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夢の旅路  作者: チャロ吉
14/30

14 リザードベア

「フラン。元気でやっているか?」

エステバルから通信が入った。すっかり忘れて居たフランだった。

「うん、元気だ。カルチャーショックがあって、かなり戸惑ったけどね。エステバルは?」

「ああ・・ちょっと妙な事になってな。その・・。」

「なんだよ。ハッキリしないな。ワチキと上手くいったんだろ。」

「何故!分った?」

全く。面倒くさい。分らないはずがあるか。あれほど意識しまくっていたくせに。

「まあ、何となく?」

「あの、その、ワチキとは結婚しても構わないそうだから、そうなると思う。」

ふーん。やっぱりな。精霊樹の計算通りになったか。でも、エステバルにとっては良い結果だな。

「おめでとう。僕が帰る頃はもう、結婚式は終わってそうだな。」

「いつ頃帰れる?」

「多分、順調にいけば1年はかからないと思う。」

「そうか、無事に帰ってくることを祈っている。無理だけはするなよ。じゃあな。」

『あっちは上手くいってそうだな、でも僕は、何時思春期が終わるのだろう?』


次の日、ユーナと、息子のユーロが遺跡探索に連れて行ってくれた。

ユーロは、フランと変わらないくらい身長が高かった。身体が細くてひょろひょろしている。

「フランは魔法使いなんだって?」

「うん、まあこちらではそう言うみたいだね。僕の国では魔術師って言うんだ。その中でも僕は、錬金術師だ。魔道具の研究をしている。」

「凄いや!魔道具をつくれるほどの魔法使いなんて。」

まるで、雲の上の人物のように見られて、恥ずかしくなってしまった。

「君は何か魔法を使えるのユーロ?」

「僕は土属性の魔法さ。皆と同じ。ママもそうさ。でも平民は魔法が使える人はいないんだ。貴族は多いけどね。」

そうか。貴族は魔法が使える人が多いと言う事か。それとも、魔法が使えるから貴族になれたのか。

どちらにしてもこの国は魔法が使えると有利なようだ。


魔獣は出てきたが、獣人族の魔獣に比べると強くは無かった。

フランの国と変わらない。だが魔獣の種類は独特だった。蛇に似ている顔の、熊のような魔獣。熊の身体に鱗がビッシリ被っていて、堅そうな革だ。これは、剣の刃が通りにくそうだ。

光の魔法で光の槍を作って目を突き刺すと、其の侭絶命してしまった。

「なんとか倒す事が出来たな。」

「凄い魔法だな。これは光の魔法の変形か?」

「そうだけど、こちらでは使わないのかい?」

「光の魔法自体が希少だ。私達が使えるのは、せいぜい土の槍くらいだが、リザードベアには効かない。直ぐに折れてしまう。リザードベアには目を狙えば良いんだが、なかなか当たらないしな。」

まあ、光魔法はレーザー光線のような使い方が出来るから、狭い場所を狙いやすい魔法だが、ここの住人は土属性が多く光属性は少ないからな。

このリザードベアは、闇属性だ。これで魔法袋を作ってみたいが革が堅そうだ。袋には出来ないな。

「この革を加工してくれるところはあるか?」

「ああ、任せときな。家の使用人にこの加工が出来る奴がいる。鞄か箱にするのが良いだろう。」

こちらの魔獣の革が堅いせいで、箱にするのか。袋に出来るくらいの柔らかい革の魔獣は、僕の国にいる魔獣くらいかも知れない。とフランは思った。

植物はフランの国と余り変わらないようだ。

フランは不思議に感じた。普通こんなに離れた大陸では、かなり植生が変わっているはずなのに、魔獣はかなり独特な違いがあった割には、植物には変化が無かった。

「今日はこの辺に野営して、明日は遺跡内部までまで足を伸ばそう。」

フラン達は、石の遺跡の中で、一夜を明かすことになった。

半分崩れ落ちた屋根、しかし三方が囲われているので安心して眠ることが出来そうだ。交代で警戒しながらではあるが。

火は使えない。携帯食で済ませ早々に寝る。


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