もか、俺もこんな形の剣は始めて見るな・・・・・片刃に薄い作りだが、これで物が切れるのか?」


「え?刀って無いの?」



じっくりと二人に見つめられた刀はどうやらこの世界には存在しないらしい。

確かに、クレメンスが持っている剣は両刃で刀身も厚めにつくられ、西洋の剣の形をしているが、それにしたって片刃の剣が無いというのは変だ。



「いや、確かに片刃の剣はあるが、もっと丸い刀身になっているものや、刃がギザギザの形のもの、刀身が厚いものはいくつかある・・・・・・だが、ここまで薄く、美しい芸術品のような作りのものは初めて見たな・・・・・、カタナというのか?」


「そう、刀っていうんだけど・・・・・・」



確か丸い刀身のものはあちらの世界でもあったはずだ。

シャムシールとか半月刀なんて名前だったはずだ・・・・ギザギザなものは聞いたことは無いが、鋸のようなものだろうか。


この世界では刀に芸術的なものを求めるようなものは少ないらしく、そういうものは儀礼的な王侯貴族なんかが所持しているものらしい。

それも、貴金属や宝石をふんだんに散りばめたもので、素材そのものの優美さを兼ね備えたものはほとんど無いそうだ。



「これってなかなかの貴重品?あ~、でも使うようだからな・・・・」


「まぁ、そうだな・・・・・・とにかく構えてみろ」


「は~い、了解です」



しゅたっ!と元気よく敬礼をして見せたのだが、ルミカの敬礼もこの世界では通用しなかったらしく、突っ込みを入れられることもなく首を傾げられるだけとなった。


とりあえずクレメンスに言われたとおり刀を抜刀すると、前方に構えた。

これは、剣道の基本的な構えであるが、ルミカが師事していた剣術の流派の構え方は本当は違う。

クレメンスは構えを取ったルミカを確認すると前方に立って剣を抜いた。

無論、本気で打ち合わせる訳ではなく、軽く切りかかるだけだ。


互いに抜いたことを確認すると程よい緊張が生まれた。

当然のことながらルミカがこうして真剣を用いるのは初めてである、対するクレメンスは慣れた手つきで大した緊張もしていないようだ。


小さく深呼吸をしたルミカはしっかりと前を見据えて足に力をこめて―――――切りかかった。

真正面のその剣筋も分かっているのだろう、クレメンスは慌てる事無く剣を横にしてそれを止める。

金属が擦れる独特の音がする、一撃を止められたのでその場を離れて体制を整えるともう一度切りかかる。

一合、二合、三合・・・・・・・続けざまに繰り広げられる攻撃は、クレメンスにより弾かれる。


弾かれた所でクレメンスから反撃が繰り出される。胴を薙ぐように放たれた一閃を後ろに後退することでかわし、再度切りかかる。



二人の様子を見ていたエノーラにはクレメンスが楽しそうに見えてきた。

クレメンスは強い・・・・・・・本当に、恐らく人間の中では一番強いのではないかと思う。

前回怪我をしたのはアレがBランクの魔物だったからではなく、本当の事を言えばエノーラのせいであった。

クレメンスから気にしないようにと言われていたことから、真実をルミカに言わなかった。

クレメンスは表面上は冷たそうな印象を受けるが、付き合ってみればそれは表面上のことで、実際は優しい人間だ。それを知っている人間は数少ない。


そんなクレメンスが楽しそうにしているのを見るのは何年ぶりだろうか・・・・・一時期は全く感情すら見せることがなかった彼がこんなにも感情を露にした事がエノーラには嬉しかった。


ルミカの剣術は、とても強いというものではないが、今だ発展途上というのが正しそうだ。

今でさえ、それこそ一国の兵士ぐらいなら難無く打ち負かすことができるくらいには強いだろう。

それは二人の打ち合いを見ていれば分かる・・・・・本当はすぐに終わる予定だったはずのそれだが、二人ともすっかり失念したかのように剣を交わしている。

本来であれば止めるべきなのだろうが、ルミカは真剣そのものだし、クレメンスは発展途上のルミカが面白いようで非常に楽しそうであった。

これを止めるのは空気が読めていないというものではないだろうか。

そんなことを考えながらエノーラは二人の打ち合いを慈愛の篭った眼差しを向けるのであった。



それからどのくらい経っただろうか・・・・・、お互いに距離を保って睨み合っていた二人だが、ルミカが急に刀を鞘に納めた。



「タイム!・・・・・・そろそろ止めにしないクレメンス」


「そうだな・・・・・」



そう言って二人は深呼吸をして息を整えるとエノーラのところへと戻った。

エノーラはニコニコと笑いながら、心得たように水を二人に差し出した。

水を飲んで一息ついた二人は、それからルミカの剣術の良い点、悪い点について論議を始めた。



「お前の剣は太刀筋が分かりやすすぎる、もう少し相手に読まれないようにするべきだ」


「そうは言われても実際にそれをするのは難しいじゃない、どうやって相手に読まれないようにするわけ?」


「例えば、切りかかるタイミングをずらす、又は切りかかるフリをするというのも有効だ、お前の場合切る時は切るしかないから太刀筋が読まれやすい」


「ん~・・・・それは言えてるか、じゃぁ、良い点ってなんかある?」


「良い点か・・・・・反射はいい」


「・・・・・・・そんだけ?」


「そんなものだ」



真剣な議論だったのだが、良い点がそれだけだということにちょっとショックを受けたように落ち込んだ。

少なくともルミカのいた世界では負け無し状態だったので、少しは通用するかと思っていた・・・・・・・それは簡単に覆されてしまったのだが・・・・・・。



「だがお前の場合はまだ発展途上だ」


「はってん・・・とじょう?」


「お前が鍛錬を怠らなかったらもっと上までいけるだろう」



恐らく落ち込んだルミカを励ますための言葉だったのだろうが、それが可笑しくてちょっと笑えた、おかげで元気が出たが。



「そうよね・・・・それに魔術もあるしね~」


「・・・・・・・・・そうだったな」



ルミカが魔術を使えることを忘れていたのか、クレメンスは微妙な顔をしていた。

そういえば、さっきも妙な顔をしていたような気がする。



「だから、なんなのその反応?」


「ええっとですね・・・ルミカ、魔術師の多くは魔術しか使えないんですよ」


「魔術しか使えないって・・・・つまるところ魔術以外の武器を使用した戦闘ができないってこと?」


「そうなりますね、私も見ての通り杖でしょう?」



そういわれて思い返してみれば、確かにエノーラは杖しかもっていない。

護身用にナイフは持っているらしいが、それ以外の得物は何も持っていなかった。

ギルドで見た魔術師風の人たちも同じく杖やメイスのようなものしかもっていなかった。

しかし、一体なぜなのだろうか?



「多くの魔術師ってことはそれ以外もいるんでしょ?」


「いることにはいるが・・・・・大抵は国の宮廷魔術師として召し上げられているからな、ちなみにそういう連中は魔術師ではなく魔術騎士といわれている」


「・・・・・・・・・・それで変な顔してたのか」



ここでようやく二人が微妙な顔をしていた理由が分かった。

つまり、ルミカは異常なのだ。

ルミカが普通の魔術師であったのならばそれはなかっただろう・・・・しかし、ルミカは武器も扱える、普通なら宮殿にいるはずの魔術騎士なのだ。

それが記憶喪失の身元不明人物・・・・しかも17歳という若年だというのだから、その異常さはないだろう。

自分の身の上話を話すことができないことが非常に悔やまれる。



「・・・・・いや、なんか・・・・・・・ごめん」


「いえ、ですがルミカ・・・・本当に信頼できる方にだけ見せたほうがいいですよ、ソレは」


「そうだな、俺達はもう不可抗力で知ったからな、・・・・・・気をつけろ」



二人もそれ以外言いようが無いようで、苦笑いを浮かべていた。

二人の様子を見て、ルミカがちょっと感動していたのは本人だけの秘密であった。











今回の話を書いていて恐ろしいことが判明しました。

・・・・・・なんと!戦闘シーンが書けるのか?という今更なことに気がついたのですよ!

今回の二人の剣術指南?を書いてて「あれ?」と首をかしげること十数回・・・・・、出来るだけわかりやすく書いていたつもりだったのですが、戦闘って難しいですね~・・・誰かこのバカにコツを教えてくださいorz

次回の更新は木曜日です!絶対に更新します!!

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