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第二十一話〜顔~
この町には、公園がいくつかある。その中で一番大きな公園が、この中央公園だ。
昼間は、散歩をする老人や芝生を走り回る子供がいっぱいいる。
私は、この公園を徘徊する事が多い。私は黒猫である。名前はまだない。
ただ、この公園も夜になると不気味な雰囲気を漂わせる。
「う〜ん!」
そんな夜中の公園のベンチで、一人の女が寝ていた。酔っ払っているようだ。
「う〜ん!」
また、そんな声をもらす。そうしていると、その女は飛び起きるように目を覚ました。
「フフ~ン!フ〜ン!」
周りから鼻歌が聞こえる。
「何?」
女が呟いた。
「フフ~ン!フ〜ン!」
また、女の周りで鼻歌が聞こえる。
「誰?」
女は辺りを見回していた。
「フフ~ン!フ〜ン!」
また、鼻歌が聞こえる。
「何処?」
女が呟いた。
「ここよ!」
女の近くで声がした。女は恐る恐る上を見る。
そこには、白い顔をした首だけが女を見下ろしていた。




