Eランクの仕事って・・・・!?
第16話~!
なんだかんだ言いつつも結構書いたなぁ・・・・、12月はちょっと忙しいのでアップが遅れると思いますが、これからもよろしくお願いします!
翌日、ルミカ達は依頼のために朝早くから宿を出た。
依頼で町の外へ行くことを女将さんに伝えると昼ごはん用におにぎりを作って持たせてくれた。中身の味はおかかのようなものと昆布らしきものであった。
町の外に出たルミカたちは、すぐそばにある草原へと向かった。
草原には動植物が結構いたりしたが、いわく危険なものではないらしい。
草原にシソの様な葉っぱと濃いピンク色の花が所々に点在していた。どうやらこれがチクリーとリリらしい。
チクリーの葉は磨り潰して使うと傷に効く薬草らしく、外に出る人間達には馴染み深い白のもらしい。
薬草とはいったが、某RPGのようにHPが回復するとか言うわけでも、目に見えて傷が治る訳ではなかったが、珍しい薬草によっては使うと瞬時に傷が回復するものもあるらしい。
リリの花は染料に使われるものらしく、服飾関係で使われることが多いらしい。
この世界では染料の開発がまだ進んでいないらしく、自然の植物を使った染料しかないそうだ。
「こんだけあったらすぐに終わりそうね~」
「そうだな、終わったら何をするんだ?」
「考えてなかった・・・・・・いや、だってこんなにあるとは思わなかったし」
ルミカからしてみれば畑のごとく所々に生えているとは思わなかったので、回収するのにはさぞかし時間がかかるだろうと踏んでいたのだ。
しかし、この様子では午前中には終わりそうな気がする。
「あ、だったらクレメンスにお願いがあるんだけど」
「俺にお願いだと?」
思いついたようにクレメンスに話しかけると、眉をしかめた。
「そうそう、お願いよ。お・ね・が・い!ちょっとコレが扱えるか試したいの」
そう言ってルミカは腰に差している刀を指差した。
確かにあちらの世界では剣道などをしていたのである程度なら扱える自信があったが、実際戦っている人間とのレベルの差くらいがわからないと、この先ちょっと不安だった。
それに、真剣は持たせてもらったことはあるが、切ったことがなかった。
刀の重さは神様仕様だったために異常なくらい軽かった。その為、重たすぎで戦えないとう事態にはならないだろう。
「使えるのか、お前?」
「多分・・・・・・だから試したいのよ、いい?」
「別に構わんが・・・・・・お前は本当に何なんだ」
「・・・・・・・・・・さぁ?」
クレメンスが何故か呆れたような、胡乱気な目でこちらを見つめていた。
エノーラもちょっと困ったように見ていた。Why?
そんなやり取りをしながら三人は回収作業を行った。
程なくして依頼された量を回収した三人は一休み・・・・というよりランチタイムをすることにした。
「あ~疲れた・・・・・エノーラ、飲み物ってある?」
「はい、ちょっと待っててください」
昼ごはんの仕度をし始めたエノーラにお願いをすると彼女は少し離れた所にあったカバンを取りにその場を離れた。
ルミカのような身元不明な人間のちょっとした我が侭にも付き合ってくれるし、親身になって相談に乗ってくれる聖母のようなエノーラはルミカからしてみれば、いい嫁であった。
「エノーラっていいわね・・・・・、貰い手ないんなら欲しいわ~」
「ごふっ!!!」
小さくつぶやいたつもりだったが存外大きかったらしく、ルミカの向かいに座って水を飲んでいたクレメンスは大きく咽た。
当の本人であるエノーラには聞こえなかったようであるが・・・・・・・。
「え!ちょ!クレメンス汚いっ!!」
「おっ、まえっ!!ゲホッ」
「クレメンス様、大丈夫ですか!?」
こちらまで唾が飛んでくるのではないかと身を引いたルミカとは対照的に、エノーラは弾かれた様に、慌ててカバンの中から手ぬぐいのようなものを取り出してクレメンスに渡していた。
未だに咽るクレメンスに流石に心配になったルミカが声をかける。
「ちょっと、大丈夫なの?」
「いきなりなんて事をいうんだお前は!」
「はっ?」
ちょっと落ち着いてきた感じのクレメンスは咽いていたせいで顔を赤らめながら怒鳴ってきた。
意味が分からないのはルミカであった。
ちょっとした冗談半分で言ったつもりだったのだが、ここまで怒られる理由がさっぱりだ。
「なんでそんな怒ってんのよ?」
「さっきのお前の発言だ!」
「・・・・・・・いや、だから、何でそこまで怒ってんの?あ、やっぱそういうことだったのか!?」
「違う!そうじゃない!!チッ・・・・・・ちょっと来い!!エノーラはここにいろ、すぐに終わる」
苛立ちを露にしたクレメンスはルミカの首根っこを掴むとズルズルと引きずって、エノーラから遠く離れた場所へと連れて行った。
「・・・・・・・・・・それで、一体なんなの?」
「あいつの事を物のように言うのはやめろ」
「んん?物のようにって・・・・・・さっきの欲しい発言のこと?」
「そうだ」
どうやらエノーラには聞かせたくない話だというのは分かっていたので、クレメンスが止まるまで口を閉ざしていたルミカだが、ここでようやく口を開いた。
クレメンスもここまで移動するまでに気持ちを落ち着けたのか、苛立ちの色は消えていた。
しかし、クレメンスが言ったことに首を捻るしかなかった。
ルミカからしてみれば、別にエノーラのことを物扱いしたつもりはまったく無かった、だが、クレメンスがここまでして厳重注意をするぐらいなので、恐らく何らかの理由があるのだろう。
「ちなみに理由って聞いてもいいの?」
「理由は詳しく言えん・・・・・・・とにかく、あいつを物であるかのような発言はやめろ、お前もあいつが気分悪くするのを見たくは無いだろう」
「それは・・・・・わかった、理由は聞かないし、さっきみたいな発言はしないように気をつける」
「はぁ・・・・・・・、悪いな」
クレメンスは安堵したように息をつくと、謝ってきた。
ルミカのイメージ的にクレメンスは謝らないような感じがしていたので、驚いていた。
「なんだその顔は」
「いや・・・・・・・謝られるとは思わなかった」
「お前は俺をなんだと・・・・・・!まぁ、いい・・・・とにかく気をつけろ」
最早突っ込みを入れる気力もないのか、疲れたようにため息を吐いた。
しかし、クレメンスがエノーラの事をとても大切にしているのはよ~く分かった・・・・残念なのは本当に付き合っていそうに無いことだろう。
ルミカからしてみればこの二人性格は違うが、とても相性はいい感じなので、いっそのこと付き合えばいいのに・・・・・・なんて考えていた。
「待たせて悪かったなエノーラ」
「いえ、それより何のお話だったんですか?」
エノーラの所まで戻ると、すでに昼食が用意されていた。
クレメンスはなんと言おうかと考えて、視線を泳がせたが、それよりも早くルミカが口を開いた。
「ん~?いや、エノーラとクレメンスって付き合ってないの?って聞いたら怒られただけ」
そう言った瞬間クレメンスは明らかに口元を引きつかせたが、エノーラは驚いたように赤面した・・・・・これは脈アリじゃないのか?
「悪いなエノーラ、このバカが煩かったからな」
「い、いえっ!申し訳ありませんクレメンス様、私などと・・・・」
「え~~!?クレメンスに謝る必要ないって、むしろクレメンスが謝るべきでしょ」
「お前が謝れ!!」
クレメンスに責任転嫁したルミカはお腹を抱えて爆笑したが、クレメンスには大層怒られた。
エノーラも常に無いクレメンスに笑いたいのを我慢しているのか口元を隠してプルプルと震えていた。
そんな和やかなやりとりをしながら、三人は青空の下昼食を楽しんだのだった。
ルミカの初仕事です。
思っていたよりも簡単すぎて首を傾げる事になりました。書いている自分も首をかしげてましたが・・・・・・。
流石に簡単すぎるのでもうちょっと難しい仕事を考えないとなぁ・・・・。
戦闘とか大好きなもので・・・・・・。
の前に、ランク上げとかないといけないんですけど(苦笑)
それでは、できるだけ早くアップできるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします!
ではでは・・・・・・・。