表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雪からのクリスマスプレゼント

作者: 須東さう

一人の少女が一面の雪景色を眺めていた。

少女は、真っ白い一面の雪とは正反対の真っ黒なコートに身を包み、モノクロのマフラー、黒い雪模様のついた手袋、黒いスキニーパンツ、足元は黒いスノーブーツで身を固めていた。

はらり、はらりと白い雪が舞う。しかし、少女は帽子を被っていない。

少女は手袋をつけた手ではらり舞う雪を手にのせる。そして、こう言った。

「あなたはわたしとは違うのね。わたしは独りぼっちだけど、あなたは独りぼっちじゃない。」

少女は雪に話しかけた。当然返事が返ってくる筈もなく、手に載せた雪は溶けて消えてしまった。

ぶわり。

風が吹いた、とても強い風が。

「確かに僕らは独りぼっちじゃない。だけど、君とは同じだよ。」

そう、風の中の雪は言った。

答えが帰ってくるとは思わなかった少女は、唖然としていた。すぐにハッとして言った。

「独りぼっちじゃないなら、違うんじゃないの?何処が一緒なの?」

その問に風の中の雪が答えた。

「家族がいるところだよ。ほら、君は独りぼっちじゃない。一緒さ。」

少女は気付いた。そう、少女は独りぼっちじゃ無かった。

温かい家族が少女にはいる。

少女は笑った。

「ふふふ。そうね、一緒だったわ。」

少女は嬉しそうに言った。

「そうだよ!一緒!」

風の中の雪も嬉しそうに言った。

少女は満足そうに家に向かい、足を踏み出した。

風の中の雪はもう喋らない。

「ああ、そっか。今日はクリスマスだ。」

少女はポツリと呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ