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真夜中の電話

結局、毎日毎日同じ事の繰り返しで、水曜日がきてしまった。


早いなぁー。単調だからかな?


はぁー。


一応毎日単語は、考えて送ったけど…。


あんな風なやりとりは、もうなかったし。


勇作が、帰ってきてごはん食べて11時には寝に行った。


何かわかんないけど緊張するわ。


「ムギ姫」にゃー


「緊張するわ」にゃー


「どうしようかな」にゃー


若い頃だったら、これ恋だとかって勘違いすんのかな。


とりあえず、ドラマ見ながらお茶飲もう。


体調を崩してから、お酒を飲めなくなった。飲めたら、楽しかったのに今では一口飲んだら動悸がする。勇作が出張行く時、家に一人でずっといれなかった。


36歳の時、そんな自分が嫌になって頑張っていたらいれるようになった。

でも、今でも時々軽く不安が襲ってきたりしてた。


巽くんに出会って、言葉を売るようになったら不思議となくなってた。


勇作に言えない言葉がありすぎるかな?


眠い。もう、一時だ。寝よかな?


そう思ったら、電話がなった、


♪タッタラター♪ たつみ


「もしもし。」


緊張してる私


「もしもし、ごめんごめん。遅くなったわ」


酔ってるけど、出来るの?


「次回でもいいよ」


「あっと、飲みすぎて頭ぐるぐる回ってんのバレてる感じ?」


何か普通の時と違ってチャラいな


「次回でもいいよ」


私は、もう一回言った。


「いや、歌詞とか関係なく、今日はあんたと話したかったから」


えっ?こんなん言われたら恋に落ちるパターンでしょ?胸がドキドキしたけど、


「何も考えない人と話したかったから」


そう言われてドキドキ消えた。


「おばさんと話したかったんだね。」


「あんたにおばさんって言ったけどさ。今は、もう、思ってないから」


「ありがとう。で、今日は歌詞やめますか?」


「うん。頭回らない、違う意味で回ってるけど」


「ハハ、何それ。上手いこというね」


「だろ?さっきさ、元カノも飲み会に来てビビったわ」


それが、本題か


「そっか。やり直したいって?」


「そう。俺、もう気持ちないって言ったら嘘だって。マジで無理だからって言ったんだよ。そしたらしつこくてさ。さっき、解放されて。電話する人いるって言ったら

、誰よ、新しい女でしょ?だってさ。マジでないわ」


よく、喋るな。でも、何か声はやっぱり歌手だからいい声してるな。


「週刊紙に売られますよ。」


私の一言に彼が笑った。


「アハハハ。あんたに売られるんだろ。それ!知人Aとかか?」


「それです。それ。知人Aの証言」


「売ってもいいよ。あんたになら売られても笑えるわ」


「いや、売らないですよ。外で喋ったらダメですよって事です。」 


「これから、あんたがいるから外とかに話さなくてもいいよ。」


「都合よくおばさんを使おうとしてません?夜中起きてるのも眠いのに」


「アハハハ。都合よく使わしてよ。あんたと飲めたら楽しいだろうな。」


「お酒飲めませんから」


「飲めないから、本音バンバン言うんだな。」


「そうかもですね。」


いつの間にか緊張はなくなっててむしろ楽しい。すごく楽しい。


「別に、敬語いいから。俺さ、あんたいいお母さんに慣れると思うよ」


「えっ?」


「突然変な事言ったけどさ、二人の子供をもつ事じゃなくても子供をもつ事は出来ると思うんだよ。俺、あんたと何回かしかやりとりしてないけど…。あんたと話すと楽しいし、不思議と胸がスッキリする。だから、あんたいいお母さんになれるんじゃないかって思って。」


「ありがとう。」


「うん。無理に進めたりしないから」

その時、ムギ姫がにゃーって鳴いた。


「なーんだ。ちゃんとお母さんしてるじゃん。」


その言葉に涙が流れた。


「そうかな。」


「うん。あんたその子のお母さんだろ?」


「ありがとう。」


「じゃあ、寝るわ。何かあんたと話したら眠たくなってきた。これからは、毎週水曜日起きといて。じゃあおやすみ」


「おやすみなさい」


そう言って電話が切れた。


毎週水曜日……木曜日の朝は地獄ですね。


何か途中から、ドキドキは、なくなってた。


不思議な感じ。


ただ、ただ、楽しかった。


たぶん、何も考えなくてよくて


住む場所も世界も違うからだと思う。


神様と話してるみたいな感覚。





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