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第4話 雨と傘、白ウサギさんの案内で街へ

 何?この異常なステータス。完全にやばい奴。

「これ、本当に私のステータス?」

 流石に疑うよこれは。

「この世界では原則ステータスの偽装はできぬようになっております。これは貴方様のステータスでございます」

 ……ん?そういえば、アリスの世界にモンスターなんかいたっけ?いや、面白い生き物はいっぱいいるけどそれはあくまで『面白い』の範疇だし。

「そういえば、アリスの世界にモンスターはいない筈じゃない?」

 ここは白いもふもふ異世界ペディアに聞いてみよう。

「実は…」

 ーーーーーー

「つまり、本物のアリスが帰った後、モンスター達がいきなり現れた。ってことでいい?」

「さようでございます。それであの方は私に『アリスはもう死んでしまっているだろうから生まれ変わりを連れて来るように』とおっしゃったのです」

 白ウサギさんは私に実に現実味を帯びた。それでいてとても現実とは思えない話を聞かせてくれた。

「そうか…ん?」

 ぽつり。私の鼻先に雨粒が落ちる。瞬く間にそれは土砂降りの雨になり、たくさんの葉に遮られているにも関わらず私達に降り注ぐ。

「これはいけない。アリス様、街へ参りましょう。ここからなら洞窟を探すより早い」

 鞄の中なら傘があるけど…鞄!そういえばどこに置いたっけ?

「ねぇ、私の鞄知らない?」

「鞄?それでしたら私のアイテムボックスの中に」

 アイテムボックスェ…って、完全なる泥棒ウサギじゃん!

「鞄の中に傘があるから、鞄出して?」

「はい…あった!こちらですか?」

「ん。ありがと」

 鞄の中を漁って傘を見つける。傘を開くと白ウサギさんがビックリした。ちょっと可愛い。

「い、今、大きな音が……?」

「傘開いた音だよ?ほら」

 そう言ってもう一度傘を開く。白ウサギさんが目を見張る。

「なるほど…なら、安全なのですね?」

「そうだね。安全どころか雨を防いでくれるんだよ」

「それは……!とても便利でございますね!」

「でしょ」

 別に私が作った訳じゃないけど、私の世界のものを褒められると誇らしい。

「さて、気を取り直して、森の外へ…街へ参りましょう」

「そうだね」

 私たちは街へ向かって歩き出した。


次回はチェシャ猫…の子孫ですね。チャグ猫視点です

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