真琴と俺
真琴は、俺についてくる。
「ソフトクリーム食べたいわ」
「なんだよ。それ」
「買ってかえろかな?」
「電車で帰るか!」
「いいよ。」
「やったー。」
真琴は、喜んでる。
「また、後でもどるんだろ?」
「まぁな」
「俺の事、気にしてきたの?」
「まぁな。」
「そっか。」
そう言って俺と真琴は、駅まで歩く。
「なぁ、巽。おばさんとなんかあった?あっ、佐浜さんだっけ。」
「うん。もう連絡しないと思う」
「えっ?何で?」
「あの人に言われたから」
「そしたら、歌詞書けないじゃん。巽は佐浜さんに恋愛感情はないわけでしょ?」
「俺は、ないけど。あの人は、あるかもって」
「それ、嘘でしょ?」
「何で、そう思うの?」
「何か、佐浜さんは巽にそんなの感じてない気がするけどな。熱愛記事でたからじゃないの?迷惑かかるってさ」
「そうなのかな。」
「なぁ。休みの日に会いに行けば?」
「えっ?あの人がどこに住んでるかもしらないし。あの人に迷惑かけたくないし。」
「そんな事言ってたら、二度と会えないよ。」
「わかってるよ。そんな事」
「じゃあ、会いに行けよ」
「だから、無理だって」
駅についた。
「二駅先にしよう。降りんの」
「ソフトクリームか?」
「うん。そうそう」
「じゃあ、それでいいよ。」
「あのさ、俺。ちょっと巽の家行ってもいいかな?」
「じゃあ、ソフトクリーム買ったらタクシー乗るか」
「うん。」
俺と真琴は、二駅先で降りる。
「俺、バニラもチョコも食べたいな。ストロベリーもいいな。巽、何か食べてよ。」
「うーん。じゃあ、バニラ」
「一口ちょうだい。」
「いいよ。」
「すみません。バニラとストロベリーとチョコで」
ソフトクリームを買って食べた。
「うまかったわ」
真琴は、満足してる。
「タクシーひろうよ。」
「うん。」
タクシーに乗って、俺の家についた。
「巽、これなに?」
「あぁ、それ。あの人が送ってきた言葉、紙に書いてるだけ」
「そっか。佐浜さんって、夫婦二人?」
「何か、猫もいたよ。鳴いてた。水でいい?」
「うん。そっか」
俺は、水を渡した。
「それだから、勘違いされるんだな。」
「どういう意味?」
「和馬がさ、その人と巽が付き合ったりするんじゃないかって心配しててさ。子供いないのわかってたのかな」
「子供居たら、あの人と俺はそうならないって事?」
「そうじゃない?」
「ってか、そもそもあの人とそうなりたいわけじゃないよ。」
「今までと違う感情?」
「うん。難しいけど…。あの人が死ぬまで見届けたい。」
「どんな気持ち?」
「わかんない。ただ、一生見届けたい。あの人の事」
「よくわかんないけどさ。特別なんだな。佐浜さんへの気持ち」
「うん。さっき真琴が言ったみたいに元々一人の人間だった気がする。それぐらいあの人に出会ってからの毎日は楽しくて。」
「恋じゃない、不思議な気持ちだな。俺は、そんな人出会った事ないからわかんないけど。巽が違うっていうからそうなんだろ。」
「ありがとう。信じてくれて」
「うん。でさ、休みの日会いに行くんだろう?」
「行かねーよ。」
「じゃあ、電話しろよ。」
「しないよ。」
「出てくれるまでかけろよ。」
「そんな事したくないよ。」
「せっかくそんな気持ち手に入れたんだから大事にしろよ。」
「真琴。」
「俺、そろそろ戻るわ。電話しろよ」
そう言って真琴が出ていった。
真琴に言えてよかった。
俺は、スマホを見る。
どうしようかな?
いや、かけるか。
でなくてもいいから、かけてみるか。