ビックバン・ガール
私は元々他の人とは違った
殴られても蹴られてもみんなの前で罵倒されても
ヘラヘラして謝っていた
でも中学校の卒業が近づいてきた時何故か私は笑いながら泣いてた
みんなは急にキモがって離れようとした
そこで私の目は破裂した
破裂というより爆発に近い
周りの木が折れるほど爆発した私は無傷で立っていた
他の人は....多分死んだ血が見える
そんなことより目が痛い目の中から釘が生えてきたような痛みに耐えながら辺りを見た警察と先生が遠くから見て防護服を被った人が私を捕まえようとしている
どうやら先生が見ていたらしい今までのいじめもしっかり見てくれていればよかったのに
私は防護服の人に取り押さえられた
動けなかったというより動くことがめんどくさかった
親に説明するのも相手の親に謝るのも....
死にたかった殺して欲しかった
でもその人は殺さずに病院に連れてきた
その人はこの病院の院長らしい
その人はたくさんのことを教えてくれた
私が殺したのは6人らしい
いじめのことも理解してくれて涙まで流してくれた
このようなことはよくあるらしい
その後コーラを買ってもらったいつもパシリとして運んでたが飲むのは初めてだ
疲れが溜まっていたのかすぐに寝てしまった
悪夢を見た 6人の人がお前も死ねと叫んでいる
体に激痛が走った
これは夢だと気づいたと同時に体が動かないことに気づいた
その後に絶句した
隣にいる人は私の首を切っている
私は妙に冷静で裏切られたことをすぐに理解していた
やっと死ねる最初から死ねばよかったんだ
残酷なことに首を切り離されても生きている
叫びたいくらい痛い でも叫ぶ肺もない
首は繋がった私は本当なら一度死んだ
次は単純だガソリンを撒かれて燃やされた
熱いどころではない体が焼けて落ちていくのがわかる
それでも治った
毒ガスを吸わされ、水に長時間つけられ、体をプレス機で潰されて、電気を流された
全て言葉で表現出来ないほどの痛みだったが
それでも体は治る
本当から6回は死んだ
待てよ...6回死んだならもう罪は無くなったはずだ
ここから出よう
そう思った瞬間また目が爆発した痛みには慣れた
壁が壊れて外を見たらそこには椅子に座っている男女がいた
現実は残酷だ信じたくなかった目の前にいるのが自分の両親だ
今まで見たことない顔だ夫婦で喧嘩をしてる時もそんな顔はしなかった
いつも仲悪いのに私をみる目は2人とも同じだ
そこから3日位だろうか記憶が曖昧だ
町を消した学校も自分の家もよく買わせられてたコロッケ屋も
全て消した
綺麗になった更地に座ってコンビニを壊す前に取っておいたおにぎりを食べていたら大きな音がした
銃声だ5人の警察官が発砲してきた
殺した
自分が何をしたいのかわからない感情も行動も理性すらも
悲しくなって変装して街に出た
発砲音がしたバレたと思ったら私に向けてではない
デモ隊と警察の喧嘩らしい
掲げている看板は15歳の少女を殺すなや保護するべき
すぐ気づいた私を守ってくれているんだと
涙が出たここまで嬉しいことはない
親にも友達にもゴミ扱いされてきたのに
嬉しくなってデモ隊に会いに行った
デモに参加するかと聞かれて喜んでやった
楽しいみんなで一緒に共通の敵に向かって戦うのは
私は人生で1番楽しい
デモが終わって会議をすると言って近くの飲み屋に連れてかれた美味しい料理を食べたみんな酔ってきて1人ずつ一発芸をやることになった
各々が様々なことをする中私は決めていた
ここで軽い爆発すればみんな私があの少女と気づくだろう
私の順番だ
風船が割れたくらいの爆発だでもみんなは逃げていく
さっきまでとは違う
怖い化け物みんな逃げろ消えろ悪魔みんなが私を罵倒する
ここで気づいたみんなが助けたいのは文章や画面の中の私でただの爆発魔は恐怖の対象でしかないのだ
ああああああああああああああああああああああああ
楽しかったのに
ああああああああああああああああああああああああ
あんなに優しかったのに
ああああああああああああああああああああああああ
私の体がこんなように出来てるから
ああああああああああああああああああああああああ
誰か助けて欲しいお願いだから
気づいたら全員殺していた
5日後神父の装いをした人が来た
その人は私に向かって土下座した
神様と呼んだ
私は現実から逃げたがる
今度こそは本当に優しい人だと思いついていった
予想は当たった
私の爆発を見ても全員拍手して神と崇めた
神父の横に立っているだけで私は美味しいご飯が食べられた
違和感を感じたのは1年経った時だ
神父は知らない女をたくさん抱いて
教会はどこの家よりでかい
どこから金を稼いでいるのかわからないが明日も同じことをする
金が足りない酒が足りない女が足りない最近そんな叫び声がする
突然部屋に入ってきて首を掴まれていつもの教会へと向かった
信者が集まっている
土下座しろと言われたのでとりあえず四つん這いになってみた
頭を下げろと足で頭を踏まれた
私は自分の愚かさを憎んだ
この人たちは私の力を神と言ってるのではなく
この力を従えているこの男を神と呼んでいるのだ
もう殺しには飽きた軽い爆発で死んだ
でもこいつは用心深いらしい拳銃を持っていた
従っている私を信用もしてなかった
信者共はみんな散り散りに逃げていった
しかし1人の少年は私を可哀想と言って花を一輪くれた
久々に綺麗な目を見た
薄汚れてない鮮やかな黒い目だ
「ありがとう」
少年は私に話した親がいないらしい
そして家族に憧れているようだ
私は少年に姉になる提案をした
笑顔で受け入れてくれたこんな少年を捨てた親はクズだと思った
そこから8日間教会に隠れて生きた
同じパンに飽き飽きしてきたところで外に出た
警察が取り囲んでいる
私は死なないがこの少年は死んでしまう
警察に預けようとしたその時に
少年は撃たれて倒れた
初めて人のために泣いた涙の味は中学校の卒業式の時より濃い
その涙が鉄の味になるまでは早かった
警察がこの子の親は私が殺したデモ隊の一員と言った
捨てたのではなかったのか
世界は汚い 腐った価値観と朽ちた思想がブレーキのない行動をつくっている
なら全部吹き飛ばして私が世界のルールになろう
この前の爆発で気づいた体も爆ぜることに
全力でやったら全部消し飛んだまたまた始めよう
宇宙が真っ暗でも今だけは清々しい朝であった