第三十四話〜ああああああああああ~
私は、この場所によく来ている。そう、屋外に席があるカフェのあたりだ。
この場所は、日当りが良く居心地が良い。私がいる所からは、カフェで話す人間の声が聞こえてくる。
たまに面白い話が聞けるので、それも気に入っている。
私は黒猫である。名前はまだない。
「ああああああああああああああああああああああああ」ってメールが良くくるの!
そう言ったのは、屋外の席に座っている二人の女のうちの一人だった。
「何?その気持ち悪いメール」
相手の女が言った。
「うん、よくわからないんだよね!」
「ただの迷惑メールでしょ!」
女達は、そんな話で盛り上がっていた。
「でも、なんのために、こんなメール送るんだろ?」
女がそう呟いた。
「怖がらすためじゃないの?」
相手の女が答える。
「怖がらすなら、もっと内容を考えない?」
「確かに!」
相手の女は、その言葉に納得した様子だった。
「これ、なんか意味ある?ああ、しか話せないとか?」
女がそう言った。
「ああああああああああああああああああああああああ」
その瞬間、相手の女はこんな風に!ああっとしか話さなくなった。
「ちょっと、何?やめてよ!」
そう言った女は、勢いよく席を立つ。それに気付いた店員が近づいて来た。
「ああああああああああああああああああああああああ」
店員も女に、そう声をかけた。
「なんなの?」
そう言った女は、周りを見回す。周りにいる人間は、みんな女を見て何かを話していた。その話している内容は
「ああああああああああああああああああああああああ」だった。
「キャー!」
女が悲鳴をあげた。
「ちょっと!大丈夫?どうしたの?」
相手の女がそう言った。
「大丈夫ですか?お客様!」
店員も、そう声をかけた。
女はさっきの一瞬の状況はなんだったのかと、恐怖した、そして不思議に思った。
一瞬だが、女の周りの人間が、全員「ああ」としか話さなくなっていたからだ。
気のせいだろうと思って女は答えた。
「ああああああああああああああああああああああああ」っと。
女はそうとしか話せなくなっていた。




