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竜の落とし子  作者: あんすとーん
2/3

01 能力診断

お待たせいたしました。

1話になります。あんすとーんです。

近いうちに期末テストがあるので次話投稿はもっと遅れる予定です。申し訳ありません。

ところで白い恋人アイス美味しくないですか!?

めっちゃうまいですよね。アレ。

オススメです。

「ありがとうございました。また来ます。次は客として。」


「おう!待ってるぜ!」


八百屋さんの割にはイカツイおじさんに道を聞いた俺は、王城へと歩き出した。


「字は日本語じゃないし、見たことない食べ物ばっか…」


興味を惹かれるものが盛り沢山だが、正直…


「帰りてぇ〜。」


ホームシック!


あの2人は大丈夫だろうか。

俺の最後の記憶を信用するのなら恐らく無事だ

家族もいるし、大学も就活も飲み会もまだやってないじゃないか。


元の世界に戻るんだ。何としても…!


ま、しばらくは情報収集に時間を費やすハメになりそうだ。


「しかし…今更だけど綺麗な街だな。

文明的に近いのは中世ヨーロッパかな。」


お! 看板にその店に因んだオブジェが付いてるの、

かわいいし何の店か分かりやすくていいなぁ。


そんなことを考えながら歩いていると、王城が見えてきた。


「結構長い道のりだったな…どっか座れるとこ…」


王城の門を通してもらって中に入ると、そこそこ大きな庭があった。


見たこともない草花が気になるとこだけど、とりあえずそばにあったベンチに座って休憩することにした。


しばらくぼーっとしていると、門が開いた。


そこから入ってきたのは恐らく高校…の制服を着た女の子だった。


髪はショートで、身長は小さめの普通のjk。


ただしめちゃめちゃでかいリュックを背負っていて、髪色プリンなことを除けば。


「どうしてそうなった…」


つい口に出してしまった心の言葉に彼女が反応する。


その目は好奇心に溢れているようで、顔の周りにキラキラが見えるほどだった。


「はじめまして…あなた、転生者の方ですよね?」


「はじめまして。はい、そうですけど…」


「やっぱり!

思ってたより普通…

結構やばい人多いって聞いてたからかなぁ?」


「その髪色と荷物は結構イレギュラーじゃない?」


「あはは…元々は違ったんだけど、ちょっと色々あってね。

って自己紹介まだしてなかったね!

私の前はチマ。あなたは…?」


「俺はカケルです。

俺も、最初が思ってたよりかはヤバい人じゃなくてよかったよ。」


「これからよろしく…なのかな?

まあいいや!

じゃあ〜これから前の世界の私について小一時間話していくとに… ん?

なんか聞こえるような…」


「誰かの声…か?」


「うおおおおおおお!!!! 着いたぞおお!」


「えっ!?」


「なっ…」


なんだコイツ!?

門番の許可も取らずに…

超ハイテンションで入ってきた!?


「ふんぬううぅぅぅーーーーッ!!」


大袈裟な動きでブレーキをかけて止まったその男は立ち上がると、こちらを見た


「オーイ!お前らが転生者かーー?

仲良くしようぜ!」


手をブンブン振りながら大声で話しかけてきた。


「声でかっ!最近の若い子はあんなに元気なの?」


「あんたも若い子でしょうに。遠くから大声で話してないで、こっちきて話しましょうよ!」


「おお!悪い悪い!思いついたことから実行しちまうタチでね!」


と言いつつ、一向に動こうとしない。


「だから来いって…

チマさん。もうこっちから行きましょう。」


「わ…分かったよ〜。これが噂のヤバい人かなぁ。」


「よう!オレはカズヤ。運動神経には自信あるぜ!」


「チマ!」


「カケルです。」


行動はヤバいのに。顔は驚くほどのイケメン。

モテるサッカー部系男子高校生って感じのビジュアルだ。


「おぉ〜 超絶イケメン…!」


「そうかぁ?照れるな!」


「それより。門番さんに謝ってきた方がいいんじゃないですか?パニクってますよ。」


「おお!そうだったな。

お前、頼りになるな!

じゃ ちょっくら頭下げてくるわ!」


「元気だな。」


「ちょっとヤバいけど良い人だね。

あ!そいえば。時間大丈夫?」


「忘れてた…俺が来てから10分。

そろそろ行った方が良さそうですね。」


「謝って来たぜ!」


「おかえり〜。

そろそろ時間だから城内入ろうって話してたとこだよ。」


「行きましょうか。」


「オウ!楽しみだなぁ〜 異世界!

勇者になれんのかな!」


「え?案内人からの説明 なかったんですか?」


「私は無かったよ。」


「俺もだ。」


何故俺だけに説明したし。

ま、多分案内人の性格的にいわな言わなかっただけだろう。


「多分後で説明されるでしょうし。

ちゃっちゃと王様との対談終わらせましょう。」


「それもそうだね!」


こうして俺たちは。目的地まで無事辿り着くことができた。


最初はかなり戸惑ったけど、なんとか着いたな。


「「「失礼します」」」


王の間と呼ばれているだだっ広い王様の部屋に入り。

案内人に指示された通り片足立ち…

恐らく王様に敬意を示しているだろうポーズで待機する。


「ねえ…」


突然チマが小声で話しかけて来た


「あの子、いたっけ?」


チマが指差す方向を見ると、

俺たちが入って来たときに誰もい無かったはずの場所に、これまた高校生らしき少女が待機していた


「いや、いなかったハズですけど…」


黒髪ロングに高身長。ややツリ目。

なんか、ドSお嬢様やってそうな容姿をしていた。


「顔色悪いよ…体調崩しちゃったのかな?」


本当だ。顔色が若干悪い気がする。

ただ体調を崩しているというよりは…


「絶望してる時の俺みたい…」


「カケル君、今なんか言った?」


つい口に出ていたみたいだ。

説明するのなんか恥ずかしいし、誤魔化しとこ。


「いや、なんでもない。」


絶望してるとしたら、原因はまあ十中八九異世界転生したことだろう。

向こう側の暮らしが充実していた人だったのなら、そうなるのも分かる。


「…そういえばリュックは?」


「来る前に執事さんに預けた。」


「陛下がいらっしゃるそうです。

能力検査してお話して終わりなので、リラックスしていただいて構いません。

ただし、絶対に変なことしないでくださいよ。」


執事さんが俺たちに呼びかける。


俺たちは揃ってうなずいた。


その声色からマジでやめろよという思いが伝わってくる。

今まで何人が変なことをして来たのだろうか。


本当にお疲れ様です。

ウチの星の者がすみません。ホントに。


「準備が整いました。

陛下。入場してください。」


「はーい」


野太い声と共に閻魔大王みたいな巨体が歩いて来て、王座にその腰を下ろした。


「オッホン!

転生者の諸君。遠路はるばるよくここまで来てくれた。

転生する場所はバラバラだから大変だっただろう。

さて、早速だが君たちには能力診断をしてもらいたい。構わんな?」


「「「「はい!」」」」


「ではまず、カズヤ様から。お願いします。」


ーー

「ありがとうございました〜」


「次、カケル様お願いします。」


「はい。」


さて…どうなる。


カズヤやチマは個性的だから特殊能力を持って転生していてもおかしくは無い気がするが…


俺はどうなんだ?

無能力者なら最悪幽閉だぞ。


「では、診断を始めます。

とりあえずここの筒の中を覗いてください。」


「分かりました。

…… あの これってどういう仕組みなんですか?」


「興味本位でそれを聞きますか。

長くなりますよ。

能力の定義からの解説になりますので。

…まあ、簡単に言うと”目は口ほどに物を言う”

ということです。

あなたの網膜から得た情報を解析して紙に写します。」


「なるほど… 」


なるほどと言ったが特に何も分からなかった。


「解析、終わりましたよ。

えーーと…

得意属性 これは魔法の属性の中でも得意な奴ですね。氷、雷。

一般能力…一般人でも普通に持ってる能力のことですね。

これが、距離把握と千里眼。」


氷と雷!カッコいいセットなのは良いとして、

千里眼と距離把握は使えるのか?

索敵魔法とか低コストそうな代用もありそうだが…


「特異能力 転生者の殆どが持っている能力です。一般人でもごく稀に持ってる人がいます。

…内分泌操作。聞いたことない能力ですね。」


内分泌…簡単に言えばホルモンのことだ。

アドレナリンとかチロキシンとか…

それの操作?簡単に人が殺せそうな能力だ。


「えっ…と。これどういう能力か調べるにはどうしたらいいんですかね?」


「さらに詳しく分析する装置もあるので、情報をそちらに送っておきます。

約15分で解析が終わるので、それまでお茶でもしていってください。」


「分かりました。ありがとうございました。」


その後俺達は、王様からこの国について簡単に説明された。


王様によると、


戦力的には弱小国である。


特産品の魔芯鉱

一般的に魔法の杖などに加工され、魔力の蓄積、放出を効率よく行う鉱石ー

の需要が高いため、基本はそれに頼って国を保っている。


他にも農業、漁業が盛ん。

牧畜はあまり盛んではないが、

高品質、高価格なブランド品を輸出しているのだとか。


この国は転生者が何故か多く、他の国から転生者を貸し出せと要求されている。


ーらしい。


転生者が多いことになんの説明も無かったが、この国の人もまだ分かっていないのだろう。


その後一旦解散し、転生者全員でティータイムと洒落込んだ。


「疲れたゆぉ〜。」


机の上にぺにゃっと顔を乗せるチマを横目に、俺は先程の能力のことを考えていた。


ホルモン操作…具体的に何ができるのだろうか。距離把握や千里眼も試しておきたい。


「カケルはどんな特異能力だったんだ?」


「内分泌操作…らしいです。

でも具体的に何ができる能力かまだ分からないんですよね。」


「な…な……」


「おい、チマどうし…『内分泌操作ぁ〜っ!?』


「うるさっ…どうしたんですか。そんな大声出して。」


「ズルイです!カケルさんそ〜んな面白そうな能力持って!内分泌ってことはホルモンに関与するのかなぁ!?

ま!私も状態変化っていう超〜!面白そうな能力でしたけどね!」


状態変化…個体、液体、気体を操るということだろうか…てか急に早口になったな。


「どこで張り合ってるんですか。しかも結構凄そうだし…

カズヤさんはどうでした?」


「俺は超精密と超火力の2個持ちだったぜ!

2個持ちは珍しいんだってよ!

俺ってばラッキだなぁ〜。」


なにその 星の白金みたいな組み合わせ。


「うげ、ますます俺がしょぼく見える。」


しまった。

黒髪少女のこと忘れて話してた。

俺たちだけで盛り上がってて割り込み辛かっただろうし、向こうからしたらかなりイヤな奴だぞ。


なんとか会話を…


「あの〜 すみません俺たちばっか話しちゃって。

えーと…何さんですか?」


「あ… えと サヤ…です。」


「サヤちゃんかぁ〜。

私はチマだよ!」


「俺はカケルです。こっちはカズヤ。

って知ってるか。さっき名前出してたし。」


「はい… えっと よっ よろしくお願いします。」


「よろしくな!」


「よろしくお願いします。」


「よろしくぅ〜!」


「サヤはどんな能力だったんだ?」


「えっと…私のは未来予知…」


「すご!

敵と戦うってなった時に、攻撃予測できて便利そうだね〜。」


「確かに…あ 茶菓子無くなりました。」


「おいおい ちょっと食べすぎなんじゃない?」


「別に良いだろう!ここは王城。

高級茶葉も、美味しいクッキーも、なんでもありそうだ!

このティーセットも恐らく銀食器だしな!」


「やぁ!転生者諸君!」


聞き覚えのある声がした。が、俺以外の人は知らないらしい。

みんな「誰!?」と言いたげにその人の顔をまじまじと見ていた。


「誰!?って言いたそうだね。私の名はアリア。

国家直属の騎士であり、ついでにそこにいる敬語ちゃんの案内人を務めさせていただいた者だよ。

どうぞお見知り置きを。」


「誰が敬語ちゃんですか…

こんな感じで、常にふざけてるように見えるかもしれませんが、結構偉いお方らしいです。

さっきぶりですね、アリアさん。何しに来たんですか?」


「君の特異能力の詳しい解析が済んだから、伝えに来たんだよ。

他の子のヤツも、済み次第案内人の人が伝達してくれるから、それまで待っててね。」


「そうでしたか。ありがとうございます。」


「どーも。

で、君の能力だけど…触れた相手のホルモンバランスに干渉できる能力。だって。

詳しくはこの紙見てよ。」


紙には、

触れた相手のホルモンバランスに干渉できる。

触れてる時間が長いほど、バランスを大きく変えられる。

自分にも使える。

使うとまるで5キロ走った後のような息切れが発生する。

と書かれていた。


予想通り、簡単に人を殺せそうだ。


「これ…危険じゃないですか?」


「その通り!すごーく危険!

それに、ホルモンバランスなんてまだ解明していないことばっかりだから、未知数すぎて制御もできないんだよね〜。

よって 君 幽閉ね。」


「え?」


唐突な宣言に皆がキョトンとする中、アリアだけは話を進める。


「幽閉って言っても。そんな悪い暮らしじゃないよ。

高級ホテルが家になるようなもんだし。

まー そっから出ちゃいけないってのがキツいんだけどね。」


いや…この人が言ってることは明らかにおかしい。

操作できるのは『触れた相手』のみ…制御なんて手袋付ければ簡単にできる。

絶対に裏がある。


だが、ここで逆らっても無駄だろう。

アリアは俺なんかよりずっと強い。

強行されて終わりだ。


なら…


「…わかりましたよ。

そのかわり、出来るだけ早く俺を元の世界に戻してください。

できないのなら、せめて転生者3人との連絡は取らせてください。」


素直に従う。

ついでに外部との連絡許可の交渉もする。



「戻れるかどうかは、私には判断しかねる。

でも、この子達との連絡はオッケーだよ。

面会も許可するし、好きなだけお話ししなさい。」


よし。これで外との情報交換ができる。

情報さえあれば、いつか抜け出せるだろう。


「ってわけだから。

こっからは声だけの存在になっちゃいそうです。」


「そんな…」


「毎週会いに行くよぉ〜!」


「俺は毎日会いに行くぞ!!」


「いやそんな高頻度じゃなくてもいいから…

まあ ツキイチくらいで会いに来てくれると

嬉しいです。」


「じゃ 行こっか。」


「はい。」


王城にしてはのっぺりとした通路を歩く


この先の、どうなるか検討がつかないうちはあらゆるケースを考えておくしかない。


俺はなんとしてでも元の世界に帰る。

たとえ数十年掛かっても…


あっ…そういえば八百屋のおっさんとの約束果たせそうに無くなっちゃったな。

しばらくしたら、あいつらに伝言頼んどくか…



To be continued …

読んでくださりありがとうございます。

次話までしばらくお待ちください。

あと、毒舌意見や細かい誤字指定までなんでも受け付けておりますので、是非是非〜

それではまた。

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