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第8話 街中のバトル(1)

対人バトル書いてみたかっただけなんです。少々(かなり?)雑になっている&更新遅くなったことをお詫びします。次回回想シーンあります。

「いやぁ、やはりお似合いですなぁ」

「…ありがとう」

 さっきからずっとこれだ。あんまり褒めるな。恥ずかしい。とは、服を買ってもらった手前どうしても言えない。そろそろ顔が赤くなってきた頃

「--違う〜♪」

 どこからかぬぅッーっと現れたのはチェシャ猫…なのかな?随分と音が外れてるけど。

「白ウサギさん、あれは?」

「案内役…チェシャ猫の子孫です。名は…確かチャグ」

「お嬢さん、初めまして〜。俺はチャグ。いやぁ、美しいお嬢さんだ。それとも、『アリスの生まれ変わり』と、そう呼んだ方が良かったかい?」

 ニヤリーー音がしそうな陰湿な笑みが、チャグ猫の口許に浮かんだ。

「な、んで、それを……?」

「俺には優秀な情報屋が付いてんのさぁ。それくらいの情報は集めるのに造作もねぇ」

「ほほぅ、それはつまり、自分の手柄ではない。そういうことでしょうか?」

「誰!?いつの間に……!?」

 その場にいる誰にも気配を悟らせることなく現れたのは…

「さっきの店の…店員さん……?」

「憶えていてくださったのですね。光栄なことだ。ですが……!」

「ッ--何、今の…見えなかった、なんで……?」

「アリス様、スキルです。それよりも止血をしましょう」

「え?」

 素っ頓狂な声を上げて自らの身体を見回すと、腕の辺りに10センチ程の切り傷があり、真っ赤な血がドクドクと流れ出していた。慌ててハンカチを取り出して傷に押し当てる。その上から白ウサギさんが自分の服を千切って巻きつけてくれる。作業をしながらさっきの説明をしてくれた。

「先程のスキルは『隠密』です。主に暗殺職の者が身につけるスキルで、相手に気取られることなく行動が可能になる、そんなスキルです」

「暗殺職って…そんな風に見えなかったけど…第一、あの人は店員さんでしょう……?」

「そう思って鑑定を怠っておりました。私の不か--『だぁかぁらぁ、このお嬢さんは俺が先に見つけたんだっつうのぉ』不覚です」

「おや、先に目をつけたのは私の店ですが?」

「あぁん?何言ってんだテメェ。俺だってんだろ?」

 いつの間にか私達の後ろで喧嘩が始まっていた。ってかその中で最後まで言い切る白ウサギさんの勇ましさよ。

「アリス様、フォレストボアを使ういい機会では?」

 白ウサギさんが小声で言ってくる。

「うん…出でよ、フォレス『させるかァ!』痛ッ!?」

 詠唱をしている私の腕にチャグ猫の投げたナイフが深々と突き刺さる。さっきも腕負傷したのに………

「貴様!良くも!良くもアリス様を!」

 白ウサギさんがチャグ猫に向かっていく。あれ?今チャンスじゃない?小声で詠唱を始める。

「出でよ!フォレストボア!」

「ブゥモォォォ!」

「「!?」」

「アリス様、やりました!」

「貴様……!」

「意外とやるねぇ、お嬢さん。してやられたなぁ。だが、雑魚が一匹増えたところで何が変わる!」

「ブモ!?ブモォォォォォォ!」

 フォレストボアが抗議をするように大声で鳴き、威嚇するように地面を蹄で蹴り始める。「雑魚」なんて呼ばれたことにかなり腹を立てているみたい。

「いいよ。やっちゃいな?」

「ブモ。ブモォ」

 気合いを入れるみたいに一声鳴くと一気に走り出した。

「ブモォォォォォォォォォォォォ!」

「うお!?こいつ、普通じゃねぇ!?」

「確かになぁ。フォレストボアの実力を超えていやがる」

「だって私の眷属サーヴァントだもん」

「「!?」」

「本気で言ってんのかよ。お嬢さんが、眷属持ち…だと……?」

「アリス様なら当然のことです」

「ねぇ白ウサギさん、そういえばさ、スキルって自分にも効果あるの?」

「ああ、回復や身体強化スキルは使用者本人にも効果はあります」

「ありがと。じゃあ。『癒せ、治せ、奇跡を起こせ。絶対回復パーフェクトヒール!』っと。これで痛くない」

「「!?」」

「お、お嬢さん、あんた一体何者だ?」

「私?私はねぇ、異世界からやってきた『アリスの生まれ変わり』。店員さん、貴方には申し訳ないけれど、私は貴族なんかじゃないの。さあ、これで貴方の役目は終わりでしょう?目障りなの。私達の前から消えてくれる?」

「な、なぜ!?なぜ、そのことを………」

「『アリスの生まれ変わり』ならそんなことは簡単にわかるの。さあ、選んで。今すぐ私の目の前から消えるか、ここで死ぬか」

 嘘だ。白ウサギさんの耳が何やら不穏なことを言っている店長さんの声を拾ったのを教えてもらったのだ。イカサマに見える?いやいや、正当防衛ですから。文句を言われる理由はないはずだよ?

「…ク、クク、ククク…」

「何笑ってんの。死ぬか消えるか。二択だよ?」

「貴女方を殺して逃げる選択肢を増やしましょう。第三の選択肢を」

 なるほど。この人は自分が確実に勝てると思ってるらしい。

「言っとくけど、私、強いよ?」

 売られた喧嘩は買うしかないよね。

チャグ猫の歌は「ちー↑が↓う→」って感じです。

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