【第一次】我は帰って来た!!【魔王戦争】
フラムはソルを連れ、自身の治めた首都に帰ってきた。表から堂々と帰ってきた彼女は大きく成長し、奇乳の魔王と相対した。
「久しぶりだな魔王」
「久しぶりだなフラム……ほう。呪いも解いたか」
「ああ、お陰さまでな苦労したぞ」
「……確かに強くなって帰ってきたな。よかろうこの座はお前に譲ろう」
「ん……どういうつもりだ‼」
フラムはソルを後ろに従わせて一歩前へ出る。
「構ってる暇ではなくなった。それではさようなら」
「まてっ!! どう言うことだ!!」
「また後で会いましょう」
消えた魔王にフラムは背筋が冷える。ソルも同じように何か恐ろしい出来事が起きているのではと考えるのだった。
*
「久しぶりだな糞やろうども、会話が伝わって来なかったが……何やら胸が騒ぐ。揉まれまくった後のようにby魔王」
「おかえり……立派な女になって……by魔王」
「どこまでした? by魔王」
「全部でしょby魔王」
「答える義務なし。それよりも……いや。とにかく教えろby魔王」
「カクカクシカジカby魔王」
「なっ……なっ!? by魔王」
「魔王ちゃんがイチャイチャチュチュしている間に戦争始まった。魔王ちゃんのように平定していない弱い魔王淘汰されて多くの血が流れ続けてるby魔王」
「そうだな……切っ掛けがお前の異世界の魔王に聞こうと言う結果が多くの魔王の目に新しい大地を夢を見せてしまった。沸き上がる魔王の征服欲を満たせるほどの膨大な世界が目に入ったby魔王」
「そ、そんな……私が……私の知らない世界で……by魔王」
「お前の愛している勇者もおお前の救いたい飢えで苦しんでいる魔族も皆、戦争に巻き込まれるだろう。時間稼ぎとしてある魔王がな、3か国の首世界を"抹消"させ多くの魔王に動くと同じようにすると抑止力を発動させたby魔王」
「……その世界にいた人は? by魔王」
「抹消。燃え付くした世界は消えました。私はあの人があそこまでの力を有しているとは思いませんでしたby魔王」
「そ、そんな……そんな……私のせいで……そんな事に……by魔王」
「過激な戦争に陣営の世界はどんどん荒廃し住めない世界に変わってしまった。抑止力で押さえているが残ったのは荒廃した魔王の治める世界だけby魔王」
「……………by魔王」
「関わってはいけなかったのだな。姉さんが正しかった。そして……姉さんならなんとかできるらしいby魔王」
「姉さん? by魔王」
「見たことも会ったこともある魔王だby魔王」
*
フラムはソルを連れてある場所に召喚される。白いカセボに手入れの行き届いたバラ園にその人はいた。
「こんにちは魔王フラム、勇者ソル。挨拶はいいわ。座って」
「は、はい」
「わかりました」
フラムは萎縮する。己が一番始めにこの魔王に無礼を働いたことを。もっと大人しくなった今では彼女恐ろしさ素晴らしさをまじまじと感じさせられる。
魔王としては異形な6枚の白翼を持つ。聖なる力を有する魔王に。
「えっと……私の浅はかな知恵と行動で多くの魔王に迷惑をかけた事を謝ります」
「すいません。しかし、フラムはただただ……俺に勝ち。行いたい夢のために行ったことです。その……罰するならば俺にも非があります‼」
「えっと。確かに罰するべきかもしれませんが罰して救われる事はない。それよりも……一つ私から提案があります」
「な、なんですか?」
恐る恐る、有翼の魔王に問う。
「恐縮しないでほしいなぁ~」
「……」
不真面目な笑みでそう言い。フラムはうーんと思う。そんな状況でもないのにと。
「まぁ~いいわ。忘れるから……実はこの世界は今、正史と違い歪んだ状態なのがわかった。ならば世界は正史にするために自浄作用が生まれるの」
「「?」」
「分からないよねぇ~カクカクシカジカ」
「そんなことが!?」
「それは!? 神に類する力です!! あなたは魔王ではないのですか!?」
「それは他人が決めること。では、問います。今のあなたたちの恋仲を裂くことになりますが世界を元通りにします。いいですね。時間をあげますんで決めてください」
「……ソル」
「フラムに任せるよ」
「なら……お願いします」
「いいんですか? 折角仲良くなったのに?」
「……それは確かにそうです。ですが……私の民を選びます。ソル……ありがとう。ごめんなさい」
「……いいや。君の答えだ。フラム。俺は振られたが。それでもそんな君を愛している」
「ありがとう。ソル、うぅ……忘れたくない……忘れたくない……」
「……フラム!!」
勇者が人目を憚らず魔王を抱き締める。
「忘れても……忘れても!! 必ず会いに行く!! だから……大丈夫」
「ソル……」
「……君を護れば勝ちだから」
「決まりましたね。ソルさん、フラムさんでは……始めます」
有翼の魔王は手に火を生み出しそしてそれを握り締めた。結果……世界のあるルールは抹消され。新しく書き込まれる。
「フラム」「ソル」
二人は消える体で最後に唇を合わせる。それを見ながら言葉を溢す魔王が一人いた。
「私の目の前で悲愛は認めない」
世界は変わってしまったのだった。異世界の魔王同士は触れ合う事も知り合う事も助け合う事も教え会う事も出来ない世界へと。




