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銀水晶は微笑む  作者:
2/20

始まり






嗚呼、こうなると思ってはいましたわ。

というより、こうなるまで敢えて放っておいたわたくしも悪いのかしら。


「アリスティア・ソル・オルタナ!今日この場を以て、私、フレデリック・サハラはお前との婚約を破棄する!」


ちろり。

扇子で口元を隠し、この愚かでお粗末な喜劇を、卒業パーティーという華々しい瞬間に繰り広げた残念な元婚約者を見やる。

お立場を分かっていらっしゃるのかしら。

我がオルタナ帝国が保護という名目で管理している、この小国の王太子如きが、わたくしに婚約破棄等突き付けられるわけがないでしょう?

薄々気付いてはいた。

この王太子、引いては国王夫妻は、なにを勘違いしたのか。

オルタナ帝国が出した『管轄下に置く』という言葉を、『同盟を結ぶ』と曲解していた。

この小国はとても上質なシルクを生み出す、ニジイロアゲハという蝶が群生する唯一の国である。

ニジイロアゲハが紡ぐ糸は虹色に輝きながら上質なシルクとなり、各国の貴婦人並びに収集家の王侯貴族に愛されている。

それを、小国が故に侵略され失われたら大損害。

だからこそオルタナ帝国の皇帝であり、我が父でもあるアズラエル・ソル・オルタナが管理しようと、たまたま年齢が釣り合った第三皇女であるわたくしが嫁ぐこととなったのですが。

嫁ぐ……違うわね、実質乗っ取りのようなもの。

フレデリック殿下の後継は、必ずしもフレデリック殿下の種でなければならないわけではない。

わたくしの腹から産まれたものに継承権がある。

宗主国たる我が帝国は、そこまで条件をつけ、民たちに余計な混乱と不安を与えぬようにと邁進していたのだけれど。


「理由をお聞かせ願えますか?」


「ハッ、白々しい!ここにいる私の愛しいアンナを虐めていただろう!!」


………………は?


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