出張と電話
何してたかわからないぐらい。
あっという間に、勇作の出張の日が来てしまった。
「りーちゃん、ヤバかったらお義母さんに連絡ね。」
「わかってるよ。」
「大丈夫?最近、元気なかったけど」
「大丈夫だよ。」
「ムギ姫、ママを頼むぞ」にゃー
「電話できないけど、ごめんね」
「大丈夫だよ。頑張れるから」
「不安感襲って大丈夫じゃなかったらちゃんとお義母さんに電話だよ!」
「わかってます。」
「じゃあ、行くね。」
「行ってらっしゃい」
勇作は、私を心配しながら出ていった。
大丈夫。何とかなるよ。
掃除、洗濯。
いつもの日常を繰り返して座る。
とにかく、ドラマ見よう。
ドラマ見て、ボッーとして。
ベッドに寝転がる。
気づいたら、いつも勇作が帰ってくる時間になった。
ヤバイ、不安感きた。
ご飯作って、食べよう。
紛らわす。
勇作がいない時は、朝まで起きてから朝に寝る。
それを、出張が終わるまで繰り返す。
前に夜に寝て目覚めた時に、動悸と不安感に襲われて家から出たくなったから、それからやめた。
朝まで起きて、明るい中で寝る。
今日も朝まで、起きよう。
ちょうど、いくつか映画あるからそれ見よう。
8時過ぎだ。不安感がフツフツ沸く。
ブーブー 勇作電話できたのかな?
名前を見ずに電話にでた。
「もしもし」
「もしもし、巽です。」
「えっ?何ですか?」
「今、あんたに会ったjewelのlive会場近くにいるんだけど会えない?」
「そんな遠いとこ、一人で行けないです。」
「じゃあ、場所言って俺あんたの近くに行くから。」
「無理です。」
「じゃあ、あんたから来てタクシー代払うから。」
「無理です。」
「なんでだよ。」
「無理だから、行けないから。私、普通じゃないから」
「どういう意味?」
「巽君には、関係ないよ。」
「俺が行くから、場所どこよ」
「いい来なくて、いいから」
ヤバイ、不安感止まらない。
もう、切らなきゃ。
「場所どこか教えてよ。」
「…市だよ…。」
あっ。間違って言っちゃった。
「行くから、近くまで。あんたもタクシー乗れる?」
「わかんない。」
「無理なら、あんたの家まで行くから…。とりあえず、そこの駅まで行くから着いたら電話するから。」
「わかった。行けるかわかんないけど…。」
そう言うと電話が、切られた。
不安感MAXで、場所言ってしまった。
何してんの、私。
jewelメンバーの人に怒られるよね。
私、最悪だわ。
不安感で、心臓がザワザワする。
私、自分の事、甘やかしちゃいけないって思って、強くなるって決めて、頑張ってるのに…。
なんで言っちゃったんだろう。
最悪だ。私
不安感は、一人で乗り越えるって、頑張るって決めてたのに…。
涙でてきた。
どうしよう。
会うの嫌だよ。
私は、タクシーを呼んだ。
嫌だけど、大人だから。
ちゃんと、もう連絡できないって伝えなきゃ。
不安の中、タクシーに乗れた。
大丈夫。




