三話
どうも今日は。3話目です。
またミス、必要のない文、意味が分からない所があるかもしれません。
今回もゆっくり軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
やっぱり他殺じゃないだろうか?
この家族はおかしい。
俺は産まれてきてこれ程、家族に対する愛を感じれない家庭を初めて見た。
どんな不良を持つ家庭でも子供に愛を持つ。
どんなに子供に愛想を尽かしても愛し、叱る。
家庭、家族なんてそんなものだ。
確かに自殺は、親に相談できない悩みを持ち、悩みを話せないまま、この世を去ってしまう方もいる。
彼女の友達…恐らく最も仲の良い人達に話を聞いても最低限いじめは無かったとの事だ。
では家庭に何かあったのだろう。
家庭内暴力…児童虐待…いろんな想像ができる。
だが死体には"無い"。
暴力を受けた形跡が。
当然暴力だけが虐待ではない。
ネグレクト、精神的虐待、性的虐待…
親との関係も聞いてみた。
「最近は特にケンカなどはありませんでした。」
「ちゃんと食事も与えましたし。」
「なんで自殺なんてしたのかわからないんです。」
彼女の父親と母親は淡々と話していた。
それは数日前に娘を亡くした親とは思えないくらいだ。
数日間メンタルケアを名目に色々深く聞いてみた。
ようやくわかったことがある。
彼らは一風変わった宗教に入っているようだ。
「幸福の扉」
創設者〇〇▲▲ 創設から20年は経っている
特に目立った事もなく、犯罪に関わっている噂なんかは聞かない。
「幸福は全てを解決する。皆幸福を望み、幸福を得るために行動する。神に祈り、幸福を祈り、全力で日々を生きれば、神に伝わり貴方は幸福になるだろう。」
随分大きな事を言うもんだ。
彼らは人生がまるで幸福で包まれていると思っている。
自分達の娘が死んでも彼らは
「私達の娘は、努力が足りなかったのでしょう。」
「全力で生きていれば幸福は限りなく降り注ぐものです。」
恐らく宗教二世で家族の考えに思春期とぶつかって今まで信じてたものが不安定になってしまった…。
俺の予想でしか無いがそういうところだろう。
予想が確信に変わった。
彼女の部屋で遺書が見つかった。
そこには学校生活の一部と、友達の楽しそうな場面が想像できる。そして「幸福」に狂ったように執着しているのが分かる。
「せめて私以外の皆が幸福であってほしい…ねぇ」
多分、優しい子だったんだろうな。
その分この宗教を信じ切っている親に相談できなかったんだろう。
かと言って宗教の話は友達に話しづらいってもんだからな。相談しにくかっただろう。
でもこの子は今までこの考えを守ってきていた、全力で生き、神に祈れば幸福が訪れると。
でも、生きている中でいつまでも満足する幸福が与えられたことは無かっただろう。
「私達の娘は努力が足らなかったのでしょう。」
「そりゃあ、神様は努力して祈った人に幸福をくださるのですから。」
遺書を見た親の反応だ。
神様を本気で信じてやがる。
「娘さんを褒めたことはありますか?」
「いいえ?そういえば褒めたことはありませんね。」
「まだまだ娘は努力が足りていなかったもので。」
クソ親だ。
世間では探せばこんな奴らまだいるのだろうか?
彼女は学校ではトップ10に入る学力だ。
運動だってできる。真面目に勉強し、クラスメイトからも好印象。まさに高嶺の花ってやつだ。こういう子は普通親に褒められてスクスク育っていく。
宗教の文言に従ってここまで伸びたのなら凄いものだ。彼女は親の愛を求めていたのなら永遠に無理だっただろう。
…かわいそうに。
まぁ死者の考えてることは分からない。
彼女は自殺した。そう、なるようになっただけ。
この事件は終わりだ。他殺じゃない。
あってはならないクソみたいな例だ。
なぁ神様本当にいるならよ、こういう子こそを幸せ者にしてやれよ。
さて、3話目でございます。
読んでくださった方々ありがございました。
この物語はこれで一旦終わりです。
またネタが出てきたら書くと思います。
春休みなんで課題サボりながら書きますよ。