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人造人間  作者: ウエマー
1/9

閉じ込められる。

 「うぐっ」                                           18歳の少年が目を覚ました。                                  「此処は・・・・・・」                                        青年の背は、190センチと高く、筋肉質の体をしていた。彼は、白いシャツを一枚と褌を着ていたが、其の上からでも分かる程だった。坊主頭で、一重の鋭い眼をしており、整った顔立ちをしていた。如何やら、彼は、この状況を読み込めないようだ。                      其処は、畳十畳ほどのコンクリートで出来た部屋だった。ドアが1つと天井には1つだけ電球があり、其処から微かに光を放っていた。部屋は其のせいか薄暗かった。其れ以外には、特に何も無かった。其の部屋の中央に青年がいた。                              「何なんだ」青年は、辺りを見回すと、ドアを見つけたのか其処まで駆け寄った。そして、ドアノブを掴み、回した。引いてみた。「開かない」                               ならばと思い、押してみた。「開かない」                             「何故だっ」青年は、叫んだ。「此処を開けろっ」                         ドアを何度も叩いた。「開けろっ」                                ガンガンガンガンガン。                                     ドアの叩かれる音が辺りに響いた。                                「畜生っ」青年は、叩くのを止めた。                               「如何なっているんだ?」                                    青年は、右足でドアを一回叩きつけてから部屋の中央に行った。                   「如何すればいいんだっ」                                    そう叫ぶと、体育座りをして黙ってしまった。                           数分後。                                            「思い出せねぇ」                                        と、呟いた。「此処に行くまでに何があったんだ?」                        「くそっ。何故思い出せない? 誰が此処に閉じ込めた?」                     青年は、もう一度辺りを見回した。                                「何か。無いか?」                                       鋭い眼をもっと鋭くした。「此処から脱出する方法が」                       まるで、獲物を探す飢えた肉食動物の様だった。                          「ん?」                                            ドアの右横に黒いスイッチが一つある事に気付いた様だった。                    「何だ。ありゃ」                                        青年は立ち上がると其のスイッチの前まで行った。                         「押してみるか」                                        青年は、恐る恐るスイッチを押した。                               「・・・・・・」                                           数分待っていたが、何も起こらなかった。                             青年は、何度も何度もスイッチを押した。                             「何故だっ。何故、何も起こらないっ」                              青年は、叫んだ。                                        「くそっ。何故? 如何してっ」                                 「何も起こらないじゃないか」                                  青年は、スイッチを押すのを止めた。                               そして、又、体育座りをした。                                  「・・・・・・」                                           「何をすれば此処から出られるのだ?」                              「・・・・・・」                                           青年は、又もや黙ってしまった。                                 其の時、                                            ガチャン、という音と共にドアが開いた。                             青年は、ドアの方を見た。                                    「誰・・・・・・ですか?」                                      恐る恐るドアの向こう側にいる『誰か』に向かって聞いた。                     「わしは、吉田明というものだ」                                 「?」                                             「誰なんだ?」                                         やはり、青年には状況が読み込めないようだ。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

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