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魔物の日常  作者: ちょんまげプリン
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決断

 敵の最終魔法が打ち放たれた。自分の除きかろうじて戦えるのはヴィア様とノア、マゼンタ、デスト、ティアか。なら、迷うことない。

自分1人が欠けたとしても、まだ生きているヴィア様と多くの眷属、そして奴ら4人がいれば再起可能だ。

そう思った時にはすでに体が動いていた。

「最終魔法、、、」

敵の全線に近づき、そう唱えた。「最終魔法」それは使う者によって全く異なる効果のある魔法。彼、ヒュー・シーの最終魔法は相手の全攻撃の対象を自分に変え、味方の体力、魔力を全回復し、自分が指定した場所に強制転移するものだった。この最終魔法は「最終」とだけあって、自分の魔力が一生0になる、

つまり魔法が永遠に使えなくなるという代償がある。それは魔法特化型のヒュー・シーにとって、この弱肉強食の世界では「死」を意味する。だがその代償は使用する者のみしか知らなく大抵はそれを公にしない。というのも、そんなことを教えたら主であるヴィアが全力で止めにくるからだ。そのため皆は大きな代償を受けることしか知らなかった。ヒュー・シーはこの戦いの途中から遠く、背後に新たな敵の集団が近づいていることに気付いた。おそらく自分たちを十分に弱体化させてから袋叩きにする計画であったのだろう。このままだと全滅すると確信ため、極力攻撃を受けないようにし、相手が最終魔法を使う瞬間に使おうと決めたのだ。

ヴィア達がそれに気づいて止めようとしたが、遅かった。後ろから泣きながら止めようとするヴィア達。それもそのはず、相手が放った最終魔法は敵に亜空間に送り込みそこでエンドレスの戦いを強いられる。そしてそれに飲み込まれた者でそこから脱出できたものは未だ誰もいなかった。つまり飲み込まれたら最後、死ぬだけだ。ヴィア達であったら一瞬でヒュー・シーのもとへ行き、止めることができただろう。しかし今、それはできなかった。その理由は、多くの眷属達が戦いでボロボロになりながらもヴィア達を抑えていたからだ。実はヒュー・シーは昔から眷属達の訓練の際「俺が最終魔法を使うとき、それはお前たちに生きて欲しいという意味もあり、ヴィア様を守るためでもある。だがその魔法は大きな代償がある。きっとそれを使うとヴィア様やノア達が全力で止めに来るだろう。だから俺がそれをつかう時、ヴィア様やノア達を全力で止めてくれ。」と言い聞かせてた。そしてそのことはヴィア様達には教えないように釘づけておいた。普段から眷属たちはヴィア様はもちろん、圧倒的な力をもつノア、デスト、マゼンタ、ティア達に一切の反抗せず、彼、彼女らの意に反することは今までしたことがなかった。だから一抹の不安があったが眷属達はここぞという時にやってくれた。

「何をするんだ、離せ!」

「離しなさい!」

「どいうつもりなの!」

「邪魔だ!」

「・・・あなた達・・・。・・・そう・・・そういうことなのね。」

背後から眷属達必死を払おうと大声を上げ暴れるヴィア様達の声が聞こえてくる。自然と涙腺が緩み、涙が出てくる。あぁ、いい奴らに出会ったな。本当にありがとう。そして本当に楽しかった。皆と過ごした日々は楽しかった。ヴィア様と出会ったこと、デスト、ノア、ティア、マゼンタのこと、色々思い出したいが時間がない。俺はこれから永遠の戦いに挑まなければならない。

「ヴィア様、最後に貴方様の意に反して行動したことをお許しください。」

そうつぶやき、魔法が発動する直前、主たちのほうを向いて「ありがとう」と言った。きっとこの声は

小さすぎて聞こえず、口パクに見えてしまっているだろう。それでもいい。最後にそれだけは言って置き

たかった。『堕ちた天使』であったために毎日虐げられてきた自分の努力を認め、配下にして下さったヴィア様。そして共に切磋琢磨し、技量を高めていった生まれて初めての友達の、ノア、ティア、マゼンタ、デスト。本当にありがとう。

次の瞬間目の前が真っ暗になった。そこは薄暗い空間で、それはどこまで果てしなく続いていた。しばらくすると四方八方から見たことないおぞましい怪物が出てきた。その数はざっと見た限りで100はくだらないだろう。ヒュー・シーはその最終魔法について知ってはいたが、無限に沸いてくる敵の情報についてまでは知らなかった。だからヒュー・シーは怪物に攻撃を軽く与え、相手のレベルを判断したとき、思わず笑ってしまった。

「はは、、、ここいる怪物全員が俺に匹敵するのかよ、、、」

絶体絶命。ヴィアは魔物の中で最強であるが、それ除いてヒュー・シー、ノア、マゼンタ、デスト、ティアがトップ5であった。その中でもヒュー・シーは一番強かった。そんなヒュー・シーと匹敵するレベルの奴らがゴロゴロとそこら辺にいるのだ。しかも無限に沸くいう地獄。もし、こんな奴らが現実世界に解き放たれたらと思うと恐ろしくて溜まらない。

「絶望的だな、、、。だが、そう、はいはいと殺されてしまっては、ヴィア様の配下として恥だからな!例え、この翼がすべて折られようと、四股を失おうと、全身全霊で最期の戦いを全うするまでよ!」

そして、一呼吸吸い、

「行くぞ!」

その掛け声と同時に堕天使(1人)VS亜空間の怪物(無限)の情け無用のエンドレスゲームが始まった。

最初はシリアスな展開からスタートです

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