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誕生したらナビでした。  作者: ぷちどら
章の壱
7/10

鉱夫もツルハシの誤り1

「んあー…どこまで続いてんのこれ」


 洞窟を進むこと約1時間。ミツキの足取りは次第に重くなってきていた。


〈予測不可能です。空気は循環しているので低酸素症にはなりません〉


「そいつはようござんした。あちこちにあるけどあのプロペラの動力ってどうしてんだろ」


〈風の魔石ですね〉


「魔石?」


〈マナが結晶化したものです〉


「マナ?」


 そこからか。


〈自然現象の源になるエネルギーです。魔法もそれを操ることで発動させます〉


「ほへー…。マジで違う世界なんだね、ここ」


〈マナに関しては存在しない世界の方が珍しいです〉


「あたしは地球の科学力が恋しいわい」


〈ミツキ、構えて〉


「なに!?」


 洞窟内に反響するゴリゴリという音。ほどなくして壁から現れたのは―


「モグラ??」


〈ロックモール。あの爪は鋼鉄並みに硬いとカミペディアに…〉


「でかいだけでヤバそうなのに!」


 その体長はミツキの軽く2倍。何を食べてあんなに…なるほど、コウモリ…。いや、資料を参照している場合では!


〈今は【自動防御】がありません。一撃でも浴びたら…〉


「ひぃぃぃ!!」


 言い終わる前に振り下ろされる、巨大な黒い爪。


 ミツキはそれを間一髪飛び退いて避けたものの、背後の壁に追いやられた形になってしまった。


「転移!ねぇ転移!!」


〈それがその…さっきしようとしたのですが磁場と風のマナの干渉が強くてエラーだらけに〉


「ポン!このポンーーー!!!」


 再び襲ってきたロックモールの腕にミツキがヤケクソで()いだツルハシが当たり、爆発が起きる。


「な、なんだぁ??」


〈そのツルハシに付与されたアビリティ、【爆破】の効果ですね〉


「フフッ…フフフ…」


 ツルハシを引きずってゆらりゆらりと敵との距離を詰める勇者様。


〈ミツキ?〉


「そういうのはさぁ、もっと早く教えてよぉ…」


 ダメだ。攻撃手段を得ただけで勝った気になっている。頼むから逃げてくれ…。

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