抵抗。
「『人造人間』・・・・・・?」 『理解可能』でもあり、『理解不能』でもあった。 金田の言っていることは『理解可能』だった。 然し、『人造人間』という『物』の『存在』が『理解不能』だった。 『人造人間』だなんて物語だけではないのか? 「分かったか?」金田は、言った。「貴様には、『人造人間』になってもらう。そして、我国、『大日本帝国』の誇りある兵士になるのだ」 「そんな・・・・・・」 俺の頭の中は真っ白になった。 そんな俺を見て金田は言った。 「もちろん無償で、とは言わん。貴様の階級を上げてやる」 「階級・・・・・・」 「そうだ。貴様は、今一等兵だろ?よし、軍曹に上げてやろう」 「軍曹・・・・・・」 「悪くない話だろ?」 「・・・・・・嫌です」 俺は、言った。 「『人造人間』なんかになりたくはないっ」 「馬鹿者がっ」金田は、俺を殴り付けた。「貴様、わしに向かって、何だ其の口の利き方はっ。しかも上官の命令には、絶対服従だろうがっ」 俺は、殴られ床に吹っ飛び、倒れた。 金田は、そんな俺にベルトから外した自動小銃を向けた。 「ひっ」俺は、思わず叫んだ。「止めて下さいっ」 「立て」金田は言った。「立って、服従しますと言え」 「はっ」 俺は、立った。 「服従しますと言えっ」 金田は怒鳴った。自動小銃の引き金を何時でも引きそうな勢いだった。 「・・・・・・服従します」 俺は言った。 「聞こえんっ。もっと大きな声でっ」 「服従しますっ」 金田は、満足したのか「よし」と言った。 「吉田っ」 「はっ」 吉田は、背筋をピンと伸ばした。 「秋田の了承を得た。今日から作業開始だっ」 「はっ。了解致しましたっ」