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17回目の誕生日

作者: 日下千尋

私、成瀬京子は高校生に入って最初の誕生日を迎えた。

すなわち16回目の誕生日である。

なのに今朝から家を見渡しても何も変わらない普通の一日だった。

制服に着替えて1階のダイニングルームを見渡しても特に変わった気配はなかった。

食卓にはトースト、目玉焼き、サラダ、そして牛乳と言ったごく普通の食事だった。

学校に着いて友達と話しても特に私の誕生日の話題がなかった。

授業も放課後も部活もいたって普通な感じ。

友達と帰りを誘ってもみんなに断られるばかり。もしかして嫌われたのかと頭の中でよぎってしまった。

帰り道、近くのコンビニに立ち寄ってチョコレートを買って近所の公園のベンチで一人寂しく食べていた。何をやっているんだろう私。そう頭の中で呟きながら食べ残したチョコをカバンの中に入れて公園を後にした。

家に着いても特に変わったことはなかった。

「京子、お帰り。もうじき夕食だから。」

そういわれて部屋にベッドの上でスマホをいじりながら寝てしまった。

目が覚めて食事の匂いや出来上がった気配がなかったので、ダイニングルームへ足を運んでみたら置手紙があり、読んでみたら「洋食屋ジョリーで待っています。」と書いてあった。

店までの道のりはとても長く、暗く、怖かった。女の子一人に夜道を歩かせるなんて非常識な親と思いながら歩いて行った。

途中巡回中のおまわりさんに声をかけられたので、洋食屋ジョリーまで行くと話したら一緒について行ってくれた。

「では、本官はこれで。」

おまわりさんは軽く一礼をしていなくなった。

店のドアには「本日貸し切り」と書いてあったが、そっとドアを開けてみたらクラッカーが盛大になり始めた。

「京子、お誕生日おめでとう!」

そう言ったのは保育園の時からの幼馴染の寺田明日香だった。

明日香は私に大き目の花束を差し出してきた。

テーブルの上にはたくさんのご馳走が並んであり、奥の椅子にはたくさんのプレゼントが置いてあった。

「このプレゼントははお父さんとお母さんとお友達からだよ。あと料理はジョリーのおごりになっているから。」

そういったのは母であった。

「料理の半分は私たちが手伝ったんだよ。」

クラスメートの唐戸めぐみと内田裕子だった。

「店の飾りつけは俺たちがやったんだぜ。」

自慢げに言ったのは保育園からの幼馴染でサッカー部の吉村正人と野球部の水島浩太だった。

この二人は結構女子にモテていているからちょっと悔しかった。

「さ、主役の方は奥へ。」

明日香は私の背中を押しながら奥の椅子に座らせようとした。だが、その後めぐみと裕子がストップをかけてきた。

「主役がこんな地味だったらパーティが台無しだよ。さ、お嬢さん、奥の部屋に来てくださる?」

私はめぐみと裕子に言われるままに店の奥へ連れられてドレスに着替えて、メイク、カラコン、そしてウィッグを被らされ店の中央に立たされてしまった。

「本日の主役、成瀬京子さんです!」

めぐみがそう言ったら、全員が拍手を始めた。

そして明日香が乾杯の音頭を取り、パーティが始まった。料理はバイキング形式でいろんなものが食べられる形になっていた。

ご馳走を平らげ、ゲームを楽しんで、記念撮影をしたら最後はケーキの登場だった。

「さ、京子。ひと思いに消して。」

明日香に言われて私が薄暗い部屋でろうそくのささったケーキに「ふーっと」消したとたん、盛大な拍手とクラッカーが飛んできた。

ケーキを食べ終えたころ、明日香が出てきて「宴たけなわですがそろそろお開きに入らせていただきます。それにあたり本日の主役である成瀬京子さんより一言ご挨拶をお願いいたします。」

私は何も考えていなかったので何をいえばいいか分からなかった。

「京子、京子。」と父が私の背中を軽くつついて挨拶が書いてあるメモを渡してきたので、それを読んで挨拶を始めた。

「今日は私の16回目の誕生日に集まってくれて本当にありがとうございました。クラスメートのみんな、そしてお父さん、お母さん、お店と料理を提供してくださった洋食屋ジョリーのご主人、本当に感謝しています。それだけでも十分満足しているのに、限られた小遣いで私のためにプレゼントを用意してくれたみんなには本当に感謝しています。みんなで考えて用意してくれたゲームは本当に楽しかったです。改めて本当にありがとうございました。」

私の挨拶が終わったとたん、みんなから大きな拍手が来た。

母はお返しの入った手提げ袋を私に差し出して、みんなに配るよう促してきた。

「これはつまらないものですが、今日の誕生日のお返しです。よかったら受け取ってください。」

私は一人ひとりに配り始めた。

「これはご主人の分です。」

「わしにもかい?」

「はい。よかったら受け取ってください。」

「じゃあ、遠慮なく受け取るよ。」

そのあとは片付けに入って、帰るだけになった。

「私も手伝うよ。」

「主役は着替えとメイクオフがあるでしょ?」

「あ、そうか。」

私はめぐみと裕子に奥の部屋で着替えやメイクオフを手伝ってもらうことになった。

「この衣装とウィッグは私たちからのプレゼント。よかったら受け取ってくれる?」

「ありがとう。大事にするね。」

家に着き、部屋に戻ると、みんなからのプレゼントを一つ一つあけてみると、どれもみんなメッセージカードが入ってあった。

その中でも幼馴染の寺田明日香からは一枚のCDと手紙が入っていた。

「京子、16回目のお誕生日おめでとう。初めてやった誕生日会の出来事覚えている?保育園で作った折り鶴プレゼントしたの、今でも大事してる?それとも捨てちゃったかな。もう捨てちゃったよね。いいんだよ。もう昔のことだし。小学校の時は紙粘土で作ったネックレス。今振り返るとあんなしょうもないものをよくプレゼントできたものだと、われながら呆れるばかりだったよ。今年は少し奮発して京子が欲しがっていた宮本文昭の『蒼の薫り』にしてみたよ。正直探すのにかなり苦労したよ。暇なときによかったら聞いてみて。そしたら感想をお願いね。それじゃ、京子にとって素敵な1年でいられるように。幼馴染の明日香より。」

それを読んだ後、涙が止まらなくなり、部屋で泣いてしまった。

泣き止んだ後、CDをステレオで再生してみた。

オーボエが優しい音色で演奏し始めてきた。気持ちがリラックスできる感触も覚えてきた。

「ドナの夢」を聞き始めたころには眠気が襲い掛かり、いつの間にかうたた寝をしてしまった。

慌ててプレーヤーを止めて、布団に入って熟睡してしまった。

翌朝、私は着替えと食事を済ませた後、部屋でアルバムを広げていたら、明日香がやってきた。

「明日香、昨日は本当にありがとう。プレゼントも手紙も感動したよ。」

「照れるじゃない。ん?アルバムなんか広げてどうしたの?」

「過去の誕生日を見てみようかと思ったの。」

「去年はプレゼントが間に合わなくなって目録だったよね。あの時は本当にごめん。」

「いいよ。気にしてないから」

私は笑いながらアルバムのページを広げていった。

中学の時には私の似顔絵をアニメキャラ風に仕上げてくれたのが、結構気に入って今でも大事に保存しているの。久々にクローゼットから取り出して明日香に見せてみたら、少し恥ずかしそうな表情を見せていたので、すぐに元に戻した。

時計を見ると正午になっていたので、明日香は私の家で一緒に昼食をとることにした。

そのあともアルバムを広げては二人で思い出を語り始めていた。

特に印象的だったのは、小学校5年生の誕生日だった。

友達が全員がプレゼント用意したから母が不振に思って台所へ呼び出し、「あなた友達にプレゼントを催促していないでしょうね?」

「してないよ。」

「じゃあ、なんでみんな用意したの?おかしいでしょ?」

「私にもわからないよ。」

「お母さん言ったよね。『手ぶらでいいから来てちょうだい』と」

「そんなに言うならお母さんが直接いえばいいのに。」

まさか誕生日当日にそんな強烈な一言が来るとは思わなかった。

母は近所の和菓子屋さんで紅白饅頭を人数分用意して渡していった。

みんな帰って一段落ついたら母に「来年の誕生日会の時には手ぶらで来るように言いなさい。プレゼントならお父さんとお母さんが買ってあげるから。」

翌年6年生の誕生日会でも友達全員がプレゼント用意したとき。母の目線は完全に疑惑モードに入っていた。

私が一生懸命潔白を証明してもなかなか信じてもらえなかった。

結局明日香がやってきて、うまく説明をしてくれたので話がうまくまとまった。

それを明日香に話していたらゲラゲラと爆笑していた。

「ちょっと明日香笑いすぎ。」

「あの時のおばさんの目、検事になっていたから。」

「だって、現に母の職業検事だし。」

「おじさんは何やっているんだっけ?」

「裁判官」

「すごいよね。明日香は将来どうするの?」

「まだわからない。」

「そうだよね。これからゆっくり考えればいいから。」

夕方一度明日香と別れて、夕食と風呂を済ませて一夜を過ごした。

2か月後、学校では文化祭であるとともに明日香の16回目の誕生日を迎えようとしていた。

今回の主役は明日香なので、私の時以上に「洋食屋ジョリー」で盛大にやってみようと思った。

店の飾りつけ、料理の準備、主役が着る衣装とウィッグなどもすべて用意して待っていた。

飾りつけは吉村正人と水島浩太だった。

「おい、邪魔だ。」

「お前だけには言われたくねーよ!」

「いいからあっち行ってろ!」

「言われなくてもそうするよ。」

店の主人は少し苦笑いしながら見つめていた。

この二人のやりとりは保育園の時からで、犬猿の仲って感じに見えた。

保育園の時、浩太が絵本を読んでいたら正人が横取りしてみたり。

正人が砂場遊びをしていたら浩太が正人の頭に砂をかける始末。

小学校に入ってからも教室では口喧嘩は当たり前、放課後の決闘も定期的にあった。

中学に入ると、正人はサッカー部、浩太は野球部に入って、争いは収まったのかと思えば校庭の取り合いで喧嘩になることもしばしばあった。

正直、二人が同じ高校に入ったのも不思議だった。

でも、いつも喧嘩とは限らなかった。

勉強を教えあったり、休日は一緒に遊ぶこともよくあった。

「喧嘩するほど仲がいい」とはまさにそのことを指しているのかと思えた。

私たちも料理の準備が終わって、あとは主役の明日香がドアを開けるのを待つだけだった。

しかし、来る気配がなかった。

もしかして誘拐?もしくは事故に巻き込まれたとか?

ここまでの道のりは街灯も少なく、とても危険だった。

私の中には「不安」の二文字がよぎってきた。

スマホを取り出して明日香に連絡してみたが、出なかった。

とりあえずSNSのメッセージに「待っているから来て頂戴」と送っておいた。

10分、20分、と経っても来る気配がなかった。

店の前で誰かが「事故だー!」

「なんだって!?」

「16歳の女の子がはねられたらしい。しかもひき逃げだって。」

「相手はスマホを操作しながら運転して、そのまま走り去ったみたいだ。」

「警察呼んだか?」

「ナンバープレートは控えてある。」

「この近くはNシステムと防犯カメラもあるからばっちりだよ。」

私は店を出て会話の中身を詳しく聞かせてもらうことになった。

その数分後はおばさんの携帯に病院から電話が来た。

「もしもし、寺田明日香さんのお母さんでよろしいでしょうか?」

「はい、そうですが。」

「私、西村総合病院のものです。大切なお話があります。今すぐお越しになっていただけますでしょうか。」

私と明日香の両親はすぐに車に乗って病院へ向かい、残った人は店で待ってもらう形になった。

明日香は救急病棟にいた。

看護師と医師がやってきて詳しく説明をしてくれた。

しかし、残念なことに死んでしまった。

誕生日会はもちろん中止、数日後には近所の斎場で葬式が行われた。

当日は担任の先生、クラスのみんなが集まって最後の見送りをしてくれた。

告別式を終えた3日後、遺品整理を手伝ってくれる条件として明日香の形見を頂けることになった。

明日香の着ていた洋服や履いていた靴などを譲ってもらうことになった。

他にもCDも何枚かもらった。

1段落して私はおじさんとおばさんの3人で思い出を語りながら、落ち着かせていたらひき逃げの犯人と思われる人の親がやってきた。

「私、岡村幸雄の母と申します。このたびは大変ご愁傷さまです。大切な娘さんの命を奪う形となってしまい、まことに申し訳ございませんでした。」

母親と思われる人は玄関先で土下座をし始めた。

岡村幸雄とは明日香をひき逃げした犯人の名前だった。

「頭を上げてくれる?あなたがこうしていても娘は帰ってこないから。」

「つまらなものですが、よかったら召し上がってください。」

岡村の母親はお菓子の詰め物を差し出したとたん、おじさんが「すまないが、これをもって帰ってくれないか。」

「では、せめて線香だけでも上げさせてください。」

「頼む、帰ってくれ。こんなことは言いたくないが人殺しの家族に線香をあげられても娘は喜ばない。だから帰ってくれないか。」

「わかりました。それでは失礼します。」

岡村の母親は一言を言い残して家を去っていった。

「京子ちゃん、申し訳ないが今日のところは帰ってくれないか。明日香は少し疲れているみたいだから。」

「わかりました。失礼します。」

私は一度家に戻りベッドでスマホをいじっていた。

学校では文化祭が中止になり、通常授業になった。

四十九日を終え、明日香の墓は海が一望できる小高い丘の上に作られた。

一方、ひき逃げした岡村は裁判の判決が言い渡される日だった。

懲役20年の実刑だったが、20年で刑務所から出られると思うと少し悔しい思いもした。

一周忌を迎える前、私は明日香の17回目の誕生日会を開きたいと言い出した。

「洋食屋ジョリー」で準備を進め、男子は飾りつけ、女子は店の主人と一緒に料理の手伝いをし始めた。

さらに今回はおじさんとおばさんの許可をもらって遺影を飾ることにし、18時に黙とうを済ませ、おばさんから預かった手紙を読み上げることにした。

「今日は明日香の17回目の誕生日だね。もしかしたら、今日だけ空から降りてきてみんなのところにいるのかな?明日香はみんなに祝ってもらえて本当に幸せ者だよ。あの事故が無かったら今頃みんなと一緒に騒いでいたかもね。父さんと母さんは明日香をひき逃げした犯人を恨んでいるけど、明日香自身はどうかな。許したのかな。それとも恨んでいるのかな。あんまり長くすると京子ちゃんやお友達のみんなが待ちくたびれると思うからこの辺にしておくね。」

私が手紙を読み終えたとたん、みんなが泣き出したので私が「みんな気持ちはよくわかるよ。明日香は皆の泣き顔なんか見たくないと思っているはず。みんなが喜んでいるところを見たいと思っているに違いないよ。」

「京子ちゃんの言う通りだよ。明日香ちゃんは確かに天国へ行ってしまった。だからと言ってずっと悲しい顔していたら明日香ちゃんどう思うかな?余計につらくならないかな?わしもずっとここで、京子ちゃんや明日香ちゃん、そして他の人たちもたくさん見てきたからよくわかるんだよ。だから今日は明日香ちゃんのためにも無礼講ありで大いに騒いでくれないかな。その方が明日香ちゃんも喜ぶと思うよ。さ、こんな辛気臭い顔はこの辺にして食べて飲んで騒げば嫌なことも忘れるし、明日香ちゃんも喜ぶから」

店の主人の言う通りだった。みんなも沈んだ顔をあげてコップに入ったジュースを持ち上げて一斉に「天国にいる明日香にお誕生日おめでとう。乾杯!」と言い出した。

そのとたんに目の前の料理を平らげていたので、女子が男子に「あんたたち、調子に乗って食べているけど、明日香の分は残しているんでしょうね?」

「やべー!」

「おい、明日香ちゃんの分はこっちで残してあるから安心して食えよ。」

「ありがとうございます。」

パーティも終盤になり、みんなで記念撮影をして終わらせた。

片付けを済ませて、余った料理を明日香の家に持っていく途中、ハイビームで猛スピードで通過した車を見かけて危ない運転をしているなと思った。

もしかしたらひき逃げの一味かと思ったが、今腹を立てても明日香は帰ってこない、そう思って明日香の家に向かって、料理を届けた。


お話は卒業式に飛びます。

今日は卒業式、この制服を着るのも最後になってしまった。

後輩から記念品や色紙をもらったり、記念撮影をやって別れを惜しんでいた。

私は先生に無理を言って明日香の卒業証書の授与したいので、教室を使わせてほしいとお願いをした。

「卒業証書、寺田明日香殿。右の者は三年間にわたり高等学校の教育課程を修了したとともに本校を卒業したことをここに証する。神奈川県立相模原南高等学校 学校長 臼井重治」

「明日香、卒業おめでとう。あとで天国に送るね。」

私が明日香の遺影にそう言ったら教室内で大きな拍手が送られ、クラス全員で「明日香卒業おめでとう!」と言った。

そして最後に「仰げば尊し」と「今日の日はさよなら」を歌って、教室を後にした。

集まれる人だけ「洋食屋ジョリー」で打ち上げをして、そのまま春休みに入った。

4月に入って私は県内の大学に進学し、新しい友達をつくり仲良くやっている。

高校三年の春休みと自由登校の時、教習所に通い、夏休み前に無事免許を取ってきた。

父から車を借りて明日香のお墓に向かい、お線香と花束を済ませた後、明日香への思いを手紙にして読み上げた。

「明日香、もう私大学生になったよ。今日ここに来たのはそれを言うためだったの。一緒に入るはずだった大学も一人だととてもさみしいよ。天国での暮らしはもう慣れた?私は大学の勉強についていけず苦労しているよ。卒業式の時、めぐみかなり泣いていたよ。実は私も少し泣いちゃった。あ、そうそう私ね免許とったよ。まだ初心者だけど、たくさん練習して上達するから。明日香には車と言えば嫌な思い出だよね。明日香をはねた悪者は裁判で20年の懲役になったよ。たったの20年で刑務所から出られると思うと、正直悔しいよ。また来るね。」

手紙を読みえて私はお墓を後にした。

明日香の家に行っても会えないと思うと、よけいに寂しくなる。

いい加減早く慣れよう思っているが、やはりなれない。

その日の夜、夢の中で明日香が出てきて一緒に遊んだ。そして私に「京子、今日は来てくれてありがとう。」そう言ったとたん、目が私は目が覚めてしまった。

時計を見たらまだ1時だった。

頑張ってもうひと眠りをしたら、すでに太陽が昇っていた。

外を見たら引っ越しのトラックが止まっていた。

おじさんとおばさんが挨拶にやってきて、軽く済ませたら車に乗っていなくなってしまった。

母が私に明日香の遺影を渡してきて「明日香ちゃんのお母さんが京子にだって。」と言った。

私はまた涙が出そうになり、ついに泣き出してしまった。


再び明日香の墓に行ったときに私は誓った。

誰にも頼らず、自分一人の力で頑張れることを。



終わり。


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