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不思議な関係  作者: 三愛 紫月


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歌詞と渡したいもの

俺は、立ち上がって紙とペンを持ってきた。


「住所書いて?」


「えっ?」


「あ、渡したいものある。できたら」


「CD?」


「違うよ。」


「そうなの。」


「無理ならいい」


「無理じゃないよ。」そう言って住所を書いてくれた。


「ありがとう。できたら送る」


「うん。」


「あのさ、ちょっとだけいい?」


「なに?」


「眉毛」


「眉毛?」


「こうした方が似合いそうだよ」って笑った。


「眉毛ね。参考にする」


「後、前髪もこれの方が似合うよ」


「前髪、あーこれか…。参考にするよ。」


「うん。」


「あんたもさ、こうした方が綺麗になるよ」


そう言って、髪を触った。


「そうかな?」


「そうだよ。気づいてないだけで、そうなる素質ある」


「ありがとう。」


そう言って笑った。


俺、この人が既婚者でよかったと思ってる。好きとか大切とかわかんなくてこの人と次々先に進んで心も体も離れていって、一生会わない関係になってたな。


普通は、結婚してなかったらよかったって思う所だよな。


「これ、夜中の続き」


そう言ってノート広げた。


「一曲ぐらい、完成するかな?」


「わかんない。ギター持ってきてないからメロディは作れないけど、一応こんな感じ」


鼻歌で歌ってみた。


「すごいね。歌手だね」笑ってくれてる。


「バラードがいいかな?」


「苦しいのとか伝わる感じがいいかもね」


「もどかしい感じ?」


「もどかしいの私達の関係?」


「そうかもな。触れたいけど触れられないみたいな」


「触れるのは、出来るでしょ?」


「いやいや、なしでしょ?」


「結婚してるから?」


「わかんない。」


「肩叩くのは?」


「ありか…な」


「握手は?」


「ありか…な」


「じゃあ、触れられない関係は違うね」


「そうだね。」


やっぱり、楽しい。


何か、ホッとする。


「心は繋がっているってどうかな?」


「いいね。それメモ。離れていても傍にいる。」


「纏う香りだよ。」


「それも、悪くない。」


二人で単語を浮かべてはノートに書いた。


また、今日が終わるな。


「もう少ししたら帰るね。」


「晩御飯、食べて帰らない?さっきの残り」


「また、寝るよ。私」


「いいよ。休んで帰ったら。あっ、ムギ姫ちゃんに悪いか」


「昨日みたいに遅くはならないから、一人で食べたくないならいいよ。」


「じゃあ、お願い。」


「うん。」


よかった。


もう少し一緒にいれる。


「刻み込みたい」


「その単語もメモだね」


「うん。」


「最初で最後の日々ってのは?あり?」


「あり。書いとく。」


「結婚しててよかった。」


「えっ?」


「してなかったら、もっと先に進んで行こうとしてたでしょ?大人だから」


「気づいてたの?」


「同じだよ。さっき話したでしょ。心の距離と体の距離は同じにならないって話。」


「うん。」


「心が手に取るようにわかると、体もって…。一つになりたいって思うけどさ。違ったらどうする?距離が出来たり、体が心みたいにピッタリ合わなかったらどうする?それでも、気にしないで、誤魔化しながらいれる?」


「いれない。」


「だから、よかったんだよ。出会ったのが今で…。」


「俺も思ってるよ。先に進んで破壊して失うんだろうなってわかるから」


「私もわかるよ。そうなってなくても…。」


「同じでよかったよ。」


「うん。」


そう言って、笑った。


この人の心を繋ぐ一つになれるだけでいい。


不安感がなくなるように、体調悪い日が減るように、俺が出来る事があるならしてあげたい。


もしかしたら、曲を作ったらこの人の不安感少し減るかな?


とにかく、今作りたい。


一曲だけでも、完成させてあげたい。



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