1 プロローグ
ワチキとココは、精霊樹の使いだ。
ワチキは新たに精霊樹に作られた種属だという。
ワチキは、耳が横に長く、髪色は銀色、肌色は白い。背丈は人間の女と同じくらい。
目の色は緑色、細身の身体で、手足は長い。
ココは豆フクロウだ。
豆フクロウのココの羽毛は茶色に白のまだら模様。腹の色と目は黄色くて、くちばしは赤い。
手のひらにのる小さいフクロウだ。「クウ、クウ」と鳴く。
ワチキはエステバルの守り手。ココはフランの守り手だ。
二人は、精霊樹の恩人だという。
今の場所に移植して貰い、精霊樹は力が以前より強くなった。これから世界樹に成長できそうだと言っていた。
私達は精霊樹と常に繋がっていて、逐一エステバルやフランの動向を見ている。
他国へ行って仕舞う二人をとても心配している。命を懸けて守ってきなさいと、送り出されたのだ。
私達の力はまだまだ小さいが、これから力を付けていって、恩人の為に頑張ろう。
でも、船は揺れて具合が悪くなってしまった。ココは平気なのに、ワチキは無理!
「オエーッ!」
「おい!船室で寝て居ろって言っただろう。何で上がってきたんだ。全く手が掛かる守り手だな!グロの方が良かったよ。」
「可哀想だろう。ワチキ、無理しないで寝ていろ。」
くっ!迷惑ばかり掛けている自覚はある。なんとかその内挽回しますので、こらえてください。