表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変化した自分に出来る事(仮題)  作者: 奈良づくし
25/46

23

「ほっほっほ。要たん、腰まわりエロすぎ。」


「奈々、覗かないでね。後、その笑い方へんだよ?」


奈々の選んだ服を試着室内で着ているのだけど、何故か覗かれている。

お店の奥まった通路に試着室が並んであるため、用の無い人以外はいなくて空いている。


「その凶器のデカさで、その腰は反則だと思うわ。あ、足、触っていい?」


「駄目。っていうか、真由美も見ないで欲しいんだけど……。」


カーテンの隙間から二人は顔だけ突っ込んできてる。


「幸と裕也は覗かないでね。流石に恥ずかしいから……。」


「覗かないよ。捕まっちゃうし。」


「さっさと着替えろよ。次からは馬鹿女どもを捕まえておく。」


「なにぃ?引っぺがしたいだと?変態さんめ!!」


「裕也がそんな事を言うだなんて……。そんなに私の裸が見たいの?」


「うっぜぇ……。なんで自信満々に言ってんだこいつ?」


「私だって、そこそこスタイル良いわよ?」


「裕たん見てみたいの~?やっらし~。」


「うっぜぇ。幸、何とかしろ……。」


「無理無理。でも実際、2人ともスタイル良いと思うよ。」


「幸たんもか!?エッチな目で見ないで!!」


「幸……、あんたまさか……。」


「ち、違うよ!?」


「動揺してんじゃ~ん。見たいんなら見せたげよっか?」


「あとで何言われるか分からないから……いいよ。」


「そんな事言って~。見たいんでしょ?幼馴染の成長具合を~?」


「いいってば!!裕也何とかしてくれ!!」


「普段見捨てられてんだ。やなこった。」


「敵しかいない……。」


とりあえず、着替え終わったのでカーテンを開ける。

シャツにロングのスカート。

シャツはピンクと白のストライプで、スカートは赤と白の柄だ。


「あんまり虐めちゃ駄目だよ。僕も元は男だからわかるんだけどさ。」


「「おおぉ。」」


「ほぉ。」とか「へぇ。」とか、男性陣からは感嘆の声が上がってる。


「色的にだけど、僕にはあんまり似合わないと思うんだけど……。」


「そんなこと無い無い。似合ってる。」


「良いわね。これは評価できるわね。」


「普段の要からは想像できないから選んでみたけど、良いと思うよ。」


「似合ってるぞ。」


「あ、ありがと。皆にそう言われると……気恥ずかしいね。」


選んだのは実は幸。

幸自体もオシャレだから、こういうの得意なんだろうか?

皆文句無しの満点評価だった。とりあえず購入候補。


「次行ってみよー。」


そう言って奈々が試着室に入ってきた。いや、なんで?


「あ、奈々。ずるいわよ。」


「もう脱いでるから開けちゃ駄目~。」


そう。既に奈々に脱がされている僕がいる。

なんかもう、諦めるしかないかな……。

脱いだ服を綺麗に畳んでくれている。こういう所は素直に嬉しいんだけど……。


「次はこれだっけ?」


「それでいく?Aラインのワンピース。真由美んの選んだ奴だね。」


「絶対似合うと思うわよ。ただまぁ、腰の細さをアピールしきれないのがちょっと気がかりだけど……。」


スポッと着れるから楽でいい。ネイビーカラーで目立たないし。


「いや~目立つと思うよ?」


「そうかな?汚れとか目立たないと思うよ?勿論、エプロンは着るけど。」


「そうじゃないよ?そうじゃないんだよ?」


「?」


腰辺りに付いている帯を巻いたら出来上がり。

前で蝶々結びで良いのかな?


「どうかな?」


「うん、すっごい似合ってる。御開帳~。」


奈々がカーテンを豪快に開き、裕也が真由美の頭を押さえてる姿が見える。

幸は隣で笑っているけど、あんまりいい絵じゃないよね。


「裕也、放してあげて。」


「ぶっふ。真由美ん何してるの!?」


「裕也にいきなりこうされてるのよ。見に行くくらい、別にいいでしょ?」


「お前、馬鹿か?覗きに行かせると思ってんのか?おい、馬鹿女も出てこい。」


「嫌だよ~。私は畳むお仕事があるから~。」


「ん~。色合いが……、もう少し明るい方でも良いと思うんだけど……。」


「ん?そうだな……。何か微妙……。」


「何だと!?男どもが……そそられないの?」


「なんだよ、そそるって。」


「ほら~。胸が強調しがちだけど、腰の細さも分かるでしょ?」


「却下だな。」


「ははは、もしかしたらブルーの方が良いかも。」


「それだと、若者感って感じが……。いや、でも……う~ん。」


唸ってる真由美を置いて、着替え直し。

合計で6点満点中の4点。僕は着易いので評価している。


「後は~。って、何これ?タンクトップじゃん。」


「奈々じゃないなら、裕也かな?楽そうで良いね。」


「ダメダメ。裕たんアウト~。」


「何でだ?似合うと思うぞ?」


「あのね~。公然でこれ着たらさ、要たんがやらしい目線の標的になっちゃうよ?」


「そうかな?そうはならないと思うよ?ちょっと肌寒いかなってくらいだし。」


「…………。」


裕也は黙りふけて考え込んでいる。

まぁ、せっかく選んでくれたんだし、着てみよう。


「奈々、着てみてから考えようよ?」


「え~。要たんが言うなら、そうしようか?」


という事で着てみる。

深いグリーンのタンクトップと、ゆったりめのブルーのカーゴパンツ……かな?

少し胸が苦しい気がする。ワンサイズ大きいのが良いかな。


「要たん、マジヤバ……。」


「え?似合ってない?」


「そうじゃ無いよ?似合って入るんだけど、そうじゃないんだよ?」


「?」


「……まぁ、うん。見てもらう方が良いんじゃないかな?」


「?」


奈々がAラインのワンピースを畳み終わると、カーテンを開く。


「ちょ!?要!?」


「え?やっぱり似合わないかな?」


「似合ってるわ、でも、そうじゃないんだけどね!?」


選んだ本人の裕也と、幸は少し顔を逸らしている。

少し顔が赤いけど、僕の格好は恥ずかしい恰好なのかな?


「あ~、似合わないならしょうがないね。」


「いや、似合わなくはないんだ……。ただ……その、強調されすぎているというかなんというか……。」


「選んですまねぇが、これは無い……。」


「そうよそうよ。裕也の思考が手に取るように分かるわ。どうせむぐ……。」


「次!!兄貴、次だ!!」


裕也が真由美の口を塞ぎ、真由美がムームー唸ってる。良いのかな……。

カーテンを閉め直し、最後の試着。


「じゃじゃ~ん。あたしが選びました。ロングパンツにノースリーブタイプのワンピース。インナーは既存でも良いと思うし。」


「でも、お高いんでしょ?」


「ふふふ。何とセール品で安く仕上がってるんですよ。まぁ、着てみてね。」


今日着ていた白のシャツをインナーにする。

黒のロングパンツに緑のワンピース。羽織る形だからこっちも楽。


「大人の女性をコンセプトにしたからね。要たん似合ってる~。」


「そうかな?オシャレって良く分からないよ。」


「ちょっとずつでも知ってもらいたいんだけど……。なんならあたしが全部やってあげるよ。」


「そう?ありがと。奈々。」


「モチ。親友だからね~。さあ、御開帳~。」


またもやカーテンが勢いよく開かれる。壊れないか心配だ……。

「おお。」って声が上がる。


「良いね、似合ってるよ。同じ高校生徒は思えないね。」


「ムームー!!」


「裕也、離してあげて?流石にマズいと思うよ?」


「おう。……兄貴、似合ってる。」


「ありがと。」


「ぷぁ。裕也、あんたね。か弱い女性になんてことするのよ?」


「か弱くは無いだろ?図太いの間違いだ。」


「はぁ!?筋肉ダルマが、言うに事欠いて図太い!?あんたの無神経の方が図太いでしょうが!!」


「うっざ。本当の事を言ってんだろうが。てめぇのほうが神経図太いんだよ。」


「まぁまぁ。真由美も落ち着いて。裕也も、な?落ち着けって。」


「ぐっ……。まぁ、私の方がお姉さんだから、今は見逃してあげるわ。」


「ガキだろ(ボソッ)。」


「何か言った?今、何か言ったよね!?」


「はっ。」


「……は~ん、良い度胸ね。要、すっごい似合ってるわよ。ところでね?裕也の部屋に昨日入ったんだけど~。」


「おい!?てめぇ、ふざけんなよ!?」


「ちょっと、あんたの馬鹿力、洒落にならないんだけど?乙女の柔肌を傷つける気?」


「何が乙女だ!?人の弱みに付け込む奴が、乙女なわけねぇだろ!?」


「放しなさいよ。少し要とお話しするだけじゃない。」


「いいや、放さねぇ!!」


「なに?告白のつもり!?それで惚れられるとでも思ってるの?」


「違ぇ!!ってかうぜぇ!!自意識過剰過ぎるだろ!!」


「2人とも落ち着けって。店の中だぞ!?」


カーテンを勢いよく閉める。購入候補だね。

とりあえず着替えて2人を止めようか。店員さんが来ちゃうし……。

何とか幸に止めて欲しいけど……、無理だろうね。


「幸たんじゃ厳しいだろうね~。」


流石親友、分かってるね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ