第2話 白ウサギさんとの出会い、チートステータス
「え!?異世界って…どういうこと!?」
ちょっと待って。いきなり目の前に現れた白ウサギさんが変なこと言い出したんだけど。それに、は?「アリスの生まれ変わり」って?
「ですからここは異世界で、私はとある方から『アリスの生まれ変わり様』を連れて来るように。と仰せつかっています。そしてやっと見つーー」
白ウサギさんの話を途中で遮る。
「ちょっと待って!」
ほんとにちょっと待って欲しい。さっきから「異世界」だの「アリスの生まれ変わり」だのわけわからん単語が連発してるんだけど。
「意味がよくわからないんだけど。まず、ここはどこなの?もしかして『不思議の国のアリス』の世界。なんて言わないよね?」
「さようでございます!いかにもここはあのアリス様の冒険なさった地。ちなみにここはチェシャ猫の巣がある森でございます」
嫌な予感はいつも的中する。深呼吸をして口を開く。
「で?『アリスの生まれ変わり』ってどういうこと?」
おお。自分でも意外なくらい冷静だ。しばらく考えた後に白ウサギさんが口を開く。
「貴方様はアリス様の血を引く家系に生まれ、その血が限りなくアリス様に似通っている。又は血が濃いため、1800年以上稼働されている''とある魔法''に引っ掛かったのです。よってお迎えに上がった次第です」
魔法?この世界には魔法が!?と、とりあえず聞いてみよう
「この世界には魔法があるの?」
そう聞くと白ウサギさんは首を大きく縦に振って、その耳をぱたつかせた。
「そうですそうです!使える者は稀ですが、この世界には魔法がございます!」
白ウサギさんは話している間も首を振り続け、少しずつ近づいてきた。あまりに近いので白ウサギさんの耳が顔にパタパタ当たる。
「痛い。ちょっと痛い。耳が当たってる」
「おっと。これは失敬。アリス様に無礼のないようにとあれほど言われたのに私としたことが」
ん?私いつのまに『アリス様』になんてなったっけ?
「あの〜」
おずおずと口を開く。
「たしかに私の名前は黒川有栖だけど、あなたが探しているような『アリス様』じゃないと思う」
そう言うと今度は首を横に振って
「いえいえとんでもない!あの魔法に引っ掛かったのですから貴方様はアリス様の生まれ変わりに違いありません!」
また耳が当たる。その顔引っ叩いてやろうか?
「耳。引っ張っていい?」
そういうと怯えた目をして
「耳は…耳はご勘弁ください。何も聞こえなくなってしまいます。私はこの耳を頼りにして生きているようなものなのです」
それは悪いことを言ったな。謝っておかなくちゃ。
「ごめんね?冗談だから許して?」
「それはいいのですが、どうも先程から強い魔力、体力、精神力を感じるのです」
「え?」
正直なんのことだかさっぱり。ゲームやアニメなんかに出てくるけど、一体どこからそんな気配が……? あれこれ考えている間に白ウサギさんが何か辿り出した。
「こちらですかな?もう少し…左……?ですがここにいるのは…」
そう言ってきょろきょろしている白ウサギさんの視線を追うと、そこにいるのは…私!?
「えーと、私?」
「そのようですな。どうやら貴方様は桁違いのステータスを持っていらっしゃるようだ。銃術、剣術、回復魔法に特化し、回復魔法は命がある限り如何なる病や怪我も治せる。ほぼ万能に使える魔法でございます」
なんかすごいな。私チートステータスじゃん。
「しかし、Lv1でこれでしたら、Lvが上がるのが楽しみでございます。」
これLv1だったんだ。
ーーーー
いろいろと考えを巡らせていると、近くの茂みから音がした。
ーーガサッ
2話目です。
アリス(有栖)のステータス
Lv1
体力:2500(平均:350)
攻撃:3759(平均:249)
魔力:3592(平均:193)
腕力:4537(平均:254)
防御:3726(平均:317)
魔防:2967(平均:216)
頭脳:3258(平均:279)
精神力:2851(平均:196)
【スキル】ワンダーステップ:周りの生物を操ることができる。
銃術強化:銃を装備した時に攻撃+ 20%。
剣術強化:剣(片手剣、両手剣、双剣)を装備した時に攻撃+20%。
絶対回復:使用対象が死亡していない限りあらゆるダメージ、状態異常を無効化する。
強すぎる気がする