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人造人間  作者: ウエマー
9/9

1人。

 「じゃあ、何かあったら、此のスイッチを押してくれ」吉田は、俺が目覚めた時に押した、ドアの隣にある黒いスイッチを指差した。「直ぐ行くから」                                  金田、『鏡』を持った『人造人間製作班』、吉田の順で部屋から出て行った。                吉田は、部屋の外側からドアを閉めると、鍵を掛けた。                          部屋にいるのは、俺1人だけになった。                                 「畜生っ」俺は、叫んだ。「何故、俺は、『人造人間』になんかならなければいけないのだ? 何が、上官の命令だっ。糞っ、皆、皆死んじまえっ」                                   「はぁ、はぁ」                                            叫び終えた俺は、部屋の真ん中にしゃがみ込んだ。                            「・・・・・・」                                              沈黙が部屋を支配した。                                        「・・・・・・」                                              「あっ」                                               俺は、『ある事』を思い出した。                                    そう言えば、気絶している時に夢を見たな。確か、三つ目小僧のアカリって奴と夜の森を歩いていた。アカリって、誰だっけ? 分からないが、知り合いの様な気がする・・・・・・。                                     「あぁぁぁ。もう分からんっ」                                     此れ以上考えると頭がパンクしちまいそうだ。                              「『頭』・・・・・・」                                           俺は、『頭』を触った。                                          ツルツルしていて、触り心地が良かった。                                「うあああぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁああぁぁ」                             俺は、雄叫び声を上げた。                                       『頭』を触った瞬間どうしようもない怒りが沸いてきた。                           「よくもっ、よくもっこんな『頭』にしてくれたなっ」                            そうだ。『頭』を割って死のう。もうこんなの耐えられない。きっと、俺が死んだら、奴らは、『実験対象者』がいなくなり困るだろう。ふん。いい気味だ。此れで、奴らに復讐が出来る。吉田、金田、『人造人間製作班』の奴らにっ。                                                 「うおぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉっ」                                   俺は『頭』を割るべく、勢いよく壁に『頭』から突っ込んだ。                       ごつんっ、と鈍い音が部屋中に響き渡った。痛みは、無かった。もう1回。ごつんっ。もう1回だっ。ごつんっ。最後にごぉぉぉぉぉんっ。                                      「何故だぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁっ」                                『頭』は、割れなかった。                                       ヒビ1つすら、入っていない。                                     「畜生、畜生畜生畜生畜生っ」                                     如何して、如何して如何して如何して如何してっ。                            俺は、壊れているのかな?                                       多分、精神が崩壊しているな。                                     「階級なんていらないっ。死んでもいいっ。だからもう止めてくれっ」                   俺は、願い、叫ぶ。                                          多分、願いは、叶わないだろうけれど。                                       

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