再会
俺はアカム。ギリギリの修羅場をなんとか生き延びた、両軍の犠牲も最小限で済んだ。守護者である魔道士、触媒である水晶を破壊した。あの水晶自体相当な魔力がこもっている。クラフ領があのクラスの水晶を量産しているとなればリレオ領に勝ち目など全くない。
そんなはずはない。あのクラスが量産できるならあんな小国であるはずがない。帝国とだって互角以上に戦えるはず。
あの水晶を破壊した以上、クラフ側の戦力は半減した。この状態ならばリレオはいずれクラフを倒すことができるはず、次の戦闘で制圧できるかもしれない。しかしそれでは、その東に鎮座する帝国に疲弊した2領は飲み込まれてしまう。
こちらとしては村の独立と自衛権の確保、クラフ側の不干渉を達成できればいい。
リレオはクラフに対して今のうちに強気の外交条件を提示することができるだろう。
早速リレオ侯に提案した、提案は受け入れられ、和睦の流れになった。俺にも朗報があり
リレオ領の外交担当として取り立てられることになった。
最もこれが報酬なので、即金ではもらえなかった。とにかくこれで正式に領主に仕えることができるようになったのだ。
外交案はまとまった。状況的にクラフはこの案を飲まざるおえないが。それでもあのクラフだ。油断はできない。
数日後、クラフとリレオの中間で会合が開かれることとなった。今回の戦闘の発端となったあの村で。
リレオ侯は俺と数人の政務官を連れて会合の席に座った、同時にクラフ側もクラフ侯と
数人の供回りを連れていた、が、その供回りの1人にあの守護者の魔道士がいたのだ。