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第四話〜黒い服の女~

私は黒猫である。名前はまだない。私はこの町の色々な場所を徘徊している。




この町は面白い。他では見れない物が見れたり、聞けない話が聞けたりする。




今日の私は、この公園の前の道でくつろいでいた。




「今日はいないみたい」


「え?何が?」




私の前で二人の女がそんな事を言っていた。




「時々、この公園で黒い服の長い黒髪の女性が立ってるの」


「何それ!ちょっと怖くない?」




女達は、何もない公園を見ながら、そんな事を言っていた。私は知っていた。ここにいる者の事を。




「今日は一人なのね」


「キャ!」




耳元で聞こえた声に、女は驚いてふらついていた。そして、黒い服の女を凝視する。




公園の中にいる黒い服の女とは、何メートルも離れている。




だが、耳元で囁かれたように感じたのだろう。女は恐怖に歪んた顔で走って逃げていた。







次の日、私は、またこの公園の前にいた。




「え?なんで私この道を通っているの?」




昨日の女が、そんな独り言を言っていた。おそらく、違う道を通ろうとしていたのだろう。




だが、この公園の前の道に来てしまっているらしい。




「髪が少し傷んでいるわね…」




また、女の耳元で声がした。




「ヒッ!」




女は恐怖の表情で、公園の中の黒い服の女を見る。




距離は前と同じく離れている。女は公園から逃げるように走り去っていた。







次の日、私は、またこの公園の前にいた。




「ウソでしょ!なんで私ここにいるの?」




また、昨日の女が独り言を呟いている。女は周りをキョロキョロと見回していた。




そして、公園の中の黒い服の女を見て




「ヒッ!」




と、声にならない声を出していた。




「今日は、カワイイふくそうね〜」




また、女の耳元で声がしていた。女は振り返らずに走り去っていった。







次の日、私は、またこの公園の前にいた。




「やっぱり、この道に来ちゃうのね」




あの女が道の真中で、独り言を言っていた。女は公園の中の黒い服の女を睨みつけていた。




「何を怒っているの?」




また女の耳元で声がした。公園の中の黒い服の女とは距離がある。




「何なの私に文句でもあるの?」




女は強気に公園の中の黒い服の女に叫んだ。




「フフ…ありがとう」




女の耳元には、そんな言葉が聞こえた。その瞬間、視界が大きく変化していた。




女は公園の中から自分の姿を見ていた。




「ねぇ、大丈夫だった?」




友達が、その自分の姿をした者に話しかけていた。




「うん、大丈夫!」




自分の姿をした者は、友達に笑いながら答えている。




「何これ?」




そう言った時、その女は黒い服を着て立っていた。そして、動く事ができないでいた。




「私、あの黒い服の女になってる」




その声は、もう誰にも聞こえていなかった。黒猫の私を除いて…








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