電話
朝起きて、勇作のご飯作る。
結婚してから、ほとんど朝御飯つくってなかったけど…
9年目から作り出した。
「おはよう」
「おはよう」
勇作が起きてきた。
毎日朝シャワー浴びる。
その前にご飯食べる。
「このNEWSみた?」
そう言ってネットNEWS見せられた。
[マジ、感謝です。jewel最終公演]
「これは…。」
「りーちゃんやってたの、モノマネだったんだね!」
「えっ、あぁ。そうそう」
「そっかぁ」
そう言って勇作は、ご飯を食べる
そこピックアップして載せるか普通。
テレビをつける。
「りーちゃん、またでてるよ。」
「芹沢龍だ」
「映画と舞台があるからだね。」
「うんうん。」
ひよっこな私は、芹沢龍が出演するテレビを全部見れてない。
だから、たまにこうやって見れると嬉しい。
「よかったね。」
「朝から嬉しい」
足が悪くなかったら、スキップしてるよ、芹沢君。
「ごちそうさまでした。」そう言って勇作は、シャワー入りに行った。
私は、お皿下げてキッチンに行った。
嘘かも知れないけど、会わしてくれると言われた。
信じて、頑張るよ。
勇作は、あがってきて準備してる。
「じゃあ、行ってくるよ。」
「頑張ってね」
「いってきます。」
「気をつけてね」
見送った。
洗濯して、掃除機して、お皿洗ったら、疲れたから座る。
とにかく、頑張って単語送る。
うーんと。
そうだ、勇作に感じた気持ちを売ろう。
[私じゃなかったら、君は幸せになれたのに] 送信
[君の望むものを私はあげれない] 送信
200円だな!
♪タンタタ♪たつみ
驚いてスマホ落としそうになった。
「もしもし」
「もしもし、あんた朝から切ない気持ちにさせないでくれない。」
あんた呼ばわりされてるし
「歌詞送れって言われたから」
「そうだけどさ、あんた結婚してるのに幸せじゃないの?」
やっぱり、この人失礼だわ。
「幸せだよ。」
「じゃあ、何あの単語」
言いづらい、でも買ってくれてるわけだし。
「流産した時の気持ちと、子供を作ってあげれない気持ちを送りました。」って普通に明るく言ったと思う。
「やっぱり、あんた。いい歌詞かけるよ。」
「えっ?そうかな」
「だって、あの単語だけで胸の中に苦しさや切なさが広がったから」
「それは、北浦さんの感受性が強いからですよね。」
「それだけじゃない、あんたが選ぶ言葉のチョイスがいいんだよ」
「なんか…。」
「じゃあ、また送ってきて」
そう言って切られる前に
「マジ、感謝です。ネットNEWSになられてましたよ。」と伝えておいた。
「マジで!ハズー。あれ、一番ダサかったよな」
「嫌。使われるとは」
「めちゃくちゃ、滑ってたからね。」
「そうですね。」
「まぁ、楽しかったらいいよ。じゃあ、また」
「はい。さようなら」
なんか、嫌なとこもあるけどいいやつでもある。
また、買ってもらおう。
なんか、私の中にある言葉を買ってもらうだけで救われる