表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の旅路  作者: チャロ吉
16/30

16 引きこもり生活

お金も沢山貰えたし、もう探索者をして働く必要は無くなった。

暫くは、ユーナの家でやっかいになりながら、サルマルからもらった本を読んでみよう。

言語理解の魔方陣が作れたら、スキル持ちを探さなくても良くなる。

フランはそれから、3ヶ月もの間、机にかじりつき読書三昧の生活をした。

国へ帰るまでは、もう少し待たなければならない。

もうこの大陸では植生の違いは無いと分ったし、見るものは魔獣くらいだ。遺跡にも興味はあったが、出土したものをいちいち届け出なければならないのは、面倒な気がした。

「フランはずっと本ばかり読んでいて、飽きないかい?」

「ユーロは読書は嫌いか?」

「余り好きで無い。別に字を読めなくても、探索者は出来るし。」

「君は伯爵だろう?文字が読めないと困らないか?」

「文字を読める使用人を使えば良いだけさ。僕は魔法が使える。探索者をやって、金を稼いでくるよ。」

なんとも、まるで平民のような考え方だ。これが、この国の為政者の常識だったら、国の発展は無いな。

「文字が読めないわけでは無いんだろう?」

「少しは読めるけど。目が悪いんだ。長く読むと凄く疲れる。」

目が悪ければ、文字を読むのは辛いかもな。フランは彼に役立つ物は無いかと考えた。

彼の目が近視なら、遠目のスキルなら良いかもしれないが、遠視なら使えない。

「君の目は遠くが見えないの?」

「いやものがダブって見えるんだ。」

乱視か?これでは僕にはどうしようも無いな。眼鏡の専門知識も無いし、この世界の眼鏡は意外と雑なレンズだ。乱視のような、複雑な調整は無理だ。

これ以上は、フランでは役には立てない。

「ものがダブって見えて、狩りには支障は無いのか?」

「ああ、それは大丈夫だ。僕は念視が使えるから。」

念視。心で見えると言う事か?凄いスキルが有ったものだ。

きっと目が悪いから鍛えられたスキルかも知れない。

「ところでさ、フランは何歳?」

「え、僕?もう18歳かな。」

「じゃあ、経験あるだろ。僕を街まで連れて行ってくれないかな。」

ビックリだ。経験とは、あのことだろうか。フランはまだ経験はない。ユーロはまだ、未成年なはずだ。そんなことをしてユーナにバレたら大変ではないだろうか。

「ユーロ、僕には無理だ。誰か他の人に頼んでくれ。」

「ちぇっ、つまんねえの。」

そう言ってユーロは出て行った。

『僕の身体は、若しかしてずっとこのままなのだろうか。』

フランは、身体は大きく育ったのに、そっちの方は全然だった。


サルマルの本には言語理解の魔方陣が載っていた。

早速、魔石を加工して、魔方陣を魔石に描いてみる。魔石を綺麗に半分にして、切断面を平らに研磨して、そこに魔方陣を描く。モノクルのように片眼鏡タイプの翻訳機が出来上がった。

古代文字で書かれた本を見てみる。

この本は小説のようだ。他の本の題名を見ていく。

専門書は少ない。中の1つに建築関係の本があった。

それからの日々を専門書の解読で過ごすことになった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ