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変化した自分に出来る事(仮題)  作者: 奈良づくし
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リアルが忙しく、週ごと?に更新されていく連続出勤日数がガガガ……。

お願い辞めないで……。毎日お祈り中。

まだ転職して数ヶ月しか経ってないのに……。

タグに追加で不定期更新と混ぜます。すいません。

もうしばらく落ち着くまで時間が掛かります。すいません。

「は、犯罪よ!!けけっ、警察に!!警察に!!」


「ま、真由美!?お、落ち着いてよ!!」


「お、おい。真由美?落ち着けって。流石に犯罪じゃないって……。」


「落ち着けぇ!?あいつが、あんな可愛らしい娘を、連れてるなんて、犯罪以外の何だってのよ!?」


我が親友の豹変ぶりが異常だった。

とりあえず……落ち着かせるのは難しそうなのでスマホを取り上げる。

こんなことで警察沙汰にされたくないので……。

っていうか、110って表示されて、しかも通話してる……切っちゃえ。


「か、要。返してよ!!」


「奈々。真由美を取り押さえて。羽交い絞めで良いから……。」


と、奈々のいる方を振り向くと……盛大に笑い転げていた。文字通り。

奈々に変に意識を取られたせいで反応が遅れる。

真由美がスマホを取り返そうと、僕に抱き着いてくる。

スマホを胸元に隠したせいか、執拗に胸を揉まれる。痛い……。


「あ、柔らか~。何これ?」


力加減が弱くなってきた……。

何故か真由美は落ち着きを取り戻し始める。

少しだけ……、腑に落ちない……。

真由美の暴れていないので、幸に目配せして羽交い絞めで拘束してもらう。

なんとか、我が家の危機は去った……。


「あ~、裕也?その娘って、本当に友達か?」


「……なぁ、幸。俺……なんでそこまで疑われてるんだ?」


「……何でだろうな?」


流石に怒る気力も無いのか……裕也はがっかりと項垂れている。

幸、フォローしてあげてよ……。




「とりあえず……慌ただしくって、ごめんね。初めまして。裕也の姉で要って言います。」


「あ、はい。五十嵐いがらしはじめって言います。」


真由美と幸、奈々には帰宅してもらって、お互いに自己紹介。


「俺からも、すまんな。鬱陶しかっただろ?」


「い、いや。そんなこと無いよ。吃驚しただけだから……。」


「まぁまぁ。とりあえずはお腹空いてない?御飯にする?」


あのひと騒ぎで少しだけ時間が飛んでいるような気がする。

1時間近く過ぎているんですが……。

裕也も五十嵐さんも、お腹が空いている仕草をしているし……。


五十嵐さんはそれはもう美味しそうに食べてくれた。

よっぽどお腹が空いていたみたいだね。


「よかったらお代わりしてね。裕也もいっぱい食べるから多めに炊いてあるんだ。」


「あ、はふ。はい。あの……お願いします……。」


「うん。はい、どうぞ。」


なんだか餌付けしている感じだ。

裕也は黙々と食べている。

いつもよりも、落ち込んでいるようだ……。


食後のデザートは入らないみたいで、温かいお茶で食休み。

もうそろそろお父さんも帰ってくるかな?

どうやら、五十嵐さんは荷物・・を持ってるみたいだし……何から聞こうかな?


「あ、あの……。」


五十嵐さんは俯いてはいるけど、意を決した様子で話しかけてくれる。


「お、美味し……かったです。ありがとう、ございます。」


「お粗末様です。そう言ってもらえると作り甲斐があるよ。」


「あ、はい。えっと……その……。」


「俺から話そうか?」


「あ、うん。妹尾くん、その……おねがい……します。」


五十嵐さんは……僕にとっては見慣れたカードを裕也に手渡す。

それだけで察することが出来た……。


「兄貴は……これで分かるだろう?」


「うん。僕も持ってるからね。」


裕也から手渡されたカード。

保険証に似ているけど……全く違うカード。


「まさか身近にいるなんて思わなかったよ。僕と同じ症状の人がいたなんて……。」


仮称ではあるけれど……、【性転換症】と呼ばれる奇病の簡易認定証。

世界でも何百人単位ではあるけれど、確認されている病気……。

日本では僕を含めて十数人確認されている。


「…………。」


僕は俯く五十嵐さんに声を掛けられずにいる。

「大丈夫?」

「可哀そうに……。」

「気にしちゃ駄目だよ?」

誰かが病気になると、周りがかけてくる優しさを含む言葉。


この奇病に、そんな軽はずみな言葉を使ってはいけない。

それは……それは優しさなんかじゃない……。

只の……他人事の、蔑みだ……。対岸の火事って奴だね……。


五十嵐君は震えている。

その気持ちは……良く理解できる。

あの時……僕は誰に、なんと言ってもらえていれば、救われたのだろうか……。

それだけは、今でも分からない……。


「五十嵐さん。僕を見て。」


俯いて震える五十嵐さんはゆっくりと、僕を見上げてくれる。

理解されたいんじゃない。同情されたいんじゃない。心配されたいんじゃない。

僕はあの時、いや、今もだけれど……。


「そんな泣きそうな顔、しちゃ駄目だよ。僕は今、そんな表情をしてる?」


「…………。」


言葉に詰まったようで、首を左右に振って肯定してくれる。


「僕はまず、五十嵐さんの事が知りたいな。ゆっくりで良いから。話してくれる?」


「…………はい。」


少しだけ涙ぐむ声で、小さな声で返してくれる。

そう……多分、僕はあの時に、何を考えていたのか聞いて欲しかったんだと思う。

理解も同情も心配も、されたいんじゃない……。

同じ境遇の人に聞いてもらいたいんだって、そう思う。


これからどうしたいのか……、それはまだ考えなくても良い。

いや、考えちゃ駄目だ。

考えたら……僕が僕で無くなってしまって……自分が分からなくなって……。

ただ、周りの声だけが聞こえて、何もかも嫌になってしまうから……。


その証拠に、この奇病に掛かった何名かは……自死している。

海外の人が多いけど、日本にも、いたんだ……。

日本での、あのメディア事件は最低だった。


僕は今なら、大丈夫。

けれど、五十嵐さんにはまだ、辛い出来事なんだ。

さっき見た証明書の発行日付は、1ヶ月ほど前。

たった1ヶ月。


病院で検査入院とか、色々で一月掛かるから……。

まだ退院して間もないんだろうって、予想できる。

ここから先は、裕也には聞かせられない。


「裕也。お父さんが帰ってきたら、御飯。用意してあげて?」


「分かったっ……。兄貴、頼む。」


「ありがと。五十嵐さん、僕の部屋に行こう。そこで、話そうか。」


「は……ぃ……。」


本格的に泣きそうになる五十嵐さんを支えて、僕の部屋に向かう。

さあ、ここから、言葉を間違えちゃ……いけない。

間違えたとしても……何とか、取り戻さないといけない。

目下の目標は、何に怯えているかを聞き出す事……だね。

新規参入。

五十嵐 一 (いがらし はじめ)

春西中学3年生の男子中学生→女子中学生。

母子家庭で大学生の兄と2人兄弟だった。

勉強は出来るが運動は駄目。

本作2人目の【性転換症】患者。これ以上は出ません。多分。

と思いましたが、良く分かりません。


【性転換症】簡単説明?

世界でもごく最近認知され始めた奇病で、罹患者は世界で数百人程度。日本では十数人。

男性から女性へ転換するが、女性から男性への転換は現在確認されていない。

発症後一週間近く高熱を保持するため、実は死亡率が高い。

感染は確認されておらず、予防手段が無い。

日本での対応される病院は1つで、検査に1ヶ月掛かる。(あれの確認の為。)

メンタルケアの一環として、担当医を中心にコミュニティが存在する。

任意なため、全員が参加している訳でも無い。

近々そんな話をかこうかと思案中です。

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